ジーコがやっていなくて、短期間で代表を今よりもましにする程度のことはかなりあります。コーチの勉強を一時期していましたので、サッカーチームを強くするノウハウは一般の人間よりあると思います。
日本代表のシステムはプレスのかかりにくい3-4--1-2または4-4-2ボックス(4-2-2-2システムともいいます)しか使っていません。3-4-1-2はトルシエ時代にフラット3という全体の共通理解が必要な戦術のもとに使われていましたが、最後はその戦術についての理解が足りず、マンツーマンゾーンという安易なシステムになりました。プレスがかかりにくいのは両アウトサイドに1枚しか選手を配置していないために彼らの負担が大きすぎるということがあります。リスクチャレンジをすることで全体のバランスが崩れると3バックのサイドにスペースが大きくあるために守備ががたがたになる欠点があります。4-4-2ボックスは攻撃的MFの中田、中村がふたりとも重なって中央でプレイするために、サイドに大きくスペースができ、両サイドバックに大きな負担がかかりやはりプレスがかかりづらいものになります。4-4-2ボックスはフランスW杯アジア最終予選で加茂監督がゾーンプレスと併用して使い、攻撃的MFだった前園、藤田が限界まで走らなければならなくなり、破綻しました。まずはシステムの変更ですね。日本は3バックのシステムに慣れていますから、3-4-3でFWの両サイドがウイング的役割をする選手を入れるといいでしょう。このシステムを使うと中盤の底ができる中田は代表に残れますが、中村の使いどころはなくなります。まあ、中村の評価はパス&ゴーができない選手ですのでいなくてもかまわないですが。どうしても使うというなら、3-4-3のFWの三枚を1トップ2シャドーというゼーマンシステムにしてもかまわないでしょう。ただし、守備になったときはサイドに大きく開いてプレスをかける運動量が必要になりますが。これも中村は苦手ですから、使わなくてもいいですね。左のウイングに柳沢、右のウイングに石川(FC東京)、1トップには高松(大分)でしょうか。鈴木も高原もポストプレイに不安が残りますし、シュートも下手ですから、ばっさり切りましょう。玉田は後半15分を過ぎてのスーパーサブとして相手DFの疲れをつくようにスピードで勝負してもらうと相手が嫌がるでしょうね。
戦術はボールをもったらまずサイドに振る。サイドアタックを中心にします。FWのウイングと中盤のアウトサイドで2枚の攻撃、守備ができますから、それぞれの負担は減りますね。サイドからの攻撃はこの2枚で攻撃を遅らせ、必要ならリスクチャレンジでボールをとりにいくようにします。両アウトサイドはバーレーン戦アレックスがかなり聞いていましたが、相馬(東京V)のほうが上でしょう。右サイドは駒野(広島)が適任かと思います。加地は技術がありませんから、守備要員として明神(柏)も入れておきましょう。今の日本代表は中盤に選手を集めすぎで両アウトサイドの選手の代わりがいません。バックアップを入れておくのは当然でしょう。
システムと基本戦術が整ったら、チームのリスクマネージメントを決めます。危険なエリアではセーフティファースト、ドリブルで持ち上がることはよほどのフリーじゃなければやらない。余裕がないときはバックパスではなくタッチに逃げる。ボールをとるときに当たる人間を決めておく。ゲーム前に対面する選手がいますから、その選手に当たるようにして、パスコースをできるだけ限定する。前線の3人、中盤の4人が相手ボールホルダーに常にチェックをかけ、DFは最終的にボールのこぼれ、人のこぼれをカバーする。守備のリスクマネージメントではピッチのどの高さでボール奪取にいくかあらかじめ決めておくのも重要なことです。また、2人の選手に同時に行くときはふたりのカバーを誰かがやる約束事を作っておくこと。今の日本代表は中盤の底でスイーパーができる選手がいませんから、今野(FC東京)などの守備に強い選手はかならず入れておくこと。
守備の目的はボール奪取、攻撃の目標はシュートを撃つということをはっきりさせる。
攻撃のときのフリーランニングを徹底させる。足元にもらっていてはスペースは作れませんから、ボールが来ても来なくてもスペースに走りこむ癖をつける。スペースに走れば、パサーは何人もいますから、チャンスは大きくなってくるでしょう。
最後に90分走るだけの持久力をつける。千葉のオシム監督が理想とするランニングサッカーを実践するために選手全員に走ることを課していますが、チーム全員に90分走ってプレスをかけられる持久力をつけさせましょう。
以上のことをやって、ほんの少しましになる程度でしょうか。少なくとも今までよりは機能するはずです。もちろん、ジーコが監督ではこんなことはできるわけがありませんから、監督は代える必要があるでしょう。日本をよく知っている人ということで千葉のオシム監督、浦和のエンゲルスコーチを推薦します。ブッフバルトを評価している方もいらっしゃるようですが、彼が優秀なら選手時代の栄光から考えてドイツに呼ばれるはずです。某出版社が取材にいったときに、ブッフバルト氏とリトバルスキー氏は金のことしか話さなかったそうですから、金銭問題が発生する可能性が高いと思われるので、浦和の指揮に専念してもらいましょう。日本人監督ならシステムは違いますが、新潟の反町監督、大宮の三浦監督を推薦しておきます。
補足
ありがとうございます。具体的な内容で大変感謝いたします。 ちょっと気になったのですが、攻撃の形はサイドアタック中心ということですが、具体的にはどのような感じの攻撃の形でしょうか。ヘディング中心でしょうか、足元中心でしょうか、それとも中にドリブルで切り込んでいく感じでしょうか?というのも、ヘディングの高さが世界に通用するか少し心配です。