ゼルダ無双厄災の黙示録、本当に面白いですね。
ゼルダシリーズではインパというのは、ハイラル王家側、ゼルダ姫とリンクの間に立つような女性という役回りなんだと思います。
一番最初の「ゼルダの伝説」では、インパはゼルダ姫の乳母という設定でしたが説明書に書いてあるストーリーに出てくるのみで、ゲームには登場しませんでした。
男らしい女性のインパの設定というのはN64版から登場しています。
白い髪に赤い瞳のシーカー族という風です。
N64版ではゼルダ姫も自称シーカー族のシークという姿で登場します。
インパとシークは同じような服装です。
ブレスオブザワイルドではゼルダ無双のインパと同一人物である当時を語れる老人が登場します。
インパの孫にあたる若い女性キャラも出てきます。引っ込み思案の性格として設定されており、村を訪れたリンクのことを気にしています。厄災の黙示録のインパというのは、このインパの孫とそっくりです。
男性主人公が行く先々で女性キャラに少しづつモテるというお話の形式が昔からあるわけで、そのようなキャラクターとしてデザインされたインパの孫をもとにゼルダ無双厄災の黙示録ののインパを作っているから、変にかわいらしくなってしまったのではないかと思います。
ゼルダのキャラのデザインについて。
90年代までの世相として、女性が強い、男らしいことが今よりももう少し許容されていました。
「サクラ大戦」にも田中真弓さん演じるパワフルキャラの女性が出てきたりしました。
ファミコンディスクシステム版のゼルダの伝説をハードウェアの進化とともに進化させてきたのがスーパーファミコン、N64まで90年代後半までの流れです。
さまざまなデザインが、日本人が考える中世の田舎の風景の域を出ないデザインであったと思います。
ただ、ちゃんと現地取材をして作られたアルプスの少女ハイジ(アニメ)などの影響受けていたかもしれません。80年代の任天堂へデザインアドバイザに、ハイジに関わった人がいたそうです。
2010年代に表に出る女性の姿がずいぶんかわいらしさを求められるようになりました。
また、ここ5~10年ほど和風の逆輸入の再生産のようなことが流行しており、オタク向けコンテンツもそうです。
ブレスオブザワイルドはゲームシステムを全部リセットしてファミコンディスクシステム版としてやりたかったことを再度やり直すということをしました。2010年代にデザインから何からリセットをしました。
シーカー族の服装がとても和風になったのは、そういう背景もあるように思います。
デザインの再構成の背景として、ゼルダの伝説は海外での評価が非常に高いシリーズなので、海外のゲームファンを満足させないといけないという部分があると思います。
ゼルダシリーズに出てくる女性は、脇役などでも一人づつがそれぞれきちんと思っていることがあるような言動をしますが、おそらく海外ではそのくらいでないと受け入れられないのではないかと思います。
複雑で緻密な設定となった背景として、日本の作品で異常に緻密な設定のあるもの(攻殻機動隊や銃夢そして宮崎駿作品のメカなど)は90年代までに海外ウケしていたことがあると思います。また、ミファーのデザインなどはこういう時代のイメージがあるようにおもいます。
あと、リト属についてはワタルという80年代のアニメののクラマっていう鳥キャラとデフォルメが似てます。
とにかく、90年代まではプレイヤーであったかもしれない人たちが新しくゼルダを作り直したのがブレスオブザワイルドで、その設定やグラフィックを流用してお話を練りに練ったのがゼルダ無双厄災の黙示録なのだと思います。
お礼
ご回答ありがとうございます 大変詳しく教えて下さり感謝します。