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流蛍撲風の意味

”流蛍撲風”という字が書道の課題になっています。蛍がりのようすと解説がありましたが、字の直接の意味がよくわかりません。”流れるように飛んでいる蛍が風を撲(なぐ)る”というように読めますが、どうしてこれが蛍がりのようすになるのでしょう。蛍が風をなぐるのではなくて、風が蛍を撲る、あるいは撲(う)つの方が自然かと思いますが。つまり”風撲流蛍”とどうして言わないのでしょう。撲という字の意味がなぐるとかうつ以外に他にあるのでしょうか。 漢字、漢文に詳しい方教えてください。

みんなの回答

  • yanhua
  • ベストアンサー率72% (508/701)
回答No.2

流蛍撲風 「字の直接の意味がよくわかりません」とのこと 1.流蛍(りゅうけい) は夏の季語にもなっております。     ”闇を飛ぶ蛍の光のこと” ともありますが       当たってみた範囲ではその意味での例句が見当たりません。       ひょっとして意味が異なる?こんな句もあります           流蛍の自力で水を離れ飛ぶ   ↓ 漢語由来の匂いがするので漢詩の古典に当たると   如杜牧詩《秋夕》:銀燭秋光冷画屏,軽羅小扇撲流蛍。           天阶夜色凉如水,坐看牵牛织女星。        ここにたまたま撲がありますがこれは単純に打つの意。    訳しておきます:男に逢えず独り寂しい思いの宮女の詠嘆の様子を描写。      「秋の夜に燭台の白い灯りが清冷な絵屏風に映え,       (宮女は)薄絹の扇を手に流蛍を打つ。       皇宮も既に深夜(あの人はもう寝床だろうか),       ただ牽牛織女の星を観る。」         秋:旧暦秋は7~9月(新暦8~10月見当)           日本にも秋の季語:秋蛍/残る蛍/病蛍         軽羅:軽く薄い絹織物         天阶夜色凉如水:深夜の比喩=皇宮の石段は深夜で水のようだ 現代漢語詞典(中国の辞書)では  指飛行不定的蛍火虫(ふらふらと飛ぶほたる)とあります。 2.撲風 の撲の本来の意味は日本語で通用する意味よりも幅が広い。 (微風・寒風・空気・水滴・香気・においなどが顔・鼻に)ぶつかる,当たる,襲う. (体全体で)飛びかかる,踊りかかる,突き進む (パフなどでパタパタと)軽くたたく,はたく,羽ばたく.  「白水社中国語辞典」「現代漢語詞典(中国の辞書)」他  で同趣旨の解説です。   撲風 なる語が熟語として格別の位置を持っていることはありません。   用例:撲向風雨(中国語文章表現)など他にも。 ★以上 ご質問の主旨「字の直接の意味」の観点です。  「流蛍撲風」における  流蛍 も 撲 も漢語からの借用が日本風に落ち着いたものではないでしょうか。  これらを踏まえて解釈すると風景が浮かぶと思います。  定着した現代語訳はなさそうなので  ご自分の感性で言葉にしてみてください。

M1343
質問者

お礼

いろいろな出典を例に解説くださってありがとうございました。 大変参考になりました。

  • fujic-1990
  • ベストアンサー率55% (4505/8062)
回答No.1

 「流蛍」というのはATOKにも載っている「夏」を表す季語で、「闇の中を飛ぶ蛍の光」のことですね。  風は目に見えませんが、穏やかに頬をなでて流れていく空気の中で、蛍の光があっちへ行ったりこっちへ来たり。中には風上に向かって飛んでいく光もあるたくさんあるわけです。  (蛍の飛び方までは知りませんが、風上に向かって飛んでは流される、というような飛び方をするのかな?)  それが、あたかも風を押しとどめようとしているかのように見えた、という風情を表しているのではないでしょうか。  あるいは、蛍はたいてい川辺の草や木の葉などに止まって、光を点滅させながらメスがくるのを待つわけですが、草のてっぺんにとまった蛍のたくさんの光が、(風で揺れる草・葉とともに)ゆらゆらと左右に揺れて、あたかも風を鞭で叩いているように見えた、ということかもしれません。  余談ですが、風が蛍を撲るのだとすると、それは蛍にとって苦しい状況ですので、蛍狩の詩情あふれる情景とはとても言えなくなります。

M1343
質問者

お礼

さっそく回答ありがとうございました。丁寧な解説で大変よくわかりました。納得できてすっきりいたしました。