自動車のブレーキの種類は?と聞かれて「フットとサイド」「ドラムとディスク」という人がいるように、私は、わかる範囲でいろいろな装置、制御を書いてみます。
「フットとサイド」編
まず運転手の気持ちになり、
運転席の脇にある「手ブレーキ」
これは長期に車両を留め置く際に使うもので、手歯止めと同じく車輪を固定するためのものです。ドラムをガラガラ回すと、太い鎖が引かれ、シューが車輪を固定します。
なんと言っても、目の前のブレーキ弁(ブレーキ設定器)
新幹線には手ブレーキがないので、これをはらえば、ブレーキ解除です。
0系や113系など目の前の空制弁を調整するものはブレーキ弁、700系や313系など電気指令で調整するものはブレーキ設定器と呼びます。
さて、動き出し最高速に達しブレーキを掛けたいと思います。
目の前のブレーキ設定器(BV)でブレーキノッチを進段させます。
おっと、機関士、新幹線運転士(←国鉄時代の呼び方です。今はみな運転士)のあなたはブレーキは左手ですよ。
まず、電車は電気ブレーキで制動をかけます。車両が重いですから、ブレーキパットがすぐ減ってしまいますから、移動エネルギーを摩擦エネルギーではなく電気エネルギーに変えて車両を止めます。
皆さんが答えている通り、
発電ブレーキ(国鉄型EL、0、100系、115,119系など)…モーターを発電機にした際、発生した電気を抵抗器と言うもので熱エネルギーに変えて制動を得る)
回生ブレーキ(300,700系、211,313系など)…発電した電気をトロリー線に戻す。
300,700系はこの際モータで発生した(三相)交流を、直流に変換し、又(単相)交流に変換しています。
あと、渦電流ブレーキ、あと特殊なものでEF63の電磁吸着ブレーキがあります(常用ではないですが)
さて、あるていどスピードも弱まりました。そうなると、電気ブレーキの効きも悪くなりますので、空気ブレーキに切り替えます。(純電気ブレーキ方式もありますがこの際は主流の方式で…)
空気ブレーキといっても、制御の仕方で
(現在おもなもので)直通(貨車など)、電磁直通(0系、113系など)、電気指令式(300,700系,211,313系など)とありまして、直通、電磁直通は直接空気を調整して制御、電気指令式はノッチにあった電気指令でブレーキ制御装置での空気を制御する方式です。奥が深いので簡単の説明ですいません。
さて運転士は無事に車両を停止させましたが、BVには通常時使う常用ブレーキ帯以外に、非常時に使うブレーキノッチもあります。そのときも基本的に鉄道車両は空気ブレーキで止まります。(←今の主流は…ですが。)
新幹線は、常用、非常のほかに運転席のBVでは差がわかりませんが、緊急、補助、救援ブレーキというものがあります。
「ディスクとドラム」編
さて、台車の下にもぐってみると基礎ブレーキ装置があります。
ディスクブレーキにも、種類がありまして新幹線のように車輪をはさんで止める方式、113系等の付随台車のように車輪と車輪の間に専用のディスクをもつものがあります。
あと、鉄道車両独特の基礎ブレーキ装置で「踏面ブレーキ」があります。多くの機関車、客車、113系動台車などに使われています。利点としては制動力が大きい、装置が小さくなる、踏面を清掃できるが挙げられます。踏面のきれいさは、制動距離にかかわりますから、摩擦の小さい鉄輪とレールの摩擦力を保持するため重要です。
新幹線では、高速時の安定性、踏面の形状保持の必要上でしょうか?詳しく知りませんが採用されていません。代わりに踏面清掃装置がついています。
あと、車輪踏面やディスク押し付けるものを制輪子(ライニング)と言いますが、電車はレジンといって鉄粉、亜鉛、アルミなどを焼結させたものを使ってますが、機関車は負荷が大きすぎレジンではすぐ減ってしまうので、開業以来鋳鉄を使用しています。
お礼
ブレーキと一言で言ってもいろいろな種類があるのですね!こんなにたくさんあるなんて思いませんでした。なかでも、「レールブレーキ」これは聞いたことがなかったです。一度でいいから見てみたいものですが、今現在は使用されていないのですか(>-<) 「機械式」「電気式」の事について詳しく教えていただきありがとうございました。