#2の方も「河原乞食」と書いているように、もともと「芸」や「芸人」というのは、社会の枠の中で生活する能力を持たない人が、食べるためにした仕事が始まりで、現代でもちょっと前までは「芸人になる」ということは「社会不適応者」と世間で思われてもしかたのないことでした。
俳優も芸人のひとつのジャンルです。昔に比べれば地位は向上しているかもしれませんが、まともな職業といわれるものとは根本的に違いがあります。
その説明の前に、まともな職業とはどのようなものかというと、自分の能力(勉強)を高めて、社会の役に立ち、社会の秩序と公正に役立つものです。
最近は戦前などと違い、社会秩序が整い、法整備が行き届いていますので、このような考え方が「まともな職業」というのはちょっと違うような気がしますが、どのような動乱の時代でも、そこに存在する職業が「まともな職業」だと思ってください。
そこから見ると、俳優は「まともな職業」として必要なものではありません。戦乱期や中世社会のような締め付けの厳しい時代になれば、芸人は駆逐されますし、経済が不況になれば、みんなが嗜好に使うお金が少なくなりますので、俳優の仕事は激減します。
また俳優は、演技力などの自分の能力は必要ですが、体ひとつ、キャラクターがあれば存在できる仕事でもあります。
そのようなキャラクターは自分の能力とは関係ない、プライバシーを売ることによって成り立っています。自分の生い立ちや素の自分をさらけ出すことによって、お金を稼いでいるのです。
ここが「俳優は恥ずかしい仕事だ!」と世間でいわれる所以です。