紫外線吸収剤については、おっしゃるとおり、特にトラブルが起こらなければ問題ありません。
これらの、いわゆるケミカル系を闇雲に「肌に危険」と言う人がいますが、紫外線吸収剤の問題点は感受作用、つまりアレルギーを起こす人がいる点です。
これが実はなかなか厄介で、アレルギーを起こさない人にとっては全く何の問題もないのですが、一旦感受作用が起きてしまうと、微量でも反応するようになってしまうので、今まで大丈夫だった日焼け止めも使えなくなってしまいます。
さらに、日焼け止めが古かった場合には、紫外線吸収剤が酸化分解してできた生成物質がさらにアレルギーを起こしやすくなるのです。
一方、紫外線散乱剤、一般的には微粒子酸化チタンですが、全く安全かというと必ずしもそうでもありません。
微粒子酸化チタンは、光触媒作用があり、殺菌効果や汚れを分解したりとメリットばかりが取り上げられていますが、同じことが肌上でも起こるということです。
つまり、日焼け止めを塗ったからといって安心して直射日光を浴びていると、これが刺激になり、炎症を起こしたり、肌の老化が促進する事があるのです。
ちなみに、ファンデなどに使用されている顔料級の酸化チタンには触媒作用は、ほとんどありません。
また、微粒子酸化亜鉛については、最近多用されるようになったので、皮膚刺激については未知の部分がありますが、紫外線を防御する効果が低いので、多量に配合しないとSPF値が確保できないのが現状です。
欧米では(必ずとは言えませんが)どちらかと言えば微粒子酸化チタンを大量に配合したものは嫌われる傾向にあるようです。
日本人に比べると紫外線吸収剤に対するアレルギーを起こしにくいからかも知れません
化粧品の嗜好については、世の中色んな主張がありますが、
私が思うには、あまり極論に片寄らず、これらの成分を組み合わせて、適度なSPF(15~30程度)を確保したものが理想的だと思います。
極端にSPFの高いものに頼るよりは、屋外であれば、一定時間ごとにきちんと塗ることが大事かも知れませんね。
また、日焼け止めを塗ったからといって、直射日光にガンガンさらす事は、やはり避けたほうがいいと思います。
それから、開封してから2~3年経った日焼け止めは使用を止めたほうが良いでしょう。(未開封なら大丈夫です)
参考になったでしょうか?
お礼
とても分かりやすく詳しい回答をありがとうございました。勉強になりました。なるべく日傘等を使い日焼け止めだけに頼らないようにしたいと思います。どうしても紫外線吸収剤の方が使い心地がよく、塗りなおそうという気が起こるのですが、紫外線散乱剤はどうも気持ち悪く結局こまめに塗りなおせません。今は吸収剤がカプセルインされているものを使っていますが、特にトラブルもないのでしばらく使ってみようと思っています。 ありがとうございました。