鉄欠乏はいろいろな栄養不足障害の重なりなので、心身不調になります
低フェリチン血症・・・医学辞典には出ていない。しかし、現実には低フェリチン血症に苦しむ患者は多い。苦しむ原因は、前に記したように症状が多彩であっても、医療に認識されていないので病気とも認められなくて、的外れの対症療法しかないからです。
先日、ある講演会での医師たちのパネルディスカッションがありました。(貧血検査の項目で)『赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット、血清鉄が基準値内で、フェリチンも基準値内下限。そうした場合、低フェリチン血症の症状が出ても貧血とか潜在性鉄欠乏症とか言えなくて、それを無理やりに貧血気味と表現したわけですよ。それを聞きつけた先輩医師から貧血でもなければ、貧血気味でもない! ・・って、そう叱られました。どのように考えたら良いですか?』
と云うのが分子栄養学を学び始めた医師から、それを習熟した医師への質問でした。
質問に対して、「診断基準と云うのがあるし、そのお叱りは仕方がないのですが、その先生方のお考えが改められない限り、この病は理解できないし、治療できないのです。医学書には、ヒトは貯蔵鉄を1g(1,000mg.)持っていると記されています。フェリチンは貯蔵鉄を表していて、フェリチン 1ngは、貯蔵鉄 8mgに換算できる。したがって女性のフェリチン基準域(5.0~157.0)で、1~30程度の低フェリチン血症の方は、1gあるべき貯蔵鉄を0.8~0.24g程度しか持っていないことが理解できる。この貯蔵鉄の不足が、多彩な症状を作るわけですから、これは明らかに低フェリチン血症なのです。・・」と云うお答えでした。
鉄は、体中に酸素を運ぶヘモグロビンの材料になる。しかし、ヘム鉄(有機の鉄でポルフィリンに包まれている)と、蛋白質のグロビンの結合したものがヘモグロビンで、これが4個集まったものを赤血球膜で覆ったものが、赤血球細胞になります。酸素運搬のヘモグロビンは、鉄+蛋白質+ビタミンB群+ビタミンA 等々の充足で合成されるのです。だから、蛋白質もビタミンB群もビタミンAも足りないと、鉄欠乏性貧血になります。
貯蔵鉄は定期預金のようなもので、足りないと将来が不安になるように、貯蔵鉄不足も体の機能は混乱するのです。進行すると、血清鉄、ヘモグロビンも不足して、最後に鉄欠乏性貧血となるわけです。
多彩な症状が出る原因は、心の源である脳は神経細胞の塊のような臓器ですから、そこに糖や酸素が充分に供給されないと、神経が上手に働けなくなって、先に記した精神・神経症状や全身症状が現れても当前なのです。と言うのは、脳は体重の1/40しかなくても使われる全酸素量の1/4~1/6もの酸素を必要としているからです。僅かな酸素不足は、脳や神経の働きを狂わせるものだということをご記憶下さい。
お礼
回答遅れてすみませんでした全て読ませて頂きました。 ほんとうに詳しく説明頂き、有難うございました。 出来る事からと、レバー、プルーン、アーモンドなどを食べ 健康で過ごせるようになりました。有難うございました。