歯科医です。
キシリトールの虫歯抑制効果について
キシリトールは糖アルコールの一種で
北欧のほうで研究が進んでおりまして(というかそこでしかされていないので・・・)
そのお話を少しさせていただきます。
う蝕の原因とされる
ストレプトコッカス ミュータンス
という菌に
キシリトールをあたえると
構造が似ているために
ショ糖と間違えて取り込まれるのですが
菌のエネルギーとして使うことが出来ないので
だんだん菌が弱ってくる
という趣旨の論文があります。
キシリトール無益回路といいます。
ただし、ショ糖(砂糖の主成分)が同時にその場にあると
ミュータンスはショ糖のほうが当然好きなので
キシリトールのほうは取り込まれず
少しも抑制効果は出ないのだそうです。
ただし、それは研究レベルお話でして
試験管の中とは環境がかなり異なる口の中で
まるっきり同じことが起こるかどうかは
不明な点があります。
キシリトール無益回路自体が怪しい!!!という研究者すらいます。
しかし甘味があるため沢山の唾液がでるので
初期う蝕の再石灰化と
洗浄効果
の二つがかなり期待できます。
こちらの効果のほうがどうも
う蝕抑制効果のでる
理由のようです。
摂取量にとくにきていはありません。
現実的には
口の中を綺麗にしてから
毎食後最低10分ガムをかみ続ける
というのがよいそうです。
量ではなくガムをかんでいる時間が大切です。
おなかの弱い人は自分の体調と相談しながら
のほうが無難です。
なんにしろ
歯をきちんとみがいてからガムをかまないとあまり意味をなさないですよ。
お礼
回答ありがとうございます。大変参考になります。 >量ではなくガムをかんでいる時間が大切です。 ガムを長時間かんでいると、味がなくなってきますが(甘くなくなってくるとキシリトールももうなくなっているような気がするのですが)、ガムがすでにもう甘くなくなっていても、案外キシリトールはまだ残ってるものなんでしょうか? >歯をきちんとみがいてからガムをかまないとあまり意味をなさないですよ。 そうなんですか・・・。クッキーやせんべいを食べた後、歯に食べかすが付着しますが、簡単な歯磨き代わりにシュガーレスガムを噛む人も結構多いと思うのですが、そういう使い方をする限りにおいてはあんまり効果がないということなんでしょうかね・・・。