日本人の習性が変化していく中での一通過点だろうと苦々しく見ております。
日本人が明治開国以来、いくらかの取捨選択をおこないつつも西洋の習慣を取り入れ、当初は猿真似と笑われながらも洋服、洋食を我が物としてきました。戦後は主としてアメリカ文化を取り込み、年代によって様々な生活スタイルや考え方が定着し、現在では恋人同士が人前で手を繋ぎ、抱擁したとしても80歳のお爺さん、おばあさんでも驚かないほどになっています。輸入文化というのは、本国における歴史や世代や社会の階層差を無視して取り入れられます。特に日本のように均一化の進んだ階層差のない(あくまで比較の問題)社会では外国のある層の習慣、風俗が盲目的に取り入れ(真似)られます。特に実社会を知らない学生、若者に頻繁に見られる傾向だと思います。
外国でも日本でも電車の中や公衆の面前で化粧をする人はいます。しかし、それは水商売的な人や粗野で教養のない人々です。日本では若者がそれを真似、やがて大人が真似るという独特の発展をしているような気がします。電車やレストランなどで大声で話す若者や大人たち、電車の中やホームで床に座る若者達、国民上げて乗り物の中で居眠りする習慣等と共に、化粧するという新しいウイルスがどこまで繁殖するのかクールに見ているところです。女性の特権として、日本文化と言えるほど発展はしないだろうと願いながら。