まあ地声にもかなり幅があるものですし、他人にとって、地声がいつも、さも品が悪く不愉快だと
感じさせるかどうかにも、人一人一人差があるように思います。とは言っても、トータルで言うなら
地声というものは、概して粗野で品に欠ける場合が多いとは思いますし、また、地声はとかく必要以
上に大きく、そうしたことがあるとしたら、聞く相手には、やはり不愉快な気持ちを抱かせる可能性
はあると思います。
漁業とか農業、港湾や工場、場所によっては遠くまではっきり届くだけの迫力をもった地声も必要
なこともあるのでしょうが、周囲の広い場所や騒音に満ちた場所でないかぎり、上司には適度な声量
と発声で話たいものですし、もちろん会議の際、電話り応対、お客さまや知らない人への問いかけ、
それぞれに適した声で話したいものです。
ただ、一般的な会話の際の、声の質、声量(声の大きさ)、発音、イントネーション(抑揚)、こ
うしたものは、本人が気を付けたり、正しい発声を教わったりすることなど多少の訓練ですっかり見
違えるように改善できるものです。
こうした訓練はヴォイストレーニングといいますが、最も基礎的で単純な方法としては、アイウエ
オを正しく口を開きながら、ひとつずつ、やっと人に聞こえそうな声量から次第に大きくして行き、
また消えるほどまで小さくして見る方法があります。途中で息継ぎはしますが、ある大きさで突然
声の質がガラッと変わるなら、そこが地声と自然な発声との境目として分かるはずです。
なお、地声はかならずしも悪い発声とばかりではないのです。地声は多くがお腹の底から腹式呼吸
で出てくる声です。訓練がされていないからガラッぽく品がないだけのことです。ところが、地声の
ない人たちが一旦、たとえば演歌をなどをカラオケで歌おうとしますと、多くはお腹の底からの腹式
呼吸で歌が歌えず、ノドだけで歌うか弱い歌い方になってしまうからです。この、ノドで歌うという
歌い方もまた、なかなか直せないものなのです。
ですから、地声はそのまま、正しい発声に修正していければ最高。まず最初は、お腹から出てくる
ような、そしてノドがガラガラするような地声を押さえて、ノドから自然にス~と同じ調子で滑らか
にでてくる声を確かめてみてください。
また、わたしの場合は、会話法とか発声法といったものでなく、歌を歌うことでそうした適度な声
というものを教わりました。まず正しい発声と発音、自然な抑揚、声の上限下限の幅、そして歌う曲
の歌詞の意味にふさわしい声の大きさとか張り、あるいは自然に消えるような微妙な声の変化な
ど。こうした教育はけっして安くない受講料を支払って教わったものですが、普通の会話の際にもと
ても役に立っています。
お礼
たしかに地声を出すと大きな声になってしまいそうです。 声を抑制するためにストレスを抱え込む、ということがなく、しかも他者が聞いていて不愉快にならない発声の仕方があれば、知りたいと思っていました。 音声を次第に大きくしたり小さくしたりすると、声の質が変わったと分かるようなところがあるのですね。 ちょうどいい大きさの声を見つけられそうです。 >ノドがガラガラするような地声を押さえて、ノドから自然にス~と同じ調子で滑らかにでてくる声 という場合の声は、発声していてどんな感じがするのでしょうか? びりびりがらがらさせないで、柔らく声を優しく出せるということでしょうか? 自分の声の出し方がたぶん間違っているのですが、声の出発するところを広くする感じでやさしく声を出そうとすると、胸に隙ができてしまいます。 その隙を他者ににするどく踏み入れられてしまいそうなやわな声です。 聞く相手には不愉快な気持ちを抱かせない声なのですが、自分が苦しくなります。どうしたものかと悩んでしまいます。 回答ありがとうございます。