はっきり言って競争率と技量の問題です。一般的に言って平面は立体よりも多少の心得があれば描く人も多いですし、公募団体でも自分の技量を試してみたいと出品する人も多くなります。しかし立体ではそれに加えて最初の覚悟が多少、余分に必要でないかと思います。何故なら抽象の立体は絵画以上にお金になる可能性は少ないですし、日本のような一般家庭では殆ど置いてもらえる可能性は在りません。(粗大ゴミの可能性大)よって絵画の出品者は立体の出品者よりも遥かに多い数となります。その様な意味である程度覚悟した人で無いと手を出しずらいのではないかと考えます。ただ有利な点もあります。一般的な意味で使われるモダンアート(現代芸術と言う意味ですが今を表す現代芸術はコンテンポラリーアートですから前現代芸術と訳すのが良いと思いますが)に於ける抽象芸術とは或る種の観念をカタチ、或いは絵画にした物を言いますがこの点に於いて立体の作家は其の観念を如何に旨く其の個人のオリジナリティーをもって鑑賞者に伝えるかに有り、作品の製作技量以上に其の表現方法と個性(オリジナリティー)が要求されます。勿論、製作技量が旨いのに越した事はありませんが!!平面の作家は観念の表現自体が作品ですから其の技量も要求されます。立体の作家では、木、石、金属、その他あらゆる物を使って表現しますが、はっきり言えば木は大工か工芸家,石は石屋、金属の溶接は熔接屋に任せた方が遥かに上手に出来きますし、原則的に同じ物を同じ技量で造る訳ではないので其の技量よりも観念の表現とオリジナリティーに重きを置かれるためです。
以上がわたしが考える立体の方が入選率が高くなる理由だと思いますがいずれにしても自分自身のなかで其の観念を昇華した物でないとその後の展開に苦しむ事になります。
明日への展望展は会員については出品希望者、会友、一般については其の年の本展で選ばれた俊英作家が出品します。選考基準については本展の受賞者と賞候補に挙がったものから選ばれます。
蛇足ですがコンテンポラリーアートは観念自体を直接表現するアートですからインスタレーションからパフォーマンスまで表現方法は色々ありますが限られたスペースと時間等を考慮すれば都美館等では苦しいかも知れません。
お礼
ありがとうございます。本当に参考になりました。会風が私に合っているようなので、まず明日への展望展を見に行く事にしました。