waiyakattoさん おはようございます
20代の薬剤師です。
ご存知の通り汗腺には「エクリン腺」と「アポクリン腺」が有ります。通常の汗はエクリン腺から分泌されます。アポクリン腺はエクリン腺と比べて、汗と一緒にたんぱくや脂肪分多く分泌されます。このたんぱくや脂肪分が細菌等での変化を起してにおいが出てしまいます。これがわきがの原因です。ですから、殺菌消毒性の高い石けんでアポクリン腺の多く存在する脇等を洗って清潔にする事で分泌されるたんぱくや脂肪分が臭いに変わる事を抑える事が出来ます。
手術では、アポクリン腺を取り除く事でたんぱくや脂肪分の分泌を無くして臭いを押さえる事になります。
漢方では、わきがと言う病名はなくて多汗症の一種類が臭いを起すと考えます。したがって汗を抑える薬が漢方で言う所のわきがの治療薬と言う事になります。
漢方はまず人間を大まかに2タイプに分けて考えます。1つは身体を動かすエネルギーが少ないタイプ(俗な言い方で虚弱)を「虚証」、身体を動かすエネルギーが過剰なタイプ(例えば肉体労働をしてる様なタイプ)を「実症」と言います。このどちらのタイプも過剰な汗をかく場合があります。
虚証の場合は多くは血行不良があり、そのお陰で本来なくても良い部分の水分が貯まってしまうことが有ります。もし皮膚の部分に過剰な水分が貯まってしまうと、身体は過剰な物は何とか排泄しようとしますから、それが汗になってしまいます。この場合は血行を良くする事で皮膚の部分に水分を貯まらないようにする漢方薬を用いて過剰な汗を少なくします。
実証の場合はどこかに過剰なエネルギーがある事になります。過剰なエネルギーは言ってしまえ「焚き火」みたいなものです。「焚き火を消す為に水を掛ける」のと同様に、過剰なエネルギーが皮膚にあれば過剰なエネルギーを無くすために水が貯まる事があります。この過剰な水分が排泄されて汗となる場合です。この場合は過剰なエネルギーを少なくする漢方薬を用います。
簡単に言うと上記の様な理由で多汗が起こります。これ以外にも神経の働きで、多汗になる場合も有ります。(例えば、緊張している時に起す汗等)この様に同じ多汗症と言っても汗の元の水分が何で貯まるのか(排泄されるのか)の理由が虚証と実証とでは違ってきます。したがって用いる漢方薬が違うと言う事です。
以上より漢方の場合詳しい元々の体質(漢方では「証」と言います)が解らないとどのお薬を使えば良いか解りません。一般的には「防已黄蓍湯」(ぼういおうぎとう と読みます)を使う場合が多いとは思いますが、それで全ての多汗症を治せるものでは有りません。したがって漢方診療をしているDr.とか漢方相談を受けている薬局で相談されたらと思います。
お礼
こんばんは。お礼が遅れてしまい申し訳ありませんでした。 ご回答をいつも感謝しています。 漢方のお医者さまには「本人がその気にならないとダメだからその気になった時に来てね」と言われました。 息子は水分もあまりとらないんですが「多汗」なんでしょうか?