こんにちは。
先輩回答者がそれぞれ的確な回答をされてますね。
まず、ICレコーダーで良いのかどうかという点が一つ。
ICレコーダーは一般に記事録や対談・インタビューなど最終的には文字の記録を作成する為の録音をします。その為、その場その場において最も大きな音をほぼ同じ音量レベルに録音します。ICレコーダーの近くの人が話を止めれば遠くの人の話が増幅されて同じ音量になって聞き取りやすくなる。急に大きな音が入ってきても(マイクの性能を超える事はできませんが)レベルオーバーで破綻する事無く、適正な音量にしてくれる。というのが売り機能なのです。
近くの人と遠くの人が同時に話している場合は、近くの人の音量で録音レベルが決まりますので、遠くの人の声は聞き取り辛い、というのはどのレコーダーでも変わりません。ただ、遠くの人が話している時に近くでちょっと合いの手を入れると、一旦遠くの人の声が小さくなってまた大きくなるという、音量の波うち現象が起こるのが、この種のレコーダー特有の欠点です。録音された後からではこの欠点を修正できません。
音楽用のレコーダーは、録音レベル設定を自分で行わなければなりませんが、音量は聞こえる通り、大きな音は大きく小さな音は小さいままです。大きすぎる音が入るとレベルオーバーで耳障りな雑音になってしまいます。レベルオーバーにならないで、できるだけ大きく録音するのが一般的なコツになります。
ちなみに、この録音データから文字起こしするには、音量が小さい箇所ではボリュームを上げて聴く事になります。あるいはPCのアプリ等で、議事録用のレコーダーと同じようにレベル合わせのエフェクトを掛けることも不可能ではありませんが、一般的なICレコーダーより手間が掛かるということになります。高額レコーダーでは、レベルオーバーになりそうな時だけ音量を自動調整するリミッター機能を持つ機種も有ります。
またどの音楽用レコーダーでも、一般的なICレコーダーのように録音パターンが幾種類も有る訳ではありませんが、議事録用に録音時に自動レベル調整モードも選べるようにもなっています。
実際にあった失敗談ですが、ステレオ録音で片方のマイクが結露による激しい放電ノイズを出し始めて、リミッターがステレオリンクで働く為に、反対側の音量も激しく揺さぶられて両チャンネル使い物にならなくなった苦い経験があります。リミッターが入ってなければ、正常な片側だけのモノラル録音にはできたのですが、没にせざるを得ませんでした。リミッターやオートレベルコントロールの盲点です。
結露はコンデンサマイクの大敵です。急な温度差や湿った風には気をつけましょう。
外部マイクについてですが、ダイナミックマイクやピンマイクは使い方が難しいですね。
ダイナミックマイクは基本的に「口付けマイク」です。感度が低いので、遠めで充分な音量を得ようと録音レベルを上げると「サー」ノイズだらけになります。また距離や方向によって音量や音質が大きく変わりますので特に野外で使うのは難しいマイクです。その為インタビュー用に例外的無指向性マイク(距離で音量は変わるが、音質は距離や方向に影響されない)が製品化されています。
ピンマイクは口に近づけられないという欠点があります。これも野外向きではない。また衣擦れなどの接触音を膨大に拾うし、マイクの特質を熟知したプロアナウンサーがやっと使える代物で、特に指向性のピンマイクを素人さんに付けようもんならワヤクソです(マイクの反対側に向いて喋るな。マイクとの距離を意識してくれって)。散々な痛い目を見ます。
録音は、ハウリングを心配しなくて済むだけマシなんですけどね。
また、野外では、風対策にウインドスクリーンや更に強力なウンドジャマーが必須になります。これらが無いと吹かれてボコボコという音が入ります。少しなら効果音として使うことも有りますけどね。
録音レベルを自動にしていて少しでも風に吹かれようもんなら、ボコボコに標的の音量が揺さぶられて酷いものになります。こんな場合も録音レベルは手動で固定に限ります。
もう一つ、外部マイク端子の問題があります。
ステレオミニジャックなら民生用のマイク、XLR(キャノン)なら業務用という違いです。
どちらもコンデンサマイクに電源を供給できますが、民生用と業務用は価格が違うのではなく、仕組みや電圧が全く違います(プラグインパワーvsファントム電源)。民生用より安くて使える業務用って結構ありますし。民生用の限界ってありますね。
外部マイク使うつもりなら、民生用と決別した方が良いでしょう。
その方が、レコーダーの端子だけ見てフルイが掛けられますし。
SONYは音楽録音用を「リニアPCMレコーダー」って言ってるが、どの製品も民生用マイクしか使えない。とかね。
外部マイクを使う人が実質的に多くないって事なんでしょうけど。
この分野では老舗的存在の
TASCAM(DR-44WL,DR-40v2,DR-100MK2)やZOOM(H4n,H5,H6)等が該当製品になります。
マイクは、もっと安いマイクも有るのですが、評判の良いRODEの一覧をリンクしておきます。
http://www.soundhouse.co.jp/search/index?i_type=m&s_maker_cd=628
インタビューマイクとはどんなものか、ウンドジャマーとはどんなものかなど、この一覧で参考になると思いますので。(一覧の中にはビデオ用などの民生用マイクも混ざってます)
なお、ピンマイクは俗語で、業界での形式名はラベリア(Lavalier=首飾り)マイクに当たります。