プリンタの修理屋です。
L判というのは、写真の世界の規格で、事務器の規格ではありません。ハガキサイズも微妙ですが厳密には事務器の規格ではありません。
たいていの機種では郵便はがきは使用可能なサイズですが、L判は使用できないようです。
ハガキに関しては(キヤノンの場合)メーカーで用意しているのは4面ハガキだけです。
1枚づつ印刷するときは官製はがきとなるわけですが、別の機種用にハガキ用紙が売られていますので、それを使うことは可能です。
ただし、コーティングの無いものに限ります。
L判が存在しない理由がもう一つ。
L判であれば当然写真印刷となります。
インクジェットの場合、インクは用紙の中にしみこんで行き発色、用紙表面のツヤはそのまま生きるわけです。
レーザープリンタの場合、用紙の表面にトナーが乗り熱で溶かして定着させますが、中にしみこんでいくことはありません。
したがって、写真としての光沢はトナーに頼ることになります。
熱をかけてプレスした程度では写真光沢は出ませんし、現在のトナーは基本的に光沢が出ないように工夫されています。
昔はトナーがプレスするローラー側に残り、それが紙に転写することを防ぐため、ローラーにオイルを塗っていました。そのため仕上がりもつやつやしていたのですが、その書類に鉛筆でメモを取ろうとしても、滑ってしまいかけませんでした。
そのため、オイルの配合を工夫して滑らない(=ツヤなし)ようにしました。
それよりも大きな理由は画質でしょう。
トナーの粒子はインクに比べればはるかに大きいこと。
インクの場合、一つのノズルで4段階程度にインクの量をコントロールできるものもありますが、トナーの場合は2段階のみ。
さらに、インクジェットは画素単位でインクのコントロールができますが、レーザーの場合は静電気で引き寄せられるに任せていますので、トナーの粒度のバラツキがあればアウトです。
もしどうしてもそのサイズでの出力が必要なら、ユーザー定義のサイズ指定をし、用紙は自分でカットしてください。
間違えても市販のL判用紙を使ってはいけません。故障の原因となります。