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映画フルメタル・ジャケットのストーリー展開について
この作品を初めて観たときから思っていたのですが。 前半が新兵訓練、後半がヴェトナムでの戦闘シーンに二分されてますよね。 この展開にどうも???なのですね。前半でフセンになるようなことが後半で展開されるのなら私にも判りやすかったかもしれませんが・・。 それに前半に較べて後半は別にキューブリックじゃなくても・・・みたいな脚本にも思われ・・。 なんだかそれぞれ別の作品を見せられてるような妙な違和感を感じてしまって。もしかしてこれぞキューブリックの意図するところなのでしょうか?でも色々調べてみましたがこのストーリー展開のギャップについて言及されてるような意見もなかなか見当たりません。 わかりにくい書き方で申し訳ありませんが、スッキリとした回答をよろしくお願いします^^
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なかなかうまく表現できませんが、タイトルの「フルメタルジャケット」というのは、メタルコーティングされた非常に殺傷能力の高い弾丸のことで、何の感情もなく、人を殺す為だけに存在するその弾丸に、非情な殺人マシーンにされてゆく人間を喩えているところに答えがありそうです。 つまり、前半で徐々に感情をそぎ落とされ価値観を失わされて、非情で理不尽な軍隊の世界を徹底的に見せておいて、後半ではそうやって正気を失っていなければとてもじゃないが生きてゆけない狂気に満ちた戦場を見せる、と言うことじゃないでしょうか。 ラストのミッキーマウスマーチで「主人公も立派な一個のフルメタルジャケットになったな」と思わせます。 こういう寒気がするようなブラックジョークはキューブリックお得意の表現方法ですね。「博士の異常な愛情」のラストシーンで、優雅な音楽に乗せてキノコ雲をいくつも美しく見せたのと通じると思います。
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- CKshield
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僕は戦争映画で、一番好きなのは、この「フルメタル ジャケット」なのですが、この映画のテーマは「憎悪」だと思うんです。鬼教官の新兵へのしごき、しかしあのデブの少年への仕打ちは「憎悪」でしかなかったのではないでしょうか。そして、この「憎悪」は逆にしっぺ返しとなって前半の悲劇へとつながっていく。後半の戦争部分は、あのスナイパーのアメリカへの「憎悪」。一発でしとめれるだけの腕をもちながら、アメリカ兵をいたぶりながら殺していきますよね。アメリカ兵の目の前で。それは何故か。それだけアメリカに対する、敵に対する「憎悪」があるからです。 「苦しいだろ、悔しいだろ、はがゆいだろ、目の前でじわじわと仲間が死んでいくのを見るのは・・・」という声が聞こえてきそうな演出だったのではないでしょうか。マシュー・モディーン演じる青年の目を通して、出兵する前、そして出兵してからを描いていた、という意味で僕には違和感なく観れたんですけどね。 アメリカ万歳!どうだ!強いだろ、これがアメリカだ!そして兵隊を英雄視していない冷めた感じで描けている点も僕がこの映画を好きな要因です。 スナイパーの「憎悪」、鬼教官の「憎悪」、その彼にむけられる「憎悪」。そしてあのデブの少年は、自分の存在自体にも「憎悪」を抱いていた。だから自分の口に銃口をふくませ、引き金を引いたと思うんです。 キューブリックは戦争に対する、そしてそれが産み出す「憎悪」を描きたかったのではないか?と、僕は思ってます。
お礼
鬼軍曹の「憎悪」新兵自身の「憎悪」アメリカへの「憎悪」戦争への「憎悪」ですか・・。私自身としてはハートマン軍曹があの新兵にたいして個人的憎悪を抱いて・・というのは受け入れたくない部分でもあるのですね。うまくいえませんが、それじゃ救われないよぉみたいな、絶望感を感じてしまいます・・。そしてマシュー・モディーン演じる青年の目を通して・・主人公が一歩引いた立場で描いたということですね。これはなるほどですねぇ。ただ、あまりにもあの二人がインパクト強すぎて、後半に突然躍り出られても・・みたいな気持ちは正直なところですかね^^ありがとうございました。
- hana-kaze
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フルメタルジャケット、懐かしいですね。 プライベートライアンなど、臨場感溢れる近年の戦争映画を観た今となっては少々古臭いのかもしれませんが、足を引きずりながら進む兵士の一人になったような低い位置からの手持ちカメラ映像などは戦場体験のようで、公開当時は十分に衝撃的でした。 さて、前後半に分かれた映画の構成ですが、前半のインパクトが大きいため、はっきりしてしまった感がありますが、どちらも戦争の狂気をよく表していますし、「殺人マシーンにされたからこそ歌えるミッキーマウスマーチ」ということで、最後の最後で2つの話が結びついたという印象を私は持ちました。 叶わぬ夢ですが、キューブリックに聞いてみたいご質問ですね。書いた本人もスッキリしない回答ですみません…。
お礼
やはり公開当時は衝撃ありましたですか。これをリアルで見逃してしまったのが悔やまれますね。いえ、スッキリしたいなんてのがおかしいのかも?です。 ありがとうございました。
- tobaitiro
- ベストアンサー率24% (20/82)
たぶん、見た人の多くはその違和感を感じたと思いますよ。 まあ、無理無理言うなら、最初はみんな「普通」の人間だったのに、最後は、戦友が死んでも自分が人を殺しちゃっても、「普通」に楽しくミッキーマウスマーチを歌えちゃう人間の怖さがテーマとか。違うか。
お礼
そうそう、「楽しくミッキーマウスマーチを歌えちゃう人間の怖さ」これを私は軽くスルーしてしまってたかもしれません。ってことはそのシーンを疑問も抱かず見てたこの私も・・?? ありがとうございました。
- ucok
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おっしゃることは分かります。私も筋書きとしては、あそこで映画が2分しているなと思いました。というか、それぞれのシーンを、ふとしたときに思い出すと、どうも別々の映画だったような錯覚に陥ってしまいます。 しかし、何度か見て、なぜだか分からないのですが、見ていてまったく違和感がなかったんですよね。映画として完結しているというか。自分の中にすんなり入ってきた映画ベスト10くらいには入りそうです。 敢えて言えば、軍隊の流れとして当たり前の筋書きだからかなという感じもします。入隊し、しごかれ、ドロップアウトしたり、しないものはベトナムに送られる。その間に、さまざまな屈折や狂気や諦めがあって、しまいには究極の屈折と狂気と諦めが登場する。 たぶん、軍曹と、軍曹を撃った兵士の役者のインパクトがあまりにも強烈なので、そこで物語が一度終わったような錯覚に陥るのかなと思います。でも、きっとそれも監督の狙いであり、あそこで一つの何かが恐ろしい形で終わり、それは恐ろしい何かの始まりを予感していたというか。 一応、ベトナム戦争は「無意味で無駄な戦争」とされていましたので、「無意味と無駄」が映画でもテーマになっているのだと思います。ただ、やっぱりそれ以上に、言葉にならない映像作品の面白さが滲み出ているところが、名作と言われる所以かなという気もするのですが。 尚、「敵の見えない戦闘シーン」は「敵の見えない戦争」とされたベトナム戦争物のお約束でもあると思います。また、「見えない敵は女性狙撃兵だった」というシーンは、公開当時としては結構インパクトがありました。周知の史実ではありますが、実際に映像であんなふうに描いた映画は、少なくともメジャー作品では他になかったと思うんですよね。だけど、そもそもキューブリック作品って、筋書き自体は、そんなに奇をてらったものではありませんよね、いつも。というわけで、ぜんぜんスッキリとした回答じゃないですね^^
お礼
確かに私はリアルタイムではなかったですね、この作品を初めて見たのは。、「無意味と無駄」・・けっこうきますねぇ、うんうん。 私も考えてみましたらこの手の作品(とくにヴェトナム戦争もの)で、"スッキリ"を求めてしまう、そのこと自体がもしかするとまったく無意味なのかも?と感じてきてる次第です。ありがとうございました。
- ken8282
- ベストアンサー率26% (23/88)
ウェブでは、二段構えの狂気、と評する人がいました。 私も、 人が軍人(兵隊)にさせられる悲劇と、 軍人(兵隊)として生きなければならない悲劇。 実は全部見ていないのですが。
お礼
二段構えの狂気ですか・・う~ん、鋭いひと言ですねぇ。 悲劇は的を射た表現かもしれませんね。そして全部見てない・・そういえば私の友人も「前半だけで十分!」などと大胆な?発言をしてましたよ^^ありがとうございました。
- 999taka
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戦闘を経験して、無機質な感情に陥る、精神構造を作るのが、新兵訓練にある。 ということでは? まともな神経のまま、(悪いことは悪いなど)戦場にぶち込まれても、上官の命令100% 利けないでしょう。まず、ロボットにしないと。
お礼
まず、脱字をお詫びします。フセンではなくてフクセン(伏線)でした(汗) さて、新兵訓練で叩き込んで戦場へ・・ロボット化・・確かにそうですよね。 判りづらい質問なのに、回答ありがとうございました。 ただ、後半の戦闘シーンや女性狙撃兵のエピソードなどがなんだか在り来たりな物足らないストーリーに思えてしまいまして。そうですねぇ、前半が前半でしたからね、後半も何かを期待してしまったのかもしれませんね^^
お礼
えっ?タイトル「フルメタルジャケット」の意味、解釈を履き違えてました。 鋼鉄の防弾チョッキ・・みたいに勝手に解釈してました(汗)まったくお恥ずかしいです。う~ん、ラストシーンでのブラックジョーク・・確かに。やはり、キューブリックならでは・・でしょうかね。ありがとうございました。