正確に書けば、エンジンを壊したことが多かった、というくらいでしょうかね。
ここ5戦(イギリスGPからイタリアGPまで)は、目立ったエンジントラブルはないですし、6戦前のフランスGPでは、確かにエンジンブローはしてますが、ピットアウト直後だったことなどから、他の原因も考えられます。
ということで、「本格的なエンジントラブル」は、6月のカナダGP以来、起きてはいないんですけどね。
リタイヤ・完走の回数に関しても、最近のリタイヤが、ベルギーでのアクシデントに巻き込まれたケースだけですから、「徐々に」ではありますが、ポイントも伸ばしてきています。
(ただ、シーズン中盤、あまりにもエンジンブローが続いたので、そういうイメージができてしまっているのも仕方のないところかな、とは思いますけどね。)
それから、ちょっと、細かい話になりますが、「ホンダのエンジニアの話として、シフトポイント等から見ても、バトンよりもエンジンにやさしい」ということが雑誌の記事などに書かれていたりしますが、これも正確に書けば、ホンダのエンジニアはそういう風に考えている、というくらいだと、私は思います。
実際のところでは、エンジンにやさしいように見えるだけで、逆にエンジンに厳しい、みたいなこともある、と思われます。
レース用エンジン、というのは、かなり繊細にできている、ということもあります。特にF-1くらいのレベルになると、重量にしても、耐久性にしても、かなりシビアに作られています。ですので、ちょっとしたことでも、壊れてしまうこともあるようです。例えば、縁石の乗り方や、フォーメーションラップの走らせ方、といったこともエンジンブローの原因になってしまっている、といったことも考えられるんです。
こういったことは、ドライバーのミスでもなければ、エンジニアにも責任があるわけではない、ということでもあったりします。だからといって「運」という要素でも片付けられない、という微妙なところでもあるんです。
ですから単純に、エンジンの使い方が荒い、とか、エンジンを壊しやすいドライビングである、とかというのは、一概には言えない、ということもありますし、ドライバーが悪いのか、エンジンが悪いのか、エンジンメーカーが悪いのか、などということも、一概には言えない、というところでもあるんです。
ドライバーやエンジニアが簡単には気づかないような差があって、そういった小さなことに気づくか、気づかないか、によって、結果に大きな差が出てしまうこともありえる世界なんです。ですから、安易に「目指せ、表彰台」とか言われますが、結果を残すことも容易ではない、というところですね。
ただ、今年の佐藤琢磨は、かなり恵まれた環境にいると思いますし、今年に関しては、たとえ容易ではなくても、表彰台のチャンスはかなりある、と思います。
頑張ってほしいですね。
お礼
なるほどそういうことですか。最近は安定してると考えていいんですね。 それにしてもエンジンというのはすごく繊細なものなんですね。