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ANAマイレージの相互交換比率について
こんにちは。ANAマイレージと、他社ポイントとの相互交換について疑問があります。例えば、高島屋のポイントとの交換の場合、ANAマイレージ10000マイルは高島屋ポイント10000ポイントに交換できるのに、高島屋ポイント10000ポイントはANAマイレージ4000マイルにしかなりません。他社との相互交換でも、ほとんどの場合、他社ポイントからマイレージへの交換比率が低く設定されています。なぜこのように相互の交換比率が異なっているのでしょうか?等価なはずなのに、何となく納得がいきません。 もしご存知の方いらっしゃいましたら、教えてください。よろしくお願いいたします。
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改めましてこんにちは、コメント拝読いたしました。なるほど「利益獲得機会の逸失」と「ポイントの等価性」について気になるのはごもっともかと思います。 まず「利益獲得機会の逸失」についてですが、これは最初の回答で「余っている座席、または余りそうな座席」と書いていることの補足説明から始めます。 特典航空券の予約を試みると分かりますが、有償航空券でなら乗りたい便に十分な空席があっても、特典航空券では全く予約が入らないことはしばしば経験します。これは航空会社が「イールドマネージメント」という手法で利益の最大化を図っているためです。イールドマネージメントについては[1]のページなどが分かり易いので一読ください。[1]はホテルの部屋の販売管理を例にしていますが、航空会社における座席の販売管理も「固定費が高く変動費が小さい」「供給量は限られている」「在庫を持ち越せない」という点で本質は同じです。 航空券には値段の高いものから安いものまでありさらにこれに特典航空券が加わります。もし予約受付開始と同時に、安い航空券や特典航空券での予約まで無制限に受け付けると、座席はそれらの航空券で全てふさがってしまい収益は小さくなります。 かといって高い航空券にばかり割り当てて販売すると売れ残ってしまい、当日は空席だらけで飛行機を飛ばす羽目になります。そこで航空会社は需要予測を立て、最初は高い航空券の割り当てを多く設定し、売れ行きをにらみながらだんだんと安い航空券に座席を開放していきます。特典航空券は一番後回しで、配分が出るのは基本的に「空席が十分にあるか、あるいはその可能性が明らかに高いと予測できる場合」に限られます。これが最初の回答に記した「(特典航空券に提供しているのは)余っている座席、または余りそうな座席」の意味です。 もちろん、お金を払ってでもその便に乗るつもりだった人が、予約がうまく入ったために特典航空券に切り替え、それによってANA側が利益獲得機会を逸することはあり得ます。しかしそのようなことが極力起こらないようにするための販売管理手法が、まさに上記のイールドマネージメントです。お金を払ってでも乗る人がいくらでも出てくる便では、特典航空券への配分を減らすことで利益獲得機会逸失を最小限に留めています。 もう一つ、質問者さんが「必要な分を無料で獲得すると思います」と指摘されている点について考えてみます。 特典航空券で旅行する乗客には大別して二つのタイプがあると思います。一つは「マイルが貯まったから、旅行にでも行ってみようか」という人、裏返せば「マイルが貯まらなければその旅行には行かなかった」人です。もう一つは「どうしても旅行に行きたくて、そのために頑張ってマイルを貯めた人」です。 少なくとも前者については「マイルが貯まらなければその旅行には行かなかった」わけですから、航空会社にとって利益獲得機会逸失はないことになります。一方、後者についてはおっしゃるように利益獲得機会の逸失も考える必要が出てきます。ただし「頑張ってマイルを貯める」過程において、自社便(もしくは提携他社便、あるいは提携他企業)を相当の回数利用してくれているわけですから、それによる収益が逸失利益を上回る限り航空会社にはプラスに作用しています。 身近な例で言えば「ラーメン1杯食べるごとにスタンプ捺印、10杯食べたら11杯目は無料」という制度と同じです。11杯目は明らかに「利益獲得機会逸失」になりますが、スタンプ制度によりその客がよく来店するようになり、かつ最初の10杯分の利益で11杯目を十分カバーできるのなら十分にメリットがあります。(ラーメンは特典航空券と違って、材料の原価分程度には景品提供コストがかかりますが) 特典航空券での旅行における「貯まったから行ってみようか」という人と、「どうしても行きたかった」人の割合については切り分けが難しいところですが、私の周囲で言えば2:1くらいの割合で「貯まったから行ってみようか」派が多い印象です。 私は昨年、貯まったマイルをファーストクラスの航空券に引き換えてヨーロッパに行ってきましたが、自腹であればファーストクラスはとても選ばなかったでしょう。それどころか旅行自体に出かけていなかったと思います(航空券が年間で最も高い時期だったので)。私に特典航空券を出したことによって他の有償客を乗せる機会を逸したなら、航空会社側の逸失利益はおっしゃるようにファーストクラス運賃に相当する160万円です。しかし私の乗った飛行機のファーストクラスの搭乗率は往路が40%、復路が70%でした。他の有償客を乗せるチャンスは逸していなかったことになります。 一方、その旅行はすぐにではないにせよいつかは行ってみたい旅行でしたので、逸失利益は計算すべきということになります。その際、有償で旅行するならもう少し航空券が安い時期を選び、乗るのもエコノミークラスにしたでしょう。となると航空会社の逸失利益は15万円といったところです。(その他には私が乗ったことによる燃料消費の微増、提供した機内食やお酒、アメニティグッズの費用がコストに加わります) 私の立場からすれば定価160万円の航空券が12万マイル(1マイル=13.3円相当)で入手できてありがたく、航空会社にとっては15万円の利益獲得機会を逸失したものの、それまでの12万マイル分の搭乗(あるいは提携企業の利用)による利益は確保できていてお互い幸せなわけです。 次に「タカシマヤポイントに交換しても価値は下がっていない」について検討します。まず特典航空券に交換したときの交換レートですが、ANAで1万5千マイルあれば日本国内の任意の2区間(往復でもよい)の特典航空券を獲得できます。その価値は利用する路線や時期によって変わってきますが、競争が激しくて航空券の安い東京-大阪で使っても20,000円(往復の運賃)には相当します。これは最も安い運賃の「超割」で最も安い便に搭乗したとして計算した、かなり低めの見積もりです。利用する区間や時期によっては3万円分や4万円分に相当することも決して珍しくありません。これと逆に、往復して1万5千円以下に収まる区間を探すと、ANAグループでは福岡-対馬、沖縄-宮古、沖縄-石垣しかありません。それも最安の「旅割」運賃でかつ特定の便に乗った場合に限られます。 1万5千マイルの価値をどう見積もるかはなかなか難しいのですが、1万5千マイルで引き換えられる航空券の価格が1万5千円を切ることは故意にそのような選択しない限り起こり得ず、特典航空券に交換した場合の1マイルの価値は1円を上回ると結論できましょう。平均的には1マイル→1.5~3円くらいと見積もられます。 これに対し電子マネー"Edy"への交換は1万マイル→1万円ですから、1万5千マイルが相当するのは1万5千円分止まりです。Edyに交換した時点で既にレートが下がっているのです。 EdyがANAマイレージクラブの特典の一つであるのはご指摘の通りですが、Edyサービスを提供しているのはANAでなくビットワレット(株)である点に留意ください。そして会員が1万マイルをEdyに引き換えたとすると、ANAはビットワレット側に1万円相当の対価を払わなくてはなりません。特典航空券なら上述のように提供コストを安くできますから1マイルで1.5円や2円分、あるいはそれ以上のレートも許容できますが、対価支払いが発生するEdyではレートを落とさざるを得ないのです。 つまりEdyへの交換レート自体が特典航空券への交換レートより低いわけで、タカシマヤポイントがEdyと等価であっても実態は「レートが低いもの同士で等価」ということです。特典航空券に交換した場合(1マイル→1.5~3円)と、タカシマヤポイントに交換した場合のレート(1マイル→1ポイント→1円)との間には依然として差があります。 同じ金券類でも、ANAグループでしか使えない「ANAご利用券」[2]は、2万マイルで3万円分(1マイル→1.5円)とEdyより高い換算率に設定されています。「ANAご利用券」は有償航空券の購入にも使えるので、特典航空券に座席の割当てがない便の航空券でも購入することができ、場合によってはANA側に「利益獲得機会の逸失」が発生します。それでも賞品提供コストは航空券の価格よりは小さいですから、1マイル→1.5円といった設定が可能になるわけです。 【まとめ】 (1) 特典航空券を出すことによる「利益獲得機会の逸失」は皆無ではありませんが、イールドマネージメントによって「本来なら有償で販売できていたはずの座席を特典航空券として出してしまう」ことは最小限に抑えられています。 (2) 特典航空券の利用者には大別して「貯まったから行ってみようか」派と「どうしても行きたかった」派の2つが存在し、利益獲得機会逸失は前者であれば0円で、後者であれば計上することになります。ただ全員が後者であるとはちょっと考えにくいです。 3) Edyに交換した場合のレート(1マイル→1円)はタカシマヤポイント経由で商品券に交換した場合のレート(1マイル→1ポイント→1円)と確かに同じですが、Edyへの換算レート自体が特典航空券への換算レートよりすでに低くなっていることに留意ください。Edyサービスを提供しているのはANAではなくビットワレット(株)であり、換算レートを下げざるを得ないためです。 [1] http://www.geocities.co.jp/HeartLand/3999/rm/ [2] http://www.ana.co.jp/amc/reference/tukau/anagoriyou.html
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- Umada
- ベストアンサー率83% (1169/1405)
ポイントの交換が等価でない、すなわち交換のたびに目減りする理由としては以下が考えられます。 ポイント制度とはそもそも消費者を自社に囲い込むために存在しているものです。マイレージプログラムもその例に漏れません。消費者になるべく自社の商品やサービスを選んでもらって収益の増大を図る。これがポイント制度の本質的目的であることは申し上げるまでもないでしょう。 その際にA社のポイント制度で直接ポイントを貯めるより、B社のポイント制度でポイントを貯めてA社のポイント制度にポイントを移行したほうが有利だったらどうなるでしょう。消費者は当然、B社で商品を購入したりサービスを利用したりするようになり、A社の販売は減ってしまいます。もちろんポイントの移行に際してはB社からA社に何らかの対価が支払われますが、その対価が安ければA社は販売減を埋められません。逆に販売減を埋められるほどに対価が高いなら、B社は自社ポイントからA社ポイントへの移行レートを下げないと今度はB社に損が出ます。 いずれにしても「A社のポイントを貯めるためには、A社で商品を購入したりサービスを利用したりするのが最も有利」の設定になるのは必然です。またA社ポイントとB社ポイントが全くの等価、すなわち移行を繰り返しても目減りしないように設定しても、顧客囲い込みの効果は薄くなります。 一方で「顧客囲い込みがそれほど重要なら、他社のポイント制度とへの移行は最初から不可にすればよいのでは」という指摘もおありかと思います。囲い込みだけならその通りなのですが、会員の絶対数を増やすためにはポイントを貯める入口やポイントを使う出口を多くしておいたほうが有利なのも事実です。となると「なるべく多くのポイント制度と提携しつつ、交換レートは抑え目にする」という方針が自然と浮かび上がってきます。 もう一つ、賞品を提供するコストの観点から考察してみます。航空会社のマイレージプログラムが成功した理由の一つに賞品の提供コストの安さが挙げられます。航空会社にしてみれば余っている(あるいは余りそうな)座席を放出するだけですから、極言すれば賞品提供コストはゼロです(細かく言えば燃料消費が少し増えますが)。ところが顧客の側にしてみれば、普段なら高いお金を払って買っている航空券が無料で手に入るわけで、これは大きな魅力と映るでしょう。 ANAにとっては本来、タカシマヤポイントに交換されるよりは自社の特典航空券で消化してもらった方が有利です。もしタカシマヤポイントに交換してもらったほうがANAにとって有利ならば、1万マイル→2万ポイントとでも設定すればよいわけです。それならば逆方向のレートの1万ポイント→4千マイルにも近付きます。しかしレートは実際にはそうなっていません。ANAマイル→タカシマヤポイントの交換レートは低く(もらえるタカシマヤポイントが少なく)設定されています。 一般論として自社商品を賞品として提供する場合、他社で有償購入して提供するより安上がりという事情があります。ANA側の賞品提供コストが安いことは上で述べたとおりで、ANAの側ではマイルはなるべく特典航空券として消化してもらいたいと考えているでしょう。 また高島屋側でもタカシマヤポイントは自店での買物に充ててもらったほうが助かるでしょう。例えば高島屋では2,000ポイントで2,000円分の商品券に交換できます。顧客がそれで販売価格2,000円の品物を購入したとしても、高島屋側の負担は仕入れ値+販売コストの1,800円や1,500円といった2,000円以下の金額で済みます。これに対し2,000ポイントを2,000円分の他社ポイントに移行されると、高島屋は2,000円かそれ以上の金額を移行先に払う必要が生じます。となると自社商品券よりレートを下げざるを得ないわけで、2,000ポイントを他社に移行すると価値が1,500円分や1,000円分に目減りするのは当然の成り行きです。 このような事情からポイントやマイルはその会社で使った時に価値が最大となり、他のポイント制度に移行して使うと価値が下がると結論できます。 【まとめ】 ポイントを他のポイント制度やマイレージプログラムのマイルに移行した場合に目減りするのは、 (1)顧客囲い込みという本来の目的 (2)提供する賞品の調達コスト の2つが理由と考えられます。
お礼
こんにちは。非常に丁寧なご解説ありがとうございます。しかし、以下の点は釈然としません。もしよろしければ、再度教えていただけないでしょうか? >航空会社にしてみれば余っている(あるいは余りそうな)座席を放出するだけですから、極言すれば賞品提供コストはゼロです 確かにコストはゼロであるにしても、本来であれば購入して搭乗してもらうはずだった分を無料で放出することになるため、利益獲得機会が喪失しているのではないのでしょうか?マイルが貯まったからと言って、不要に飛行機に乗るとは考えにくいです。必要な分を無料で獲得すると思います。 >このような事情からポイントやマイルはその会社で使った時に価値が最大となり、他のポイント制度に移行して使うと価値が下がると結論できます。 この考え方をすると、高島屋ポイントからANAマイルへの移行でも、例えば高島屋ポイント10000ポイント→ANA4000マイルのように、相互の交換両方で価値が下がるような設定になるのではないでしょうか?現状、高島屋ポイントと同じANAマイル数に交換でき、それがEdyで等価の商品券になるわけですから、高島屋10000ポイントは、他社で10000円の価値を持っています。価値は下がっていません。
補足
すみません。以下のお礼文を一部訂正をします。 (誤)現状、高島屋ポイントと同じANAマイル数に交換でき、それがEdyで等価の商品券になるわけですから、高島屋10000ポイントは、他社で10000円の価値を持っています。価値は下がっていません。 (正)現状、ANAマイル数と同じ高島屋ポイントに交換でき、それが高島屋で等価の商品券になるわけですから、ANA10000マイルは、他社で10000円の価値を持っています。価値は下がっていません。
- dod1972
- ベストアンサー率43% (2842/6576)
>等価なはずなのに、何となく納得がいきません。 まず、ポイントをお金みたいに見る既成概念を捨ててください。 ・ANA側で貯めるマイレージ・・・・1万マイルを、高島屋1万ポイントに換えられても、無料航空券(約1.5円~2円/マイル相当)に換えられるより得なのです。また、Edyとかに換えても等価交換だから、その整合性を図っている。 ・高島屋側で貯めるポイント・・・基本理念は、高島屋ポイント→高島屋で使ってほしいのです。高島屋で使ってくれたら、1ポイント1円です。 これが、ANAマイレージに化けると、ANAから仕入れるマイレージの仕入れ値は、3円弱?らしいですから、この時点で、等価交換してしまうと、高島屋が損なのです。だから、10000ポイント→2/5の4000ポイントにしないと割が合わないのです。 ポイントの交換価値は、 ・発行元の企業と交換先の企業との力関係 ・ポイント、マイルの使用価値 によって、変動します。だから、このような事が起こりがちなのです。
お礼
ご回答ありがとうございました。ついつい数字のマジックにごまかされてしまい、1マイルを1円だと思い込んでいました。しかし、特典航空券やANA利用券との交換レートを考えると、違いますよね。 結局、相互交換では、どちらの方向に交換しても、損をしてしまうということになるわけですね。相互交換ができることを良いことのように宣伝していますが、現実には決して消費者のお得にはなっていないということですね。
お礼
大変丁寧なご解説ありがとうございました。とても良く理解ができました。私は二つの誤解をしていたようです。 (1)特典航空券は空席があれば必ず取れる。 (2)1マイル=1円の価値である。 (1)はUmadaさんのご解説の通り、例えば特割運賃制度などを考えると、なるほどと思います。(2)はつい数字のマジック(1=1)にごまかされてしまい、考えが至っておりませんでした。 結局のところ、相互交換をしても、どちらの方向でも損をするレートに設定されているということになるのですね。私は相互交換は利用していませんが、1万マイル貯めて1万円相当のEdyと交換して喜んでいましたが、実はあまりお得なマイルの使い方ではなかったのだと気づきました。 とても分かりやすい解説をしていただき、重ねてお礼を申し上げます。ありがとうございました。