- ベストアンサー
映像詩作品
タルコフスキーの「ノスタルジア」、邦画「tokyo.sora」のような、映像詩的作品で、お勧めを教えて頂けないでしょうか。 雨とか、夕景、朝の雰囲気とか、四季のはっきりした感じが凄く好きなんですが・・・。
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
タルコフスキーの『ノスタルジア』を映像詩と呼ぶことに抵抗はありますし、そもそも映 像詩とは何ぞやという疑問はありますが、映画的な構図(カット、フレーミング)の美しさ に満ち溢れた作品と解釈して、何点かお薦めします。 ●『エレニの旅』『ユリシーズの瞳』『こうのとり、たちづさんで』テオ・アンゲロプロス 『ノスタルジア』が好みと言うことならアンゲロプロスの作品もすんなりと楽しむことが できると思います。現在公開中の最新作『エレニの旅』はアンゲロプロス入門と言っても よいほどアンゲロプロス的な要素が満載の比較的観やすい作品です。ただし、個人的には 国境と移民にまつわる悲劇を題材とした『ユリシーズの瞳』か『こうのとり、たちづさん で』の方をお薦めします。 ●『ダウン・バイ・ロー』『ストレンジャー・ザン・パラダイス』ジム・ジャームッシュ 都会的なおしゃれな作品と評価されることが多いジャームッシュですが、実は圧倒的と言 ってよいほど優れた造形的才能を持った作家です。一見何気ないように見えますが、じっ くり画面を見詰めているとそのとぎすまされた構図美に震撼を覚えるほどです。個人的に はこのような作品こそ映像詩と呼ぶにふさわしいと感じています。 ●『ミレニアム・マンボ』ホウ・シャオシェン ホウ・シャオシェンの作品はどれも映像詩と呼んでも差し支えないほど美しいものだと思 いますが、『ミレニアム・マンボ』は日本が一部で舞台になっていたり一年を通じての物 語のため様々な季節を感じる点が質問者さんには合うのではないかと思います。 ●『メフィストの誘い』マノエル・デ・オリヴェイラ 一作ごとに作風を大きく変える現役最年長(現在97歳)にして最大の作家オリヴェイラの作 品の中でも、『メフィストの誘い』は詩的な感性に充ち満ちたものです。映像だけでなく、 林光や黛敏郎などの現代音楽のBGMや繊細極まりない効果音の用い方などこれこそが詩的 と賞賛すべきものだと思います。 ●『捜索者』ジョン・フォード 西部劇の、活劇の作家としてあまりにも有名なジョン・フォードですが、実はその造形的 な感性は詩的なものに彩られています。それが一番よく、そして最も顕著に現れているの が『捜索者』と言えるでしょう。フォード自身この作品をことのほか愛していたようで、 この作品のジョン・ウェインが演じた主役の名前イーサンをご子息の名前にしているほどです。 今すぐに思いつく作品を幾つか上げてみました。
その他の回答 (2)
- bluebetty
- ベストアンサー率36% (116/320)
●『エレファント』 コロンバイン高校で、生徒2人が銃を乱射した実話を元につくられた作品。 視点を変えて何度も繰り返される場面、そして澄み切った青空が随所に挿入されます。 そこにかぶさってくる、叩きつけるように奏でられるベートーベン。 わたしは詩的なものを感じました。 ●『心の中』 邦画です。夏の海辺で同性愛の少年たちが戯れる、台詞らしい台詞を排した、映像詩的な作品。 幾重にもかさなる映像が美しい。 ●『サラ・ムーンのミシシッピー・ワン』 少女を誘拐した男。二人の逃避行を不思議な形で描いた映像詩。 回転木馬がいつのまにか本物の馬になっていたり、セピア調の夢のような映像がせつなくて美しくて良いです。
お礼
こんばんは! ご回答、どうもありがとうございます。 記載しませんでしたが、青空も凄く好きなのです。 「エレファント」は、陰惨な事件と青空の対比が、何だかくるものがありそうですね。 「心の中」は全く不明でしたが、 自分の好きな「ピクニック・at・ハンギングロック」の、男の子版という感じで、とても気になります。 もう一つ、「ミシシッピー・ワン」は、10年くらい前にテレビでワンシーンを見て以来、ずっと鑑賞したいと思っていました! セピアの光景が、夢のような印象として残っています。 なかなかビデオが見つからなかったのですが、 もしかして、DVDが出ているのかもしれませんね!? ぜひ、機会を作って、鑑賞したいと思います。
- athanasius
- ベストアンサー率37% (361/964)
「マジックタイム」のみで撮影したことで有名な 「天国の日々」 テレンス・マリック監督 はどうでしょうか? 全編、夕暮れ時だけの撮影ですから。 文句なく、一見の価値はあります。
お礼
こんばんは! ご回答頂き、ありがとうございました。 名前を聞いたことはあったのですが、今だ未見でした。 しかし、そんなに夕暮れのシーンがあるのでは、 ぜひ鑑賞の機会を作らねば・・・。 大変、参考になりました! しかし、「マジックタイム」という言葉は、初耳です。 うう、不勉強だなあ。 今度、調べてみます。 (ひょっとして、夕暮れ時のことを、いうのでしょうか?)
お礼
こんにちは! ご回答頂き、ありがとうございました。 確かに、映像詩という言葉を、突き詰めず使っていた部分があります。 そもそも、言葉で綴る詩と、映像は別物じゃないか。 無責任ですが、自身ちょっと思っていたこと。 ただ、「ノスタルジア」の夢幻的な描写に打たれ、これが映像詩というものかなあと印象付けられたのですよね。 言葉を極力排し、ゆったりと現実離れした映像で進行する・・・。 でも、セリフが溢れ、何気ない町並みでも、詩心は感じられるわけで。 映像は、奥が深いですね・・・。 アンゲロプロス、ジャームッシュ、フォード。 いずれも映画史に名を残す巨匠、名監督ですが、これまでその作品に接してきませんでした。 ここですすめられたのを機に、ぜひ鑑賞したいと思います。 (「メフィストの誘い」は、監督の名と共に不明でしたが、 興味深そうです。そういえば、黒澤さんといい、大監督は、キャリアを積み重ねると幻想的な作風にひかれるのでしょうか。) そして、ホウ・シャオシェン! 「非情城市」を見て、とても感銘を受けたことがあります。何というのか、舞台の設定、光、空気の映じ方に、 とても日本人的で魅力的な美意識を感じました。 この作品は、自分の中で、「これが映画だ」という、一つの お手本であり、理想なんですよね。 その他の作品は、何となく見てこなかったのですが・・・。(こればっかりですね) 四季の美しさを推していただいた「ミレニアム・マンボ」は、ぜひ鑑賞の機を設けたいと思います。 たくさんのおすすめに、感謝。