専門家ではありませんが、勉強した範囲で申し述べます。
ヒポクラテスの昔からうつ病(躁うつ病)という病気については、症状がわかりやすかったのでしょうか、記載があります。メランコリー(黒い胆汁)といって、当時は「黒い胆汁」という架空の体液のせいと考えられたようです。
精神機能の知・情・意のそれぞれに、思考抑制(頭の回転が悪くなる、どうどう巡り)、抑うつ気分(落ち込む)、精神運動抑制(おっくうになる、やる気がでない)といった障害が現れるととらえるとわかりやすいと思います。
一方、統合失調症につきましては、これがひとつの疾病単位として整理されたのが、19世紀後半のことでありまして、緊張病(急激な精神運動興奮、幻覚妄想)、妄想病、破瓜病(思春期青年期に発病し幻覚妄想等多彩な症状を呈しつつ徐々に人格が荒廃)など雑多な概念を「早発性痴呆」という疾病単位にまとめたのが、エミール・クレペリン(ドイツ人)です。
20世紀に入りまして、スイスのオイゲン・ブロイラーという学者が、この疾病を精神機能が分裂する病気として「精神分裂病」と命名した次第です。
ブロイラーは確か分裂病の4つのAということを言っておりまして、基本症状と位置づけております。
アンビバレンツ(両価性):好きだけど嫌い、とか相反する感情が同時に出現
アウティズム(自閉):閉じこもり、現実逃避
アソシアチオンス・ロッケルング(連合弛緩):まとまりのない~支離滅裂な思考経路
アフェクト・ストゥールング(感情障害):感情の平板化、自発性の低下
以上の症状は、幻覚妄想興奮といった陽性症状よりも今日でいう陰性症状に近いように思われます。
といったわけで、疾病概念の歴史的経過からみると両者の相違ははっきりしていると言えましょう。
生物学的には、別の回答者様がおっしゃっているとおりであり、両者とも脳の機能障害(神経回路の故障)であります。
お礼
うつ病との違いは探せませんでしたが、面白いサイトを紹介していただきありがとうございました。