ありとあらゆる分野を巻き込むということです。
自動車産業はすそ野が広いというのは、自動車をくみ上げる為に様々な要素が必要だからです。
まず、当たり前ですが、部品が必要です。機械の部品から電子部品、ガラスの部品、プラスチックの部品が必要です。シートなんかは布製ですね。
それにそれらの部品を効率よく運ぶために、道路がきちんとしていなくてはなりません。途上国だと舗装されていなくて、雨が降ると通れない道がざらにあります。そうなるとトヨタのジャストインタイムで部品を運んでくるなんで出来なくなります。
また出来た車を販売店に運ばなくてはなりません。鉄道輸送、トラック輸送、海外への船による輸送。山の中よりは海に近いほうが輸出には便利ですし、港も自動車運搬船がすぐに車を載せられる作りになっているともっと効率が良くなります。
さらには、工場の問題もあります。工場は意外と水を使います。水道が無いとまともに工場が動きません。また働く人も同じ言語で同じ水準でないと、意思の疎通が出来ず不良品ばかりになります。
つまり安くてよい自動車を作るには
・ありとあらゆる素材で良い部品が作れること(当然原料の仕入れも問題です)
・作ったり運んだりするインフラが整備されていること
・作業者の教育が一定水準に保たれていること
つまり、日本のありとあらゆるものが自動車を作るのに必要になるのです。途上国では、道路整備、水道の為のダムつくりから始めるところさえあります。
こういうのをすそ野がひろいというのです。