> 年齢的なものはどうにもならないのでしょうか
残念なことですが,加齢によるものは,防ぎようがありません。
というのは,加齢していくことで,小腸の働きが衰えてしまい,栄養等の吸収が悪くなってしまいます。
そのため,その分を加味して食事量を増加していれば,まだ,なんとかなるかもしれませんが,しかし,食べたいという欲望が抑えられてしまいますし,また,これも加齢によるものだと思われますが,胃腸の消化力が低下してしまい,胃もたれを感じたり,逆流性食道炎(つまり,胸焼け)などを感じるようになるため,食欲も低下してしまいますから,これらのことが相乗的に働いてしまい,どうしても,体内に吸収されている栄養のバランスを崩しやすくなってしまいます。
もちろん,このことには個人差というものが存在しています。
しかし,それでも,いつかは誰でも望まなくても迎えなければならないことなのです。
体内に吸収されている栄養というものは,どの場所にも均等に分配されているのではなく,生命維持にとって重要な場所から順に分配していき,髪の毛や体毛などのように生命維持にはほとんど関わりがない場所には,その他の場所に分配されたあとに残っている「残りカス」のような栄養が分配されています。
そのため,体内に吸収されている栄養の総量が少なくなってしまいますと,それだけ,髪の毛を作っている毛根に栄養等が分配されにくくなってしまい,その結果として,髪の毛(と毛根)が細くなり,その分,抜けやすい髪の毛になってしまいます。
また,髪の毛は,成人を過ぎていますと,生え替わるたびに以前生えていたものよりも細くて柔らかい髪の毛が生えてくるようになると言われていますので,生え替わりが激しくなればなるほど,髪の毛が細くなりやすいと考えても良いと思います。
確かに,ここまでに書いたことは,加齢していくことで仕方がない部分があるのですが,しかし,このことを無視しても話が成り立ってしまうほどに,脱毛症を加速しているのも,残念ながら,事実のようだと観測出来てしまうのです。
一般的なことになってしまいますが,最近の日本人は,まず,農耕民族型の食事から狩猟民族型の食事に変わってきていますし,見た目は万遍なく食品(食材)の摂り方をしているようでも好きなものしか食べていませんし,食事を摂り始める時刻がその日によってバラバラですし,平均食事時間と平均咀嚼回数が10分間610回と少なすぎる咀嚼回数ですし,「1つの食材だけを食べ続け,その食材を残さず全部食べなければ次の食材を食べ始めない食べ方」を平気でしていますし,しかも,ストレスを自然に解消していてもこれを改善しようとしませんし,スポーツジムで運動しているから私はストレスは解消されていると勘違いしている人も多いようです。
しかも,栄養の話をするとすぐに栄養補助食品(サプリメントといえばわかりやすいと思います)に逃げてしまう人が多いのも嘆かわしいことのひとつです。(栄養補助食品での栄養摂取は,「1つの食材だけを食べ続け,その食材を残さず全部食べなければ次の食材を食べ始めない食べ方」の最たるものだそうです)
少し(かなり?),愚痴になってしまいましたが,これらは,すべて,体内に吸収されている栄養のバランスを崩す原因であり,体内に吸収されている栄養の総量が減少してしまう原因でもあるのです。
加齢による栄養吸収の悪化は,ゆっくりと進行していくので,大半の人は,その影響が定年退職の前後くらいになってやっとその影響が目でも確認出来る程度なのですが,愚痴みたいに書いたことが原因ですと,しかも,たいていは複数の原因が重なり合っていることがほとんどですので,人によっては,高校を卒業した頃から薄毛などに悩まなければならなくなってしまうのです。
しかし,これら若くても薄毛や脱毛症になってしまう原因については,取り除いていくことで,髪の毛が元の状態に戻すことは十分可能だと考えられ,また,それを実際に実体験している人も多くいます。
加齢による脱毛症は,元に戻すことはほとんど不可能に近いですが,その影響が出てくるようになるのは,60歳前後だと考えて良いと思います。
そして,その頃になれば,体力的に若い時のようなことは難しくなっていると思われますので,薄毛やハゲ,そして白髪は,無茶をしないようにという注意信号だと考えることも出来ると思われます。
お礼
いろいろと詳しくご説明いただきありがとうございました。 とても参考になりました。