ザクI・スナイパータイプのバルカン砲
ジオン軍の旧型モビルスーツ「MS-05 ザクI」をベースとして長距離狙撃用に改修した「MS-05L ザクI・スナイパータイプ」の頭部には、ベース機には無かったバルカン砲が搭載されているそうですが、何故そんなものが搭載されているのでしょうか?
「近接戦闘に至った際に生還率を高めるため」などという未確認情報もあるようですが、長距離狙撃機とは敵が存在していない場所から攻撃を行い、もし敵機が近づいて来る様な事があればすぐさま攻撃を中止して退避するという使用方法が基本であり、近接戦闘に至るという事自体がまず考え難い事です。
もし、その様なあまり遭遇しない様な状況に対応するための装備まで備える必要があると考えるのであれば、あれもこれも必要という事になり、兵器を際限なく肥大させねばならなくなりますから、その様な考え方は現実的ではなく、万が一、想定し難い状況に陥った場合には諦めるより仕方がないものとして、必要性の低い装備は行わないのが普通です。
大体、バルカン砲で対抗可能なものは装甲の薄いものか無いものに限られ、そのような装甲の薄いものと言えば、航空機のような航空戦力に、地上であれば歩兵や兵員輸送車、野砲・自走砲くらいのものであり、航空機はそもそも近接戦闘は行いませんから狙撃用のビームライフルが有効ですし、歩兵や兵員輸送車はそもそもモビルスーツの端くれである「MS-05L ザクI・スナイパータイプ」にとっての脅威にはなりませんし、野砲・自走砲の類は「MS-05L ザクI・スナイパータイプ」以上に接近戦を苦手としていますから、それらと近接戦闘に至る恐れは皆無です。
一方、「MS-05L ザクI・スナイパータイプ」にとって脅威となり得る敵の戦車やモビルスーツなどは重装甲ですので、バルカン砲程度で対抗する事はほぼ出来ません。
つまり、「MS-05L ザクI・スナイパータイプ」の用途から考えて、近接戦闘を行う事は考慮する必要がなく、万が一にも近接戦闘に至った場合でも、バルカン砲が通用する相手であればバルカン砲なしでも脅威とはならず、一方、バルカン砲が通用しない相手であればそもそもバルカン砲を装備していても無駄という事になりますから、例えバルカン砲を装備したところで生還率を高める役には立たないと思われます。
生存率を高めるためであれば、クラッカーでも装備させておき、脅威となり得る様な相手に接敵された際にはそれを投擲して一時的にでも敵の動きを止め、その隙に狙撃用のビームライフルを近距離で使用するなり、とっとと逃走するなりした方が余程効果的な様な気がしますし、それとて態々装備する必要がある程敵と近接する恐れが高いとも思えません。
それにもかかわらず、バルカン砲の様な殆ど役に立たないとしか思えないものを装備しているのは何故なのでしょうか?
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