同じく理容師です。
まず,遺伝の話をしますね。
確かに,薄毛やハゲの遺伝子だと決めつけてしまっているhairless遺伝子というものが見つかっています。
しかし,これは,実際には「薄毛やハゲになりやすい体質」を伝える遺伝子だと考えるべきです。
例えば,リアップやロゲインに含まれる「ミノキシジル」。
この薬効成分は,もともとは,高血圧症の治療薬から転用された発毛剤です。
そのことから,このミノキシジルは,毛根のまわりにある毛細血管を拡張する作用があると考えられます。
つまり,このミノキシジルが効くタイプの薄毛やハゲの場合,血管が細くなったり,潰れてしまったりして,髪の毛の毛根に栄養とエネルギーを運ばなくなったことが原因であると考えることが出来るのです。
ところで,このタイプ,例え地肌が見えたとしても,本来は,薄毛なんですよ。
けっして,ハゲではないのです。
実際によく観察しますと,産毛や極細の髪の毛がたくさん生えていることが確認出来るのです。
しかし,現代日本人の我々は,このタイプでも,地肌が見えてしまえば,ハゲとして認識しています。
と言うことで,まずは,このタイプについては,少なくともhairless遺伝子による遺伝ではないと言えると思います。
では,hairless遺伝子が関係するタイプは何かと言いますと,それは,前髪が後退するタイプです。
その途中で薄毛になるのも関係していると考えて良いと思います。
ハゲと言ったら,本来は,こちらのタイプだけを指していたのですからね。
確かに,このように遺伝は関係していると言えますが,しかし,このタイプに効く発毛剤は存在します。
しかも,遺伝子に働きかけるものではないのです。
米国メルク社が開発した,もともとは前立腺肥大症の治療薬で,これを発毛剤に転用したものです。
前立腺の治療には,男性ホルモンを制御することが有効だと言うことを考えますと,この発毛剤も男性ホルモンを制御していると考えることが出来ます。
ちなみに,この発毛剤は,経口薬であり,日本国内では,まだ認可は下りていません。
また,もし,認可が下りたとしても,ホルモンバランスを制御するため,必ず,医師の処方が必要になることは,充分考えられます。
で,このように効果がある発毛剤があるのですから,今,私たちが出来ることとなりますと,毛根付近に男性ホルモンの存在を極力減らすこととなります。
今現在,問題の男性ホルモンは,皮脂の混ざることで,5αリダクターゼという物質になり,これがエストロゲン(女性ホルモンの一種)を阻害していると考えられています。
このことからもそうですが,もし,そのようにならなかったとしても,男性ホルモンは皮脂の中に存在して,毛根部に働きかけるのですから,皮脂の除去は必要になります。
「禿げるのは頭部だけ、他の体毛は禿げない、アブラが原因なら顎髭なども禿げなければおかしい」と書かれている人がいますが,頭髪(側頭部と後頭部を除く)・腋窩・恥丘部の毛以外は,男性ホルモンによって発毛促進していると言われています。
ですから,皮脂に混ざった男性ホルモンによって,頭髪・腋窩・恥丘部以外の毛は,ハゲることはありません。
また,腋窩・恥丘部の毛については,頭髪のように毛穴が上を向いていないため,皮脂が毛穴に溜まることはほとんどありませんので,非常にハゲにくい状態にあるのです。
と言うことで,「禿げるのは頭部だけ、他の体毛は禿げない、アブラが原因なら顎髭なども禿げなければおかしい」とは言えません。
つまり,前髪が後退するタイプの場合,男性ホルモンが強く関与していること,そして,皮脂を除去することで男性ホルモンも毛根部から除去することが可能だと言うことから,hairless遺伝子はハゲの遺伝子だとは言いにくいと考えられます。
しかし,この遺伝子を持つ以上,ハゲる可能性はあるのですから,ハゲることを防ぐことは可能だと言うことも併せて考えますと,hairless遺伝子は,ハゲる体質を伝える遺伝子だと考えられると思います。
また,予防することが出来る以上,遺伝だからと言って諦める必要はまったくないと言うことが出来ます。
前置きが長くなりすぎましたことは,お詫びします。
で,本題ですが,今見ているサイトの「質問:頭皮の皮脂を除去するグッズ」の私の回答をお読みください。(estoladaさんなら,探し出すのは簡単でしょう。その他の人のために,一応,参考URLにそのページのアドレスを入れておきます)
このシャンプー方法と,s-hairさんが紹介している「資生堂ビューティーカンパニーの246プロサイエンスシリーズ」を併用しますと,効果はさらに高くなると思われます。
もちろん,今現在使用しているシャンプー剤でも,皮脂を除去する効果はある程度ありますよ。