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印刷用デザインの特色について
- 印刷用デザインの色指定に特色を一緒に使っても問題はないのか
- 特色の番号に準じたCMYK数値を入力するほうが無難なのか
- 色の数値の小数点表記はどうするべきか
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質問者が選んだベストアンサー
こんにちは。 グラフィックデザイナーです。 「特色」の指定ってどういうものか、しっかり理解されているでしょうか? DICとかPANTONEってどういうものか、理解されているでしょうか? CMYKの色指定の刻みの由来についてもご存知でしょうか? CMYK指定を10%・5%刻みで指定するケースが多い理由。 コンピュータがデザインに使われていなかった時代、印刷はアナログ、つまり手作業で版を作っていました。 印刷機の精度の問題、製版の精度の問題などが絡み合って、2%とか3%などで刻む色指定は誤差でしかありませんでした。作業工程でずれるんです。どうしても。 レーザーでダイレクト製版ができるようになった現在はかなり精度も上がりましたので、「指定すれば出るかもしれない」というレベルになってますが、もともとは10%刻みが基本だったのです。ちゃんと違いが分かる色指定ということでね。 どうしても5%指定したいと言えば、現場の人が労力を払って努力してくれましたが、ほとんどが一笑に付されるお話でした。(大御所レベルなら別ですけどもね) さて。 上記のように現在では製版の精度が高くなったので、10%と言わず、5%でもある程度の印刷品質が期待できます。 ただしそれは条件の良い印刷媒体である、ということが前提なんです。 用紙がアート紙なら、ほぼ制作者の想像通りに色が出てくると思いますが、用紙によってはそれが期待できないケースがあります。 表面加工していない用紙は、インクを吸い込んで濃く沈んだ色になったりします。 Dot Gain 15% とかいう文字をどこかでご覧になった事は無いでしょうか。 一度調べていただければ良いかと思いますが、つまり、色のコントロールが難しい用紙や媒体があるってことを前提に、色指定は行われるべきなんです。 他の方も書かれているように、「00.00%」といった中途半端な色指定を、誰もが間違いなく共有できてちゃんと色校正ができるなら小数点指定は問題ないでしょう。 あなたが神の目を持っていて、この色はこれだけズレているからだめだ、という判断ができるかどうか、というお話にもなります。 色校正も一般的に思われているほど完璧ではなくて、実は印刷の圧が違うとか、インクの量にムラがあるとか、そういうものを見抜く作業でして。 それを見抜いた上で、色指定がまずいのか、校正がまずいのか、変更する必要があるか、などを検討するプロセスです。 小数点単位での指定は、それらの判断を難しくします。 小数点の色指定を否定しているのではありません。 写真だったら小数点以下の部分もありますからね。 なんでもかんでも小数点以下の指定をするのは、「本当にその微妙な指定が必要か?」という再検討もする必要があるとお考えください。 日本国内ではDICの使用頻度が高い(とワタシは思っています)ですが、これは理由があって「色見本」というだけではなく、DICのインキを「調合する数値」が書かれているんで、話が早いんですね。 インクAとインクBとメジュームをこの比率で混ぜたらOK、というチャートでして、ここにPANTONEとの違いがあります。 PANTONEは「色を分類して、紙や繊維、プラスチックなどに使ったらこんなふうに見えるよ」という「色見本屋さん」。 DICは「インクの練り方を決めたよ。この色はこの調合ね」というチャートを用意して売る「インク屋さん」なんですね。TOYOも同じくインク屋さんです。 このようにアプローチがまったく逆ですので、aiデータの中に複数のカラーチャートのチップが使われるのは「おかしい」と言っても、たぶん間違っていません。 海外のロゴのCMYK指定が小数点になっている場合がありますが、これはPANTONEの色見本を基準に再現する目標値として出されていると理解した方がしっくりきます。 例えばロゴの色を考えたとき、色を厳密に指定して、それを共有したいならPANTONE。(グローバル企業や、中国で印刷をする企業さんはPANTONE必須です) そうでない場合はDICで検討する、という感じでしょうか。 プロセス4色印刷が多い企業さんなら、DICよりもCMYKで色を検討して、それに近いDICを探し、2種類の色指定を提示するのが良い方法です。 特色印刷が多いなら、印刷される媒体をリサーチした上でDICを検討して、それに近いCMYKも提示する。ケースバイケースで色指定の共有をするのですね。 CMYK + DIC の色指定を提示する理由は、コスト面からも有効な方法なんです。 PANTONEのカラーチャート、1シートで買えば安いですが、フルセットで買うとかなり高いんですね。印刷屋さんもあんまり持ってません。 CMYKならカラーチャートは安いし、クライアントでも気軽に持てるし、印刷屋さんも自前のチャートを作ってくれる可能性が高い。DICも同様ですね。 クライアントがどんな企業なのか、どういう媒体を使うのか、デザインする前にしっかりリサーチすれば色指定はもっと容易に、かつ間違いがなくなると思います。 ぜひ研究を進めてください。
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- yellows
- ベストアンサー率42% (188/441)
>色々な特色(DIC、PANTONE、TOYO等)を一緒に使ってもデータや印刷時に問題はないのでしょうか? 色を作る(配合表を見る)のでかまわないと思いますが、 印刷会社におききになられた方がよいでしょう。 DICならDICで統一されたほうがよい (印刷会社がどう思うかはべつにして、こだわりがあるのならしょうがない) 特色を使用する目的として CMYKでは表現できない色 色数に制限がある(2色or3色で表現できる) 色指定がある この3つくらいではないでしょうか。 >調べたら印刷やさんによっては、できる特色が限られているところもあり、印刷屋さんが決まっていなくデザインのみ仕上げる場合は、特色の番号を使うよりは、特色の番号に準じたCMYKの数値を入力したほうが無難なのでしょうか? 特色のスウォッチ(グローバルカラー)を作成してそれから色づけをすれば 特色が使用できないと判った時点、納品時点でスウォッチをCMYKに変更すればよいでしょう。 写真(カラー)がある場合は、普通4色(CMYK)なので 特色を使用していると、印刷代も特色数だけ増加します。 >色の数値の%が小数点になってもよろしいのでしょうか?(例 C:58.45%) デジタル処理なので問題ないでしょうけど 同じ色を他に使用する場合面倒ですね。(スウォッチ登録すれば問題ないか・・・) 刷り上がった、印刷物を見て、この色は(C58.45, M82.32,Y11.3)とかでは この色、次に使いたいと思ってもデータ開かないとわかんない。 10%・5%単位に納めたほうが、先行き、色の感じをつかめるようになるのではないでしょうか?
お礼
お礼が遅くなりましてすみません。 ご回答頂きありがとうございました。 やはり特色は、会社を統一したほうがよさそうですね。 CMYKで表現できない特色の色があるんですね。勉強になります。 単位を10%・5%にするのは、データの色の申し送りや、以前使った色を使用するのにもわかりやすいですね。 沢山のアドバイスを頂きましてありがとうございます!
- sagayell2
- ベストアンサー率29% (42/141)
簡易印刷屋に勤めていました。 大手の印刷屋さんはまた条件が違うかもなのであくまで参照で。 特色指定についてはクライアントさんと決めた色ではなく、 作成者(今回は相談者さん)のみで決めた色ということでしょうか。 クライアントさんがデザイナーの作ったロゴデータを使用する場合、 特色で印刷するのかデジタル印刷(代価案)で良いのか確認します。 ここでお客さん(クライアント)はおおよそ二通り。 まずはデザイナーのデザイン通りの色でないといけないと思う人。 もう一方は似た色で安く印刷できれば良いという人。 前者は見積もり提示して納得なら作成できますが、問題は後者の「似た色」です。 これは主観になるのでできれば仰るようにCMYKの数値があると助かります。 可能なら「DIC×××、CMYKの場合は○○(各割合)」で示してあると尚良しです。 ちなみに1つのデータに「DICとPANTONEとTOYOを混ぜる」は見た事ありません。 特色は会社を統一すべきかと。 尚、その特色ですが質問内容からすると実物カラーチャートではなく、 PC上のカラーチャートということでしょうか? その場合はPCによって色が変わりますが?? もしそうであるなら特色は使用せず全てCMYK表示にすべきです。 小数点がついていようと作成データそのままで印刷するはずですので、 特に心配はいらないと思いますが、 ソフトやPCのバージョンで何故か色が変わる場合があります。 色数値をどこかに記載してください。
お礼
早速のご回答を頂きありがとうございます。 今まで、案件はほとんどお客様からの特色の指定はありませんでしたので、CMYKでお出ししていました。 アドバイスをありがとうございます。今後、特色の指定をお客様に確認します。 そういえば思い起こせば過去に一度だけ、お客様からCMYKとパントーンの両方の表示でロゴを頼まれたことがありました。その時はあまり考えていなかったのですが、そういうことだったのですね。 カラーチャートは、実物のパントーンや印刷屋さんから頂いたカラーチャートを使用しています。パントーンは、パントーンの特色番号とCMYKも同時に記載されているので、パントーンの特色番号ではなくCMYKで常に指定していました。 そうですね。WinとMacでは、同じ色でもびっくりするほど色が違ってでますよね。モニターもキャリブレーションできると良いのですが、今は色見本を片手に見ながらやっています。 もし、特色で出す場合は、特色の会社を統一したほうがよさそうですね。 わかりやすく説明して頂きありがとうございました!
お礼
私の質問にお時間をかけて答えてくださり、大変ありがとうございます。 デザインの本や教科書に載っていないような、実際の現場での印刷の歴史(時代の流れの技術や傾向も含め)の貴重なご意見を頂き大変勉強になりました。 PANTONE、DICの会社の「色見本屋さん」と「インク屋さん」の違いも教えて頂きありがとうございます。そんな違いがあったんですね。同じインク屋さんだと考えていました。過去にPANTONEのプラスチックの色見本を見たことがあるんですが、なんでプラスチックの色見本があるんだろう???と疑問に思っていましたが、今謎が解けました。 まだ、大企業様とお仕事をすることはないのですが、海外のほうとは時々お仕事をすることがありますので、海外の色の傾向も教えていただきまして、ありがとうございます。 CMYK + DIC/PANTONE/その他の色指定の考えを常にもっておくと、クライアント様または印刷会社様に対応がしやすそうですね。 写真も印刷物にはいり、色に小数点ができるので、デザインの色の指定時に小数点が入っても大丈夫なのかなと思いましたが、これはちょっと杜撰な選択ですね。常にカラーチャート(実物の)を見ながら色を選択したいと思います。 わかりやすく説明して頂き、大変ありがとうございます。