今年の7月に初めて治療したということですが、治療前の症状はいかがでしたでしょうか?また、プラスチック樹脂を詰めたか。金属で治したかによっても若干答えが違ってきます。
可能性1:虫歯治療がうまくいっていない場合
治療前から痛みがあるような比較的大きな虫歯の場合、虫歯が神経に近接していると処置後に数日鈍痛が診られたりすることはよくあり、冷たいものがしみることが1ヶ月程度みられることもあります。一般的には、時間とともに症状は落ち着いてきます。ただ、今回の場合は、期間が長く、温かいものがしみるのがよくありません。神経の炎症としては、冷たいものがしみるより、温かいものがしみる方が重篤です。
そうなってくると、詰め物がうまくできていない可能性も考えられます。樹脂の場合は詰め直しでしょう。併せて神経の炎症を鎮静するようなものを詰め物の下に置く場合もあります。金属の場合、目見えない小さな間隙が存在することがあり、それが原因でしみることがあります。金属によっては保険治療の材料であっても金を含んでおり、すり合わせといって金属を延ばすことで適合を改善して、しみなくできる場合もあります。
可能性2:虫歯と関係ない場合(くざび状欠損&知覚過敏)
虫歯の部分の治療は成功していても、同じ歯あるいは近くの歯に問題がある場合があります。くさび状欠損は、脇の歯の頬っぺた側の歯ぐきとの境にできる引っ掛りのことで、虫歯ではありません。かみ合わせなどが原因で歯ぐきとの境目辺りのエナメル質が剥がれ、歯質がえぐれはじめ、歯ブラシの力が強いといっそう削れやすくなります。もしかすると虫歯治療後にくさび状欠損部の知覚過敏がみられ、現在まで痛みが続いている可能性もあります。歯と歯茎の段差はくざび状欠損を疑わせます。治療は欠損をセメントあるいは樹脂でうめる方法と知覚過敏用の薬剤を数回塗布する場合が一般的です。知覚過敏は一般的には冷たいものがしみたり、歯磨きが痛くてできないなどが多いですが、重篤な場合は温かいものがしみることもあります。先に示した治療で改善しない場合は神経を取るということもあります。知覚過敏用の歯磨き粉は結構いいと思います。歯磨き粉で症状に変化あれば、知覚過敏で間違いないと思います。