この原因はいくつか考えられます。
ひとつは押し圧が不足していること。花が萎れるという現象がありますが、水分が減少することによって花びらが立体的に縮小することです。押し花にするには花びらを平面的に維持しながら、花びらのから水分を抜く必要があります。これを解決するには押し圧を効果的に掛けることです。押し花キットでウレタンマットを使用している製品がありますが、これも押し圧を花びらに掛けると言う点ではマイナスになります。平面的に掛ける圧力が弱まってしまう結果となります。ウレタンではなくもう少し力が掛かるもの(ウレタンよりはティッシュペーパーの方が良い)が必要ではないでしょうか。あまり硬いものだと逆に花びらと花の厚い中心部との間に、押し圧の掛からない隙間が出来て、うまく仕上がらないことになります。
次の原因としては、乾燥シートの吸水には限界があることです。乾燥シートで挟んだ押し花の部分は吸水して飽和状態になります。その水分が乾燥シート全体に広がれば、ある程度押し花部分の吸水性が維持できるのですが、それも限度があります。すなわち押し花素材自体が過湿のまま変色を招く結果となります。それを防ぐには乾燥シートをたびたび再生することしか有りません。たびたび乾燥シートを再生するということは、その度に押し花素材を層状に重ねたものをバラしてセットし直す作業になります。押し花素材を何回も動かすことになり、気を遣う作業になると共に押し花素材にとっても、良い結果は期待できません。ハマ○カの押し花セットで上手に作るには、押し圧と乾燥シートの能力にあった押し花素材を選ぶしかないということです。
また、タイルを使って電子レンジで押し花を作る押し花キットがあります。タイルで挟んだ押し花を電子レンジで加熱すると、押し花が乾燥するでしょうか? タイルで挟むことによって水分の逃げ道が無くなり、結果として「煮る」状態になります。野菜を煮ると茶色っぽい色になるのと同じ現象です。
それではどのように解決すれば良いのでしょうか。
1.必要な押し圧を掛けることができる(押し圧を加減できる)こと。
2.乾燥シートが吸水した水分を、層状に重ねた状態で水分を取り除くことができること。
1については機械的に押し圧が加減できる構造であること。2については、ホームページで「押し花の作り方」で検索すると、ダンボールを使っている方法がよく見られます。ダンボールは吸水性が大きく、中空構造であるため、中空部分から湿気が外に出て行くことが期待できます。
密閉した容器(又は乾燥袋)の中に、押し花素材・乾燥シート・中空紙(ダンボール)を層状に重ね、押し圧(圧が加減できるもの)を掛けたセットと乾燥剤(シリカゲル)を入れます。あとは吸湿の状態を見ながら、ときどき乾燥剤(シリカゲル)だけを電子レンジで再生します。これで「押し花素材→乾燥シート→乾燥剤(シリカゲル)→外部に放湿」という乾燥システムが維持できることになります。押し花素材を動かす必要はありません。長くなりましたが、なかなか言葉で説明しつくせないところがあります。詳しい内容は参考URLを見て理解していただければと思います。