うーん、GONZO作品で一番ひどかった原作レイプは『ぼくらの』だと思います。
超ネタバレしてますので、ご注意を。
たぶんご覧になっていないと思いますので、簡単なストーリー説明を。
夏休みに自然学校に参加した少年少女15人は、海岸沿いの洞窟でココペリと名乗る謎の男に出会う。ココペリは「自分の作ったゲームをしないか」と子供達を誘う。ゲームの内容は、「無敵の巨大ロボットを操縦し、地球を襲う15体の巨大な敵を倒して地球を守る」というもの。兄のウシロに止められたカナを除く14人は、ただのコンピュータゲームだと思い、ココペリと契約を結ぶ。その晩、黒い巨大なロボットと敵が出現し、ロボットの中のコックピットに転送された子供達15人の前には、ココペリと、コエムシと名乗る口の悪いマスコットが待っていた。これが黒いロボット・ジアースの最初の戦いであった。……戦闘を重ねるにつれ、子供達はゲームの真の意味を知ることになる。
(異常、ウィキペディアより)
まー、結構SFです。かなりSFです。しかも、戦闘が終わると操縦者のうち一人が必ず死にます。負ければ地球が消滅します。
重たい話です。しかも平行して、15人のうちのひとりで両親のいない少年の本当の母が、主人公たちを自衛隊員として保護している女性である、ということが判明します。
ええ、SFな上にシリアスな話です。
で、この作品の原作の漫画版が存在するのですが、もともとの絵が『ギャグマンガ日和』という、超名作ギャグマンガにちょっとだけ似ています。
で、アニメになるとキャラクターデザインも変わるのですが、元の絵よりちょっと『ギャグマンガ日和』に近づきます。
で、何が問題だったかというと。(前フリ長くてごめんなさい)
そのいち。毎回毎回「あれ、あたし先週見逃したっけ」と思うようなわけのわからない脚本。
非常にスリリングでした。何が起こっているのか今でもわかりません。
そのに。前述の『ギャグマンガ日和』に似た絵が、主人公のうちの一人の母親が誰だかわかり、その直後に死ぬ回(ストーリー上超重要な話)で、崩壊します。
もう誰がどう見ても『ギャグマンガ日和』そのもの、というクラスまで崩壊します。
母親が名乗り出て、凶弾に倒れ死ぬ…… という超シリアスな場面なのに、『ギャグマンガ日和』。
これ以上の原作レイプは存在しないと思います。
しかもこの前後の回の作画が、そこそこまともな上にストーリー的にはどうでもいい話だったため「なんで母が死ぬ回に力を入れなかったんだ?!」とびっくりすること請け合いです。
で、今GONZOの過去作品一覧を見ながらこれを書いているのですが、「これはないよ」と思った作品が意外となかったことに驚いています。
「GONZO=原作レイプ」というイメージってどこから来たんでしょう。『岩窟王』とか『ロザリオとバンパイヤ』とか、けっこううまくいってると思うんですけどねぇ。
お礼
非常に分かりやすい解説ありがとうございました。 今度「ぼくらの」を見てみたいと思います。 シリアスな場面なのにギャグマンガ日和。むしろワクワクしますw ありがとうございました。