便潜血検査は、肉眼では見えない便の中の血液反応(ヘモグロビン)を調べることによって、胃や腸からの出血を調べる検査方法です。
検査の種類には触媒法や免疫法がありますが、最近は免疫法が用いられることが多いようです。
免疫法は、免疫反応を利用して人のヘモグロビンだけを検出するため、食事や貧血の薬の影響を受けず、また胃や十二指腸からの出血では、ほとんど陽性とならないので、大腸がんなどの大腸出血の診断に広く用いられます。
ただ、痔などの肛門出血や大腸ポリープ、大腸炎などの大腸がん以外の病気でも陽性になったり、逆に大腸がんでも陽性にならない場合もあり、100%の確率で診断できるものではは有りません。
また、腹部症状や便秘などの便通異常のある場合は、便潜血陰性でも注腸検査や内視鏡検査が必要な場合があります。
便潜血検査は簡単で、外来での経過観察や集団検診などには適していますが、陰性だからといって安心はできません。
最近は、郵送で検査するところもあり、インターネットからも申し込みできます。
40歳代になったら、症状がなくても年に一度は大腸の精密検査を受けるよう心がけましょう。