下向きの垂直尾翼ってあり!?
下向きの垂直尾翼ってあり!?
物理学は物理学ですが、航空力学なのでだいぶマニアックな質問になってしまいますが・・・
RQ-1プレデターにおける尾翼の取り付け方法の意図がまるで理解できません。
飛行機の静安定はロール軸、ヨー軸、ピッチング軸に分解して行われていました。「いました」と書いたのは、YF-23のように水平尾翼と垂直尾翼の機能を斜めの翼一枚で行う機体も出てきているからです。RQ-1も尾翼を斜めに取り付けています。
さて、一般的な機体において、三軸の中でヨー軸、ロール軸周りの静安定を担うのが垂直尾翼です。機体の向きが、進行方向に対して、ヨー軸周りのズレを生じたとします。このとき垂直尾翼の左右で風の当たりが変わります。このためズレと逆の向きの力が垂直尾翼に働き、機体は機体の向きを元の通り進行方向と同じくする。
一方、ロール軸周りにズレを生じると、主翼が生んでいた揚力も向きがズレます。このため重力に抗う力は主翼の揚力のcosin成分だけとなり、これまで揚力は重力と均衡していたのですから、機体は揚力不足で高度を下げてしまいます。この時、揚力のsin成分も機体に働くので、機体は横滑りする形で高度を下げることになります。この横滑りによって機体には横風が当たるようになるのですが、この横風が垂直尾翼に当たることによって、機体のズレが補正される。
ヨー軸周りの静安定を得るためには、垂直尾翼が上向きに付いていようと下向きだろうと特に問題は無いのですが、ロール軸周りの静安定を得るためには、垂直尾翼は上向きに付いていなければなりません。ですから、殆どの機体で垂直尾翼は上向きに取り付けられています。YF-23は垂直尾翼が水平尾翼を兼ねて斜めに取り付けられていますが、それでも上向きという点では同じです。
Do335や震電は尻餅事故を防ぐために下向きの垂直尾翼を持っていますが、これも基本的には上向きの垂直尾翼が主であって、主翼の上反角による安定力と合わせて、下向きの垂直尾翼が持つ不の安定力を相殺しているはずです。
という風に私は飛行機の垂直尾翼の働きを理解しています。
ところがRQ-1の垂直尾翼の取り付けはどうなんでしょう。垂直尾翼は下向き、水平尾翼も斜め下を向いて、ロール軸周りには不の安定力を持ちます。下向きに取り付けた理由は尻餅事故を防ぐためでしょう。RQ-1もDo335や震電と同じく推進式のプロペラ機です。ただ、この両機と違って、RQ-1には上向きの垂直尾翼がありません。
主翼には上反角が取り付けられているのでしょう。あるいは動的制御も行われているでしょう。しかし、それだけでこのマイナスを相殺できるのでしょうか。一体全体、RQ-1のロール軸周りの静安定はどのようにして確保されているのでしょう。
どなたかご教授ください。
お礼
空母と通信する為のアンテナでしたか!細長い方が、短波の周波数を拾いやすかったんでしょうね。それについてはこれから自分で調べてみます。 ご回答、ありがとうございました。