- ベストアンサー
私を旅館につれてって
今日、再放送していた「私を旅館につれてって」の最終回を見逃してしまいました。 以前の質問等みたのですが、URLがすでに無効ので・・・ ごらんになった方、詳しい最終回内容教えてください! 宜しくお願いいたします。
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
#1の者です。で、あらすじの続きです。 神崎社長がなくした契約書はロビーのテレビの下に静電気でくっついていました。 酒井 敏也さんが飼っていた亀の吉田くんが逃げ出し、それを探している時に偶然見つけます。 で、皆で調理場の横の部屋(いつもご飯を食べる処)で「でも、よかったよな見つかって」「ほんとよ、吉田くん大手柄よね」「社長はお部屋のテーブルの上に置いた、なんて言い張ってたけど、自分がロビーでなくしたのよ、失礼しちゃうわよね~」などと云っているところを社長が廊下で立ち聞きしてしまう。 更に、金子賢くんが、この契約書と花壱の経営を、取り引きしたらどうか、と言い出す。みんなも同意し始めた時に、女将が「これは神崎さんにお返しします。なぜなら、これは神崎さんのものだから。神崎さんは神崎開発の社長さんである前に、花壱のお客さまなのよ。それに汚いことをして、花壱を継続しても、そんなのは花壱じゃない。そんな花壱なら継続する意味はない」などと云って、みんなも「そうだな、女将の言うとおりだ」と納得する。 一部始終を聞いていた社長は黙ってその場を離れて部屋に戻る。 その後、女将が部屋のほうへ契約書を持ってきて、「ほんとに見つかってよかったです。それでは、ごゆっくりおやすみください」と云って部屋を出て行く。社長は黙って女将を見送る。 翌朝、社長達が帰るのをみんなで見送っていると、社長が車に乗る前に「また、来ます」とひと言。女将が「は?」と応じると、「あらためて、ゆっくりと泊まりにきますよ。開発計画は見直すことにしました」と云って車に乗り込む。会長(お父さん)もうれしそうに、女将に「ありがとう」と言って車に乗って、帰っていく。 みんなは玄関前で「やった、やった!」と大喜び。 そして庭の桜の木がアップになって、やがて花びらが満開になった木の下に(数カ月経過している)、みんなで机を並べて、パーティーの準備が始まる。 板さんと浅野ゆう子は結婚して、娘の志保は中学三年になった、などと全員の近況に関する女将のナレーション。黒沼旅館の親子も民宿黒沼のハッピを着て参加している。スナックのママさんたちも加わって全員で「高邑さん、誕生日おめでとう」と乾杯をする。 テーブルの上には高邑(中井貴一)と女将の結婚式のツーショット写真が置かれている。(終)
その他の回答 (2)
- nin-nin9999
- ベストアンサー率68% (242/353)
朝。アパート 起きたばかりのパジャマ姿で冷蔵庫から牛乳を取り出し飲む倫子 志保が制服に着替えて学校へ行く支度をしている。 テーブルの上には、朝食の用意がしてある。 志保「おはよう」 倫子「おはよう…」 志保「もう…出したらちゃんとしまってよね」とテーブルの上に置いてあった牛乳をしまう志保 倫子「ゴメン、ゴメン」 志保「…あのさぁ…今月中に修学旅行の積み立て、持っていかなきゃならないんだけど…」 倫子「あっそうかぁ…大丈夫!ガンガン稼いでくるから!今日もね、結構割りのいい仕事が入ってるんだ。…もう、どうしてもお願いしたいって、ご指名でさ」 志保「そう、がんばってね」 倫子「うん、いってらっしゃい!」 志保「食べたらちゃんと流しに出しといてよ」玄関から黒の声が聞こえる。 倫子「は~い」 焼きたてのパンを食べる倫子 …ふと、写真立てに目をやる。花壱の玄関先でみんなで撮った写真だ。 神崎邸。 会長が朝食を食べている。その向いでは神崎が新聞を読んでいる。メイドがコーヒーを運んできた。 会長「朝飯を食わんと、一日持たないぞ」 神崎「私はもう十数年、コーヒーだけでもたせています」 会長「…で、どうなんだ?修善寺の開発は…」 神崎「順調ですよ」 会長「開発事業というものは地元の反対を押し切って進めると、あとで必ず面倒なことになる。あまり強引な事はしない方がいいぞ」 神崎「私のやっている事は、お父さんが現役時代にしてきた事と同じですよ」 会長「だから、心配なんだよ!…大切な事は大抵の場合、気が付いた時には手遅れだったりする事がある。…お前には、私と同じ過ちを繰り返して欲しくないんだ」 携帯電話の着信音が鳴る。 神崎「私だ…どうした?…弁護士はなんと言っている」 月島仲通り商店街 酒屋の前で試飲のマネキンをしている倫子。 倫子「オーストラリア産のワインです、お試しください」通りすがりの人に声を掛け、ワインを勧める倫子 倫子「あ~あ。…もうちょっと割りのいい仕事ふってくんないかなぁ。イベントコンパニオンとか、せめて通販のカタログモデルとかさぁ…」 通り向いの床屋から、会長が出てくる。店の前で待っていた車に乗り込もうとして、倫子の声に気付き、近づく会長。 倫子「どうぞ、お試しください」会長にも声を掛ける倫子 会長「こんにちは」 倫子「…!…ああ、花壱にお泊りに来たお客さんですよね」 帽子を取り、挨拶する会長。 倫子「…はっ?…お客さんが、神崎開発の会長さん?」 会長「…ええ」 川沿いのベンチに座るふたり 倫子「…それじゃあ…」 会長「…はい…私の会社が進めている事業のせいで、花壱さんが閉館する事になるとは…私は既に引退して、会社の事は全て息子に任せてあるもんでね…まったく知らなかったんですよ」 視線を落とす倫子 会長「この前、初めて泊めて頂いたときには、とても暖かい気持ちになりました。それが…まさかこんな事になるとは…」 倫子「…」 会長「あなたの亡くなった旦那さんというのは、グランドコンフォートホテルグループの高邑社長だったんですね」 倫子「…!…高邑をご存知なんですか?」 会長「はい…私がまだ現役だった頃、彼と共同で、ある開発事業を進めておりましてね、そりゃあもう成功間違い無しの大事業でね」 会長「…しかし、彼は直前になって、開発から手を引きたいと言ってきた。いやぁ、驚きましたよ。あれほどの儲け話をみすみす棒に振るなんて…私は思わず問い質した。すると高邑君は『ホテルの規模を広げたり利益を増やしたりする事に虚しさを感じている。ホテルに客を迎え入れ、快適な時間を提供するのが何よりの喜びだったはずなのに、いつの間にそれを忘れてしまったんだろう』と…そう言ってました…その言葉が私の胸の奥にずーっと引っ掛かってましてね…たぶん私も同じ問題を抱えていたからでしょう」 倫子「…花壱を買い戻したのは、高邑の理想があそこにはあったからなんですよね…それをもう一度取り戻したくて…でも…叶える前に死んでしまった…」 会長「…いやぁ、あなたは、立派に彼の遺志を継いでいたと思いますよ…」 倫子「…どうだったのかな…」 会長「ねぇ女将さん…ひとつ提案があるんですけどね…」 倫子「…?」 商店街。ワインの試飲サービスをしながら会長の言葉を思い返す倫子。 倫子「…でも…そんなこと…」 会長「花壱のためにだけ言ってるんじゃない…これは、私のためでもあるんだよ」 店長「君!何やってんの!…ぼさっとしてないで!」 倫子「ああっ、すいません…」 キャバクラ店内 なぎさ「いらっしゃいませ~!」にこやかに客を出迎えるなぎさ 客「あっ、倫子ちゃんひさしぶりぃ~」 なぎさ「ひさしぶりっておとといもいらしたじゃないですか。はい、どうぞ」お酌するなぎさ 客「倫子ちゃんに会えないと寂しくってさ」 なぎさ「やっぱりぃ、わたしもでーす」 「倫子ちゃん…あなたに会いたいって人がきてるわよ」 なぎさ「居ないって言ってください」 「借金取りじゃないわよ、お友だちだって…」 なぎさ「友だち?…」 倫子「ちょっと!勝手に私の名前使うの止めてよね」 なぎさ「だって他に思いつかなかったんだもの」 倫子「ふうっ…ねぇ、花壱の皆から連絡あった?」 なぎさ「ううん、まだないけど」 倫子「落ち着いたら電話くれるって言ってたのに…いそがしいのかなぁ」 なぎさ「あっ!…ひとりだけつきとめたよ」 倫子「…へっ?…誰れ?」 ガソリンスタンド。洗車している千葉。 倫子が現れる。 千葉「…次郎さんとなら、ついこの間しゃべってたよ」 倫子「本当?どこにいるのか教えてくれない?」 千葉「いいけど何で?」 倫子「…うん…一日だけ花壱をオープンさせようと思ってるんだ」 千葉「一日だけ?」 倫子「うん…お迎えしたいお客様がいるの」 ラブホテル。受付で仕事している次郎。 次郎「いらっしゃいませ!ご休憩・ご宿泊…!?…女将ちゃん!…相手は?」 ファミレス。女子高生のテーブルに注文をとりに行く初恵。 初恵「ご注文はお決まりでしょうか?…あの、ご注文!」喋り続けで無視される。 窓の外に手を振る倫子が見える.。 立体駐車場。機械操作が判らず手間取る殿山。 客「何時まで待たせンだよ!」 しきりに謝る殿山。歩道で倫子がお辞儀をしている。思わず駆け寄る殿山。 タクシー会社。加賀谷が亀と遊んでいる。倫子がやって来た。ペコリと頭を下げる加賀谷。 松屋。カウンターで働いているさと子。 「いらっしゃいませ!」そこに手を上げ笑顔の倫子がいた。 焼き鳥屋。篠田が忙しそうに働いている。煙の向こうに倫子の姿があった。 旅行会社。カウンターで接客している史子。 倫子の姿を見つけ、業務終了の看板を置き倫子のもとへ。 (オープニング・タイトル) 花壱。閉館を知らせる張り紙がはがれかかっている。 ロビーに全員が集まっていた。 千葉「…で、お迎えしたい客って誰なんだよ」 倫子「神崎開発の神崎英介神崎です」 初恵「誰ですか、それ」 次郎「どっかで聞いたような…」 史子「神崎開発は、この花壱を潰した会社よ」 「ええっ?!」驚く一同 次郎「まさか敵をもてなせって言うの?」 千葉「冗談じゃねェよ。そんな奴にウチの敷居またいで欲しくないね」 篠田「女将、どういう事情か説明してくれ」 倫子「…」 神崎開発。神崎が車に乗り込むと中に会長が座っている。 神崎「…!お父さん!」 会長「おうっ」 神崎「どういうことだ?」運転手を問い質す 会長「いや、私が勝手に乗り込んだんだ」 あきれたように乗り込む神崎 会長「君はいい。こいつと二人で、話があるんだ」助手席に乗ろうとした秘書に声を掛ける 会長「おい、車を出せ」 花壱。 さと子「じゃあ、神崎社長が花壱を気に入ってくれたら、また営業させてくれるかもしれないってことですか?」 倫子「さぁ、そこまで約束したわけではないけど…」 初恵「そんなにうまくいくわけないでしょ」 千葉「直訴に言ったって、会ってもくれなかった男なんだぞ」 次郎「うん、あれこれ難癖つけるに決まってるよ」 志保「でも、可能性がないわけじゃないよね」 考え込む一同 史子「やりましようよ。せっかくこうして皆集まったんだから、やって失敗しても、これ以上状況が悪くなるってことはないでしょう」 その言葉に微笑む倫子。 車中。 神崎「お父さん、私は今日、6つの会議に出席しなければならないんです。お話なら手短にお願いしますよ」 会長「そうはいかない。どう見積もっても、一晩はかかる」 神崎「お遊びもほどほどにしてください」 会長「6つの会議…そんなもの、大した損失じゃない…これから先、失っていくものに比べたら…」 花壱。 露天風呂を磨く殿山。 庭を掃く千葉。 玄関のガラス戸を拭く加賀谷。 事務所を掃除している史子、志保。 額縁を掛けなおす次郎。 廊下を拭いている倫子。なぎさが花を飾っている。 初恵、囲炉裏を掃除している。 なぎさ「初恵さん、シーツをしまったダンボールがないんですけど」 初恵「えーっ、良く見たの?ちゃんと箱にマジックで書いといたんだけどなぁ」 篠田とさと子が仕込から帰ってくる。 篠田「帰ったぞ!」 その後から、愛子と恵美がやって来た。 愛子「仕事の帰りに篠田さんを見かけましてね、大切なお客様がおみえになるのにお花がないんじゃ寂しいでしょ」 恵美「私にも手伝える事が会ったらなんでも言ってください」 嬉しい倫子。 車中。神崎が携帯で話している。 神崎「だから言っただろう弁護士を通さず、直接相手と交渉しろって…ああ、そうだ…」 会長「着いたぞ」 花壱の前で出迎える倫子たち。 車から会長が降りる。つづいて神崎が書類に眼を通しながら降りてくる。 「いらっしゃいませ!」 頷きあう会長と倫子。 会長「この旅館、知ってるか?」 神崎「いいえ、初めてですが…」 会長「今日はここに泊まるんだ…明日の朝、迎えに来てくれ」運転手に告げると、旅館へ入っていく。後に続く神崎。 「ようこそいらっしゃいました」 「お荷物お持ちします」 神崎「いや、いい」 ロビー。 テーブルに書類を広げ、携帯で話している神崎。 神崎「…それは任せるよ。明日一番で帰るから…」 宿帳に記帳を済ませた会長。着物姿の倫子に 会長「やっぱり、あなたはその姿が似合いますね」 倫子「えっ?…そうですか?」 会長「…いや、ミニスカートも捨てがたいかな」 次郎「ミニスカート?」 首をかしげるなぎさと初恵 あわてて倫子 倫子「ではお二人様、桜の間へご案内いたします」 初恵「どうぞ、お部屋のほうへご案内させていただきます」 神崎に声を掛けるが、携帯が鳴り、また話し始める。 神崎「…変更箇所?…」 テーブルの上の書類を取ろうとして数枚が落ちてしまった。 「4ページ目?」拾い集めながら話し続ける。 会長「おいっ、いくぞ…」 なかなかやめない神崎。 桜の間。 なぎさ「では、ごゆっくりおくつろぎください」 会長「ああ、ありがとう」 神崎は携帯で話し続けている。 神崎「どういうつもりなんですか、お父さん」 会長「…いい景色だ…何といっても空気がいい」 神崎「質問に答えてください」 会長「ただ、のんびり過ごしたかっただけだよ…お前と二人で…たまにはいいだろう、私のわがままを聞いてくれても…今までただの一度も無理を言ったことなど無かったはずだがな」 神崎「…明日の1時までに解放してくださいよ、大事な契約があるんですから…」再び携帯をかけだす。 会長「…わかった…その携帯の電源を切ってくれたら、約束しよう」 仕方なく携帯をオフにする神崎。 帳場。 次郎「なんかさぁ、無理矢理連れてこられたみたいだよね、あの息子」 なぎさ「あんなんで、ウチの良さ判ってくれるのかなぁ…」 史子「おもてなしは、始まったばかりよ」 初恵「でもさぁ、久しぶりにいらっしゃいませって言ったら何か…ゾクゾクってきちゃった」 次郎「いつも言ってんじゃないのファミレスで」 初恵「あんなのね、誰も聞いてくんないのよ」 なぎさ「でもこうやってると、みんながバラバラだったのが嘘みたいだねぇ」 露天風呂。会長たちがつかっている。殿山が様子を見にやって来た 殿山「湯加減、いかがですか?」 会長「ああ、最高ですよ」 神崎もまんざらではないようである。 調理場。御膳の用意をしている。 次郎「女将ちゃん、女将ちゃん!」倫子になにやら耳打ちをする 倫子「ええっ!お酒がないっ?」 次郎「…うん…いつも通りFAXで注文したんだよね…どうも来ないと思ったらお休みだったみたい…」 倫子「そんなっ!もうお料理運んじゃってんのよ」 篠田「おいっ、どうした?」料理長が声を掛ける 倫子「酒屋がお休みなんです…」 篠田「ええっ!?」 史子「これから、町に買いに行くしかないかしら?」 さと子「間に合いませんよ」 倫子「どうしよう…」 黒沼「女将っ!」 裏口から、黒沼親子がやって来た。 黒沼「…これを使ってください…どうも…ご無沙汰してます」 酒瓶を下げてやってきたのだ。 倫子「お元気でしたか?」 黒沼「おかげさまで…こいつと二人、一から出直します」 法生「こんばんは!」 黒沼「今日は、神埼開発の神崎がおみえになっているそうじゃないですか…」 頷く倫子。 法生「花壱復活を賭けた、最後のチャンスなんですよね」 黒沼「今日は、酒屋が定休日で、もしやお困りじゃないかと思いましてね…これでも自治会長をやってたもんですから、町の事は誰よりも詳しいんです。さあ、どうぞ」 嬉しい倫子。 黒沼「成功、祈ってますよ…」 黒沼の手を握り 倫子「ありがとうございます…」 法生「…あの、倫子さん…仕事が終わったら、いっしょに蛍を見に行きませんか?」 倫子「蛍…?」 法生「そう、今が最高の時期なんですよ」 倫子「へぇー…」 料理の支度が終わったようだ さと子「あがりましたっ!」 篠田「女将、時間がないぞ」 倫子「は、はいっ…今日は無理みたい、またね」 法生「…ですよね、ハハハ…」 倫子「ごめんね!」 黒沼「がんばってくださいっ!」 倫子「ありがとうございました」 引き上げて行く黒沼親子。 史子「…蛍…」なにやら考えがあるようだ 桜の間。テーブルには料理が揃っている。食べ始める神崎。 神崎「…!…うまい」 会長「そうだろう」 初恵「…失礼します」初恵が酒を運んでくる 初恵「どうぞ、お飲みになってください」酌をする 神崎「…あぁ、これもなかなかいい味だ」 初恵「この辺の地酒なんですよ」 食後、晩酌を楽しむ二人 倫子「失礼します」 倫子が部屋に入ってくる。 …部屋の灯を消す倫子 「!?」驚く二人 倫子「どうぞ、そのままで…」 窓際に進み、カーテンを開け、ガラス戸を開ける倫子。 庭には無数の蛍が舞っていた。 神崎「…蛍…」 会長「…」 倫子「今が、最高の時期だそうです。しばらく、お楽しみください」 なぎさや他の従業員たちも玄関の外に出て、蛍を見ていた。 なぎさ「すごいっ…!」 次郎「今年は、何かすごいなぁ…」 史子「想像以上だわ…」 さと子「はじめてみました…」 川辺では町の人々が蛍を見に集まっていた。その中に黒沼と愛子が一緒にいた。 愛子「倫子さんたち、うまくいくといいですね…」 黒沼「…そうですね…」 恵美「また、ふられちゃったんでしょう?」 法生「…うん」 恵美「ま、あたしが付き合ってあげるよ…」 法生「…えっ?!」 恵美「…いつでも…」 桜の間。 神崎「本物ははじめて見ましたよ…」 会長「…私もだ」 神崎「いい旅館ですね…特別華やかでもないし、何の変哲のないところだけど…ぬくもりと、安らぎを感じます…子供の頃遊びに行った、おばあちゃんのうちみたいだ…はじめてきたのに、なんだかとても懐かしい…」 会長「…そうか、お前にも判るか…」 神崎「また、こうしてわがままに付き合ってもいいですよ…ただし、前もってちゃんと言ってください…今度は母さんを連れてきましょうよ」 会長「そうしたいが…あいにくここには、もう来られないんだ…」 神崎「…?…」 会長「…ここには、ゴルフ場が出来る」 神崎「…!…」 会長「…そう、お前が作ろうとしている、ゴルフ場だ」 傍らに座っている倫この顔を見つめ、気付く 神崎「…そういう魂胆だったんですか…」 席を立ち、部屋の灯りをつける神崎。 神崎「ずいぶん手の込んだ事をしてくれるんですね…閉館したはずの旅館に連れてくるとは…」 慌てる倫子。 神崎「…女将さん…」 倫子「はい…」 神崎「私は、花壱を気に入りました…とても。しかし、だからといって、今更計画は変えられません…父があなたに何を言ったか知らないが、ビジネスはビジネスだ」 軽くため息をつく倫子。さっぱりとしたように 倫子「わかりました…この度、神崎さんをお迎えする為に、バラバラになった従業員たちに声を掛けて回りました…みんなそれぞれ、新しい仕事に就いていたし、正直言って半分も集まったらいいほうだと思っていました…でも…彼らは全員揃ってくれた。わたしは、それを誇りにしていきます…あとは、神崎さんが一晩くつろいで帰っていただけたら、それだけで充分です…お忙しいところ、花壱に足を運んでいただきありがとうございました」 深々と頭を下げる倫子。 調理場。皆で食事をしている。 なぎさ「神崎さん、お食事残さず食べてましたね」 初恵「地酒も味がいいって誉めてたわよ」 史子「蛍の事といい、黒沼さん親子に感謝しないとねぇ」 篠田「あの蛍、綺麗だったね」仲のいい二人。 千葉「この分だと、案外まんざらでもねえかもしれねえなぁ」 さと子「少なくとも、来た時よりは大分いい感じになってきてますよ」 次郎「ひょっとすると、ひょっとするかぁ」 和やかな雰囲気に、言い出しづらい倫子。 神崎「誰か!…誰かいないか!」 帳場の方から声が聞こえる。 倫子「どうかなさいましたか?」 倫子他従業員が出てくる。 神崎「ないんだよ…持ってきたはずの契約書がないんだ」 倫子「契約書?」 神崎「明日の1時に調印しなければならないんだ!あれがないと、取り返しのつかないことになる!誰か知らないか?」 首を横に振る従業員一同。 桜の間。 会長「本当に持ってきたのか?」 神崎「確かに、このテーブルの上に置いたんだ!」 なぎさ「お布団敷いた時に、飛んでっちゃったのかなぁ」 部屋の中を探す、倫子、初恵、なぎさ。 倫子「その契約書がないとお困りになるんですよね」 神崎「困るなんてもんじゃないよ!あの契約がダメになったら、うちの会社は莫大な損害をこうむる事になるんだ!いいか、この旅館10件売って、やっと弁償できる額だぞ!」 初恵「10件!…」 神崎「」お前らのせいだ!お前らが妙な企みをするからだ!」携帯で電話をかけ始める。 神崎「私だ!専務をつかまえてくれ!…大至急!」 旅館銃で契約書の捜索が始まる。 千葉「くっそーっこれじゃ印象最悪じゃねえかよ!」 次郎「花壱復活どころじゃないねぇ」 倫子「そっちには入ってないでしょう」帳場を探している初恵に声をかける 初恵「念のために…」 なぎさ「あーーん、お願いだから見つかって…」 外では史子や篠田たちが探していた。 調理場。 さんざん探したが見つからず、みな集まっている。 倫子「どこにもないかぁ…」 なぎさ「他に可能性のあるところは…」 次郎「ないね」 千葉「本当に持ってきたのかよ」 なぎさ「見落としてるだけかもしれないじゃん、もう一回探してみようよ」 次郎「ないって!」 初恵「こんだけ探しても出てこないんだからさ、ないよ…」 頭を抱える倫子。 手洗いから出てきた加賀谷が探しつくした後の椅子を片付けだした。 亀の吉田くんの水槽がひっくり返っている。あわてる加賀谷。 加賀谷「…吉田くん…吉田くん!」探し始める加賀谷。 床をはいつくばり探していると、テレビの下に亀を見つける。 加賀谷「吉田くん!…ん!?」 テレビの下に何かを見つけた。 手を伸ばし、それを取る加賀谷。契約書である。見つめる加賀谷、動けない。 廊下を歩いてくる神崎。携帯で話している。 神崎「…わかった、またこちらから連絡する!」電話を切る 調理場の前を通りかかると従業員の声が聞こえる。思わず聞き耳を立てる神崎。 次郎「まさか、テレビの下にくっついていたとはなぁ」 殿山「静電気で張り付いてたんですねぇ」 さと子「吉田くんね大手柄ですねぇ」 なぎさ「でも、ロビーにあったんでしょう、神崎さんはお部屋のテーブルの上に置いたって言い張ってましたよ」 初恵「あの人、来た時からさぁ、ほら、広げてたじゃない」 さと子「自分で落としたんですよ」 初恵「そうよ、きっと」 思い返している神崎。旅館に就いた時ロビーのテーブルで書類を落としたのを思い出した。 倫子「とにかく、本当に見つかって良かったじゃない、あたし神崎さんに届けてきます」 「いやぁ、くたびれた、やれやれだなぁ」くたくたの一同。 千葉「ちょっと待った!…この契約書がなかったら、神埼開発は莫大な損害をこうむるんだったな」 なぎさ「うん、花壱10件分の金額って言ってたよ」 千葉「なら、この紙切れに比べたら、花壱一軒くらい痛くも痒くもねえってことだよな」 史子「何言ってんの」 千葉「あのおっさんにさぁ、もう一回経営を続けさせてもらえるよう頼んでみたら」 次郎「そっか、それでダメって言ったら、これ燃やしちゃえばいいんだ」 さと子「ええっ、脅すってことですか?」 千葉「脅しじゃねぇよ、取引だよ」 次郎「アッチだってさ、汚い事やってんだもん。これ、正当防衛だよ」 初恵「そうね、いいアイデアかも」 なぎさ「さすが倫子ちゃん、困った時は神様がひょいっと助けてくれちゃうんだよねぇ」 千葉「よし、そうしよう」 千葉から契約書を取り上げる倫子。 倫子「これは、神崎さんにお返しします」 初恵「どうしてですか?」 倫子「神崎さんのものだからです」 なぎさ「でも…」 倫子「…そして、神崎さんは神崎開発の神崎さんである前に、花壱のお客様だからです」 じっと聞いている神崎。 倫子「みんなの気持ちはありがたいと思う…けど、強引な取引で他人をねじ伏せて自分たちの身を守るなんて…それじゃあ神崎開発と変わらないじゃない…私たちが続けていきたいのは、そんな旅館?…花壱はそんな旅館じゃないわ!」 黙り込む一同。 篠田「…女将の言うとおりだ」 微笑みながら頷く史子。 千葉「悪りぃ…」 次郎「…ちょっと、調子に乗りすぎたかな…」 そっと、その場を離れる神埼。 桜の間。 テーブルの上に契約書を置く倫子。手に取る神崎。 倫子「見つかって、本当によかったです」 何も云えない神崎。 倫子「…それでは、ごゆっくりお休みください」 部屋を出て行く倫子。 じっと考えている神崎。その様子を見つめる会長。 朝。 出発の身支度を終えた神崎が椅子に腰掛け、外を眺めている。 朝食の用意がしてあるテーブルの前で会長が新聞を読んでいた。 会長「また食べないのか」 神崎「…いえ、いただきます」 椅子から立ち上がり、会長の前に座り、朝食を食べ始める。 玄関。 車が迎えに来ている。 会長「どうも、お世話になりました」 倫子「お気をつけて」従業員全員が見送りに出ている。 靴を履き終えた神崎が出てくる。 車のドアの前まで来た神崎の動きが止まった。 倫子「…?」 神崎「…また、来ます…」振り向かず、つぶやく神崎。 倫子「…?…はっ?」 倫子の方に向き直り、言葉を続ける。 神崎「花壱は素晴らしい旅館です…また改めてゆっくりと泊まらせてもらいますよ」 呆けている倫子達。 神崎「開発計画は見直すことにしました。これからも営業を続けてください」 ポカンと口が開いている倫子。 倫子「あ、あのぅ、それって…」 神崎「あなた方が見つけてくださった契約書が生む利益は10億円にのぼります。落とし物を拾っていただいた時の謝礼は1割と決まってますから…」 車に乗り込む神崎。 倫子の前に進む会長。 倫子「あ、あのぅ、…どうも…」 会長「いや、…ありがとう」帽子を取り、感謝を込めて言う。 会長も車に乗り込んだ。 倫子「またのお越しをお待ちしております」 深々と頭を下げる一同。 神崎達の車が遠くに見える。 殿山「…だから言ったでしょう…花壱は潰れないって…」 なぎさ「やったーーーっ!」 大喜びの皆。抱き合って喜ぶ、史子と篠田。万歳の声が上がる。 じっと桜の木を見つめる倫子。 再び桜の花が咲く時期がやって来た。 宴会の準備をする倫子達。 倫子モノローグ「高邑さん、花壱にまた桜の季節がやってきました。私たちは相変わらずばたばたとした毎日を送っています。まだまだ大繁盛とはいかないけれど、お客さんもずいぶんと来てくれるようになりました。 そうそう、そういえば去年の暮れに篠田さんと史子さんが結婚しました。千葉くんとなぎさも近い将来、二人の後を追いかけることになるかもしれません。さと子ちゃんはメキメキと腕を上げ、正式に調理師の免許を取る決意を固めたようです。殿山さんはギックリ腰対策のために近所のプールに通い始め、加賀谷さんは先月のお給料で吉田くんのお嫁さんを買いました。初恵さんは、組合の布団敷き大会で見事三位に入賞、次郎さんは、ギャンブルをやめると宣言し、本当にやめられるかどうかで皆と賭けをしています。 志保は中学三年生。恐怖の受験シーズン到来です。 ちなみに、黒沼さんと法生くんは再スタートをきり、小さな民宿の営業を始めたとか…。とにかく、皆元気にやっています」 黒沼親子と愛子、恵美たちもやって来た。 史子「それじゃあ、始めましょうか」 倫子「高邑さん、お誕生日おめでとう!」 おめでとうの掛け声とともに宴会が始まった。 加賀谷がビデオカメラで撮影している。 倫子モノローグ「…私はといえば、あえてここで報告するようなことは何もないけど、…ただ、高邑さんが求めていた理想の場所というのが、少しだけ判ってきたような気がしています。…考えてみると、私はあなたに自分の気持ちをきちんと伝えた事がありませんでした。…だから、今日という特別な日に、改めて伝えておこうと思います。私も、あなたを心から愛しています…」 誰もいない旅館。静かに時を刻む柱時計。額縁に貼ってあるモノクロ写真。倫子たち花壱の従業員である。 いってみたいところがある…それは、ぬくもりと安らぎ…そして、夢のある場所… (エンディング・スタッフロール) 誤字脱字はご容赦ください。 なかなかDVD化されませんねぇ。旅行雑誌記者の第5話がお気に入りでした。ひさびさに録画したものを見返して楽しかったです。
- yomyom2001
- ベストアンサー率46% (763/1638)
http://www.fujitv.co.jp/index.html このサイトの左上のメニューから「ドラマ」を選択。 表示されたページで右下の「過去に放送されたドラマ」のプルダウン・メニューの「わ行」から「私を旅館に・・・」を選択。 すると、公式サイトに行けますから、下の方に1回から12回までのあらすじがあります。 ただし、それは途中までのあらすじですので、その続きは、思い出しながらあらためて回答します。