ガス冷蔵庫の原理ですね、ここでは代表的な物として、水とアンモニアを利用した物に付いて説明します。図を使用できないのが残念ですが、構成部品から説明します。
1)発生器 アンモニア水を加熱する容器で、分離器につながります。
2)分離機 発生器で加熱された水蒸気とアンモニアガスの混合気を水とアンモニアガスに分離します。ここで分離された水は受液器に戻されます。
3)凝縮器 分離機で分離されたアンモニアガスを大気で冷却し液化します。
4)冷却器 液化したアンモニアを気化し、潜熱によって冷却します。ここでアンモニアは再び気化し受液器から導かれた水蒸気に溶け込みます。
5)受液器 ふたたび水溶液に戻ったアンモニア水を受け止め発生器に送ります。
ガスの炎を利用してアンモニアと水に分離(アンモニアと水では沸点が異なるので、少しだけ冷やせば水だけが液体に戻ります。後は重さの違いで分離できます)し、その後アンモニアを凝縮器に導き、大気に熱を逃がすことにより液化します。液化したアンモニアを少量の水蒸気が入った冷却器に送り込むと、アンモニアは水に非常に良く溶ける性質を持つため、水に溶け込もうとして圧力が下がり、急激に蒸発し、このとき熱を奪います。再びアンモニア水蒸気に戻った液体は、受液器に戻り発生器に流れます。この繰り返しで冷却するわけです。
この手の冷蔵庫では電気とガスの両用機器などもありますが、電気を使用するときはガスの代わりに、電気ヒーターで発生器を過熱します。
最近はエネルギーの有効利用の観点から、発電所(タービンを回した後の蒸気でもかなりの高温でこの種の利用には十分)や産業施設の廃熱の利用(コジェネレーション)や、太陽熱での冷房など見直されています。また、オゾン破壊で問題になっているフロンを使用しない点も見直されている理由でしょう。ただし、アンモニアを使用するものではアンモニア自体が人体に対して有害なので大規模なものでは管理の難しさもあります。