No.3 です。他愛もないことですが、少しだけ追加で。
初心者用として10万円という価格は妥当、という結論を申し上げましたが、お子さんが将来的にもずっとクラリネットを吹き続けるということであれば、もちろん、最初から上位のモデルを選択するという方法もないわけではありません。良いトレーナー(と呼べるプロは、残念ながらそう多くはないのですが...)に付けば、下手な音大生より小中学生の方が良い音を出すこともありますから、そういう場合には高い楽器でもまったく無駄にはならないでしょう。
ただ、学校の方針として、最低限の編成が整えられるだけの備品を持っておらず、個人持ちの楽器が買えないならほかの楽器をというのは、少なからず問題があります。クラブ活動はいやしくも学校教育活動の一環なのですから、授業料とクラブ費以外に(消耗品は別にしても)負担を強いるのは、適当とは言えません。学校ごとの事情はありますが、生徒の個人負担に頼って編成を保つのが原則ではないということだけは確かです。
(まれに個人楽器を原則とするようなクラブもありますが、上記の理由から適切ではありません。また、音色の統一と称して、全員にまったく同様のマウスピースやリガチャーなどを購入するよう求める顧問もいるようですが、そもそも口の形や歯並びが一人ひとり異なるのに、形式ばかり統一しようとしていて不適切な指導といえます。しかも、そういう人が幅を利かせていたりするので、日本の吹奏楽はタチが悪いと言われるのですが...)
楽器のメーカーですが、メジャー系では3社、小規模な工房や日本ではあまり知られていないメーカーも含めると、世界的には数10社が存在します。個々の特徴があり、プレーヤーの好みによって選択すれば良いのですが、初心者の場合は音程や鳴りの均一性に重点を置く必要があります。
メジャーメーカーとしては、Buffet Crampon(ビュッフェ・クラムポン:仏)、H. Selmer(セルマー(セルメル):仏)、Yamaha(ヤマハ:日)があります。
B. Crampon はクラリネット界の雄で、明るく柔らかな音色に定評があります。ただし、音程や鳴りの均一性はあまり良くなく、プレーヤーの方でかなり修正してやる必要がありますから、初心者には(プロでも)優しいとは言えません。個人的にはこのメーカーの音が身体に染みついていますが、不満たらたらです(苦笑)。
H. Selmer も世界に名の知れた木管楽器メーカーですが、サクソフォンはともかく、近年のクラリネットの評価は残念ながら高くありません。音抜けが悪く、プレーヤーへの負担が大きいという意見が多いようです。吹きこなすだけの力量があるなら少しダークで甘い音が面白いのですが、個人的にもかなり疲れる楽器だと思います。昔の楽器は良かったのですが、ラインの変更や熟練工のリストラなどで質が落ちたというのが専らの噂です(実際、クラリネットのラインナップは縮小傾向にあります)。
Yamaha は、近年特に注目される楽器の総合メーカーで、クラリネットを含めた管楽器全般に世界的に高い評価を受けています。クラリネットも、他のメーカーでは音程が悪かったり音が抜けなかったりする音でもかなり楽に演奏することができ、初心者から一流のプロまでに対応できます。安い楽器でもそれなりに演奏でき、コストパフォーマンスは非常に高いといえます。
一昔前(当方が中高生だった時分)は「クラリネットといえばクラムポン」だったのですが、今はヤマハの方が定評があるように思います。
ちなみに、クラリネットの管体の材質ですが、極端なことを言えば、内部の管の形や穴の位置・形が一定に保てるなら、木だろうが金属だろうがプラスチックだろうがセラミックスだろうが、何でも「クラリネット」の音がします。また、プラスチック管のクラリネットというのは、マーチングや応援など野外で演奏する際に使用することが当初の目的であって、別に廉価版を作ろうとか玩具を作ろうとかいう話ではありません。
だらだらと長くなりますが、No.4 の回答者の方がお書きのとおり、楽器をレンタルで借り、借りているその楽器が欲しくなったときは、既払いの月々のレンタル料を購入費に割り当てられるようなシステムもありますから、楽器屋さんにお尋ねになるのも宜しいかと思います。
お礼
ご丁寧な回答ありがとうございます。私もまさか中学校の部活で10万もする楽器を購入しなければならないとは思いもしませんでした。 学校からはヤマハのYCL-650又は450を勧められております。で、 家族会議の結果我が家では450を購入するつもりです。それでも10万円もいるかと思うとぎりぎりの生活をしている我が家にとってはト・ホ・ホですが、子供のことを思えば仕方ないですね・・・我が子にほんの少しでも才能があると信じて・・・