元ホテルマンですが、世のほとんどのホテルは旅行会社と提携してその旅行会社分の部屋というのを確保しています。ホテルはその確保分は旅行会社に手配してもらえるのですが、その見返りとして割引した値段で旅行会社に提供しています。
ここでホテルと旅行会社の力関係がモノをいいます。そこのホテルにとってその旅行会社が客を引っ張る力を持っていたり、ホテル側にとって都合がいい値段で契約してくれている場合はやっぱり「失礼があっちゃいけない」という気持ちは働きます。そこの旅行会社にクレームがきて他のホテルに切り替えられたりすると困るからです。
一方、ホテルにとってその旅行会社がどうでもいいという場合は必然的に粗雑になります。その旅行会社分の確保が小さいとか、値段を買いたたくとか、どうしてもオトナの事情で付き合いがあるが、本心はもう付き合いをやめたいとかね。あるいは、「そこからくる客は素性が悪くてマナーも悪いし、リピーターにはならないし、金にもならない」だったりすると扱いは雑になります。
今は空前の・・・といっていいかどうかは分かりませんが、オヤジ向け経済雑誌やオヤジ向け経済番組でも話題になるくらいの「ホテル不足」です。中国からなどの観光客がものすごく増えて、廃業寸前のラブホテルが観光客を受け入れたらまさかの連日満室で、ラブホテルをやめて観光客向けホテルに変わったなんてこともあるほどです。
だからホテル業界も強気になっていて、単価が安い客は雑に扱うという傾向はあるんじゃないかなと思います。こないだテレビ番組でやってたけれど、部屋単価がどんどん上がっているそうですよ。番組の出演者のアナウンサーや評論家が「昔(たぶんリーマンショック後辺りのことを指していると思います)は1万円程度でそこそこの部屋に泊まれたけれど、今は2万円くらいでもなかなか見つからない」と口をそろえていましたからね。
契約期間の関係で、単価が安くても受け入れないといけなかったのですが、「もっと単価を払っている客が多く来ているから、そっちを優先した結果」となったのではないかなと思います。
お礼
非常に丁寧で分かりやすい解答をありがとうございました。