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セラミッククラウンの適合について
よく、メタルボンドは適合がいいけど、オールセラミックはイマイチ、という話を聞きますが、どの程度の差があるものなのでしょうか。 インターネットで調べると○○ミクロンとか書いてあるのですが、 素人の私は、そのミクロンという単位になじみがないので、 ピンときません。私が今しているのはオールセラミック(ジルコニア) ですが、たしかに、セメントをつけずに試適したときに、 ずり落ちる感じでした。 メタルボンドだと、セメントをつけなくてもピタッとフィットして 落ちないとか、そのくらいの差があるのでしょうか。 わかりやすく教えていただけるとありがたいのですが……。
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昨今は接着材料が随分良くなりましたので、ミクロン単位の適合制度の差は有る意味それほど問題にはならなくなりました。 確かに接着剤無しの状態の試適では、オールセラミックの方がメタルボンドよりも「ゆるい」適合になることは多いようですが、接着してしまえば大きな問題にはならないと思います。 (確かに少し以前まではオールセラミックはブカブカの物も多かったですが…) 適合の差はセラミック冠のベース部分、つまりメタルボンドでは金属、オールセラミックではジルコニアなどのセラミック系の材料の制作方法から生まれます。 メタルボンドの適合は基本的には作業用模型(歯型)とベースとなる金属とを如何に適合させるかによって決まります。 金属は「ロスとワックス法」という操作により鋳造という過程を経て作られます。 蝋で原型を作りそれを型材に埋め込んだ後その蝋材を焼却し金属と置き換える(圧力を掛けて金属を流し込む)方法です。 操作過程が多く、又鋳造には金属の収縮などの寸法の制御の難しさが有りますが、正確に行えば数十ミクロンの単位まで原型に合わせることは可能です。 しかし、操作を誤った場合にはその限りではありません。術者の技量による差が大きく出来てしまうのも事実です。 これに対し、最近多く行われるようになったジルコニアなどをベースとするオールセラミックは作業用模型(歯型)を光学的(あるいは機械的に)計測しそのデーターを基にコンピューター制御の精密工作機械により削り出しによって作ります(CAD-CAM)。 切削器具の大きさ以下の細かな削りだしは出来ませんのでロストワックス-鋳造ほどの再現性はありませんが、寸法の精度は正確でむらもありません。 但し、このジルコニア材料は削り出したそのままの状態では使用できません。 焼結という熱的な処理が必要になりこの段階である程度の収縮変形が発生します。そのために削り出しはその変形分を見込んだ大き目の形になっています。 この変形の値を如何にコントロールするかが適合制度に大きく係ってきます(もちろんこれもコンピューター制御です)。 最近のジルコニアなどではこれらが厳密に管理製作されることにより金属に近い精度が確保されるようになりましたが、先にお話した切削器具の大きさの都合上歯型表面の極めて微細な凸凹等の再現性は金属(メタルボンド)にはかないません。 ややこしくて長い話になってしまいましたが、結論から言えば最近の製品で比較すればほとんど同等、但し細かい部分がアバウトになる分オールセラミックの方が緩めの感覚になる、と言ったところかと思います。 実際の使用上はほとんど問題となるよう無さは発生しないと思います。
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- michael-m
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冠の適合性は型から製作物まで様々な変形の要因があり、一概にどれが適合が良いとは言えません。多くの歯医者は宣伝文句として言っているだけです。 ちょっと専門的ですが、冠を作る過程は以下のようになります。 形成>型取り>模型作り>ワックス原型>鋳型作成>鋳造>セラミック焼付け …で、この「>」の部分で変形を生じてきます。 一方オールセラミックでは[模型作り]までは同じですが 模型作り>セラミック焼成、或いは。模型作り>焼成用模型作り>セラミック焼成…と1~2回だけで済みます。 上記方法では僅かな材料の混合比や温度管理、技術の差で変化量も変わるので、実際にどちらが良いとは言えません。 このほかに近年では「削りだし法」という方法があり、これでは最初の模型つくりだけの変形で済みます。 今のところ、これはコンピュータを使って機械で削り出しているので、温度変化などの影響も少なく、これが一番正確とされています。
お礼
ご回答ありがとうございました。 こんなに工程が複雑だとは知りませんでした。本当に陶磁器並みの 労力がかかっているのですね。 そしてその工程ごとに変形の可能性があるわけですから、 適合をよくするというのはかなりむずかしいことなのですね。 あらためて、技工士さんに感謝したいと思います。
お礼
ご回答ありがとうございました。 ジルコニアを試適したときに感じたすべる感じは、 きっと歯の表面の凹凸を再現し切れなかったために起きたのですね。 ブカブカという感じではなく、なんかすーっとすべったように 思います。お医者さんが「よくできたメタルボンドだったら セメントつけなくても落ちないんですよ」といっていたのですが、 その意味がやっとわかりました。メタルボンドの仮着は とれなくなりそうで怖いともいってました。 寸法の精度は同等だけれども、形に対する精度がまだかなり差があるということですね。 やっぱり、手作業に勝るものはない!と感じました。