工人舎のPAを試したことがありますが、これはLinux系OSで動かすには
貴重な、手に負えない仕様のPCのように見えました。
(IBM,富士通,東芝,SONY,NEC,Acerなど、総数20台強のPCでは見たことの無い体験をしました)
PAの場合は、タッチパネルと光学ポインティングデバイスなどが正常に動作せず
実用的にGUI操作ができないという有様でした。
厳密な仕様確認ができれば、ドライバーが現世に存在するか確認できますが
分解やWindowsXP環境でのインフォメーションを得ることができない段階では
lspci,lsusbコマンドなどを使っても、要領を得ないというていたらく。
Linuxを多くのPCで試してきましたが、Tualatinより上のCPUのPCで
「めんどうくさいから、もういいや」と思ったPCは、このPAだけでした。
そのうえ、このPAはMBRが特殊なブートローダーを含んでいるようで
一旦Linux導入のためにブートローダーを書き換えてしまうと
HDDにあるリカバリー領域を呼び出すことができなくなります。
元の状態に戻せないので、原因がブートローダーにある確証もありませんが
同じような状況になったPCの事例は、ほとんど無い特殊なものです。
別途WindowsXPの起動ディスクがあれば、リカバリーシステムを
コマンドラインから手動起動して、リカバリーすることができます。
ですが、リカバリーでブートローダーを書き込まないという仕様のため
通常のリカバリー操作ができるように戻すことができません。
これはリカバリーシステムからリカバリーディスクを作成することもできないので
MBRが破壊されるようなウィルスへの対策は、最初から想定されていなかったようです。
(往時は工人舎からリカバリーディスクが購入できましたけどね)
そういうわけでSXの正確な仕様は把握していませんが、MBRのバックアップを
最初にとっておくべきかもしれません。
これは、CDやUSBメモリーからLinuxを起動することができれば
ほぼ標準的に搭載されているddコマンドで行なうことができます。
また、ブートローダーの復旧自体はMBMなどでもできます
ですが、リカバリーシステムの呼び出し機能は
MBMでも、パッケージ版Windowsのブートローダーでもできないようです。
うちにある、およそ20台のXP機のように「XPはもういらないや」と
すっぱり捨てて、COAシールもはがして捨てるくらいの勢いであれば
気にすることも無いかもしれませんが、PAがそうであるように
普通にLinux系OSを試してみても、実用に供することができないのであれば
Linux導入を実験するよりも、他の工人舎愛好者の予備機として譲り渡すことを考えるべきかもしれません。
あるいは、SX3の場合はZIF接続の1.8インチサイズのHDDかSSDを調達すれば
換装自体は難しく無いようですから、換装した上で、別のHDDかSSDで
Linuxを試すという考え方でもいいかもしれません。まぁ、費用かかるので
普通にWindows7を買ってきて導入を試みるほうが良いかもしれませんけどね。
まぁ、そういうわけで、軽量のものを試すという方向と
なんでもあり的な、あるいは実験的な性質の強いもの
いろいろ試してみる価値はあるかもしれません。
つまり、Xubuntu13.10(来月には14.10LTSも出るはず)や
Debian GNU/Linuxの最小構成からの構築
Fedora20などです。一応これがおすすめ順ということで。
軽量においてはPuppyは優秀ですが、特殊な構成をとっているため
AtomZ520くらいの性能があるのであれば、Xubuntuあたりを試して
より軽快なものを求めるときに、Puppyを試せばいいと思います。
いずれにせよ、CD起動やUSBメモリーからの起動では動作が重くなるので
検証の手間を最小にするために、こういう質問をするのは合理的だと思います。
へたに酷使して、HDDが壊れると、けっこうダメージでかいことになりますし。
いざ、HDDが壊れてしまうようなことがあったら
USBメモリーからPuppyを起動して動かすのが妥当な運用ってことになりますけどね。