火星に月のようにクレーターがあり、生物が簡単には見つかりそうもない荒涼とした世界だと知ったとき。
今から57年前の夏(1965年7月)のこと、アメリカがその前の年に打ち上げた火星探査機「マリナー4号」が火星の近くを通過して火星を撮影し、地球に映像を送ってきました。史上初めてとなる月以外の天体に接近した探査機が送ってきた映像には月にあるクレーター(当時は火口という呼び方でしたが)のような丸い凹みが多数写っていました。
このときの火星の写真はモノクロ、200pixel×200pixel、6ビット(63階調)という、今ではおもちゃデジカメでも「あり得ない」低スペックのものでしたが、新聞やテレビニュースだけでなく、少年雑誌などにも掲載され、何千万キロも離れた火星の「こんなすばらしい写真が地球で見られるようになったんだ」と世界中が感動しました。
この火星の写真は小学校5年生の「天文少年」だった回答者にとっても衝撃的でした。ウエルズのSF小説に登場する「火星人」のような高等生物がいるとはさすがに思いませんでしたが、原始的な生物くらいは火星にいるのではないかと想像(期待)していたからです。
もっともこのとき撮影されたのは火星でもクレーターが多い場所だったことが後にわかり、その後の探査で過去に水が流れたような跡も見つかりましたので「荒涼たる死の世界」という印象はいささか強すぎたようです…事実(真実)が判明したように見えても、さらに次の段階の事実(真実)が判明するという教訓かな…。
その後の宇宙探査の発展はご存知の通りで、火星どころか冥王星の写真まで撮影され、日本の探査機が小惑星の表面から岩石を持ち帰る時代になりましたが、あのモノクロで画素の荒い火星の写真を見たとき以上の驚きはまだありません。
補足
天文ニュースに疎い質問者は月の裏側の撮影に成功と新聞にモノクロ写真が誇らしげ載った時、初めて月の自転と地球の周りを公転?がシンクロしてるのを知りました。そう言えば月の顔はいつも同じ。違いました?