まず、「母乳不足感」と「母乳不足」は違います。
生後3ヶ月くらいから、赤ちゃんの飲む量と母乳が作られる量がちょうどよくなるので、時間がたってもおっぱいが張らないようになることが多いです。
こういう状態を「差し乳」というんですけど、質のいい母乳が作られていて、詰まりなどのトラブルの少ないとてもいい状態なんですよ。普段は張っていなくても、飲んでもらうと母乳が沸いてくる感覚はないですか?
もし張りがなくなったというだけで、母乳不足かなと思うようなら、赤ちゃんの様子を見てくださいね。
本当に母乳が足りなければ、ぐずっている時間が長いとか、おしっこが少ないとか、そういう様子が見られると思いますよ。
赤ちゃんがご機嫌で、おしっこもよく出ているようなら、それは母乳不足ではなく母乳不足感だと思います。
母乳不足感というのは、ほとんどがママの思い込みです。もしかしたら、足りないような気がするだけなのかも?
3ヶ月くらいって、赤ちゃんがグンと成長する時期でもあるので、一時的に飲む量が増えることがありますよ。
その結果、母乳の産生量は変わらないのに、赤ちゃんにとってはちょっと足りないという状態になることもあります。
こうなると、吸い付いている時間が長くなったとか、授乳回数が多くなったとか、そういう変化として現れます。
だからママとしては「足りないのかな?」と思ったりもしますよね。でもあわてなくても大丈夫ですよ。
こういう場合は、時間も回数も気にせず、欲しがるだけおっぱいを吸ってもらえばいいのです。
母乳を作られるには、いくら栄養状態がよくても、まずはおっぱいからの刺激がないとダメなんです。
その刺激によって「母乳を作れ!」と指令を出すホルモンが分泌されるんですよ。
それがきっかけとなって、脳から体に指令が出るので、まずはおっぱいを吸ってもらうことです。
そうすると徐々に母乳量が増えてきますよ。ただ、人間の体のやることなので、母乳量が追いつくまでには2,3日から1週間くらいはかかると思ってください。
その間だけ、時間も回数も気にせず授乳を続けていると、また元のように時間が開いてきますよ。
だから3ヶ月目って、いろんな意味で母乳にとってはターニングポイントなんですよね。
ここを乗り切ると、その後はまたスムーズに母乳育児ができると思います。
母乳の場合、体重増加もゆっくりなことが多いですし、3ヶ月目あたりから増加が伸び悩むことも多いです。
それだけで母乳不足と思い込むママは多いようですが、赤ちゃんの成長って、体重増加だけがすべてではないですよね。
基本的に、よく飲んでよく寝て、よく排泄していれば、それが健康ということなので、赤ちゃんの様子をよーく観察することをお勧めします。
母乳育児は、数字に振り回されないほうがうまくいきますよ。
参考までに、哺乳瓶だったら「母乳実感」、ミルクなら「アイクレオ」というものだと、母乳で育ってきた赤ちゃんでも、割と飲んでくれたという話は聞きますよ。