>舐めて舐めて噛む
猫が他猫を舐めるのは、アログルーミングと言って、親愛(友愛)を示す行為です。
その後噛むのは、先住猫が「自分が優先である」と新入りに教える教育的指導、雄雌同士なら教育的指導しているうちに性的興奮も入ってマウント状態になります。
猫は単独生活の生き物で、自分のテリトリー=ホームテリトリーの確保と意志表示を非常に強く示し、エリア侵入者に対しては直ちに威嚇と迎撃を開始します。エリア意識が強い猫、単独飼いが長い猫の場合、多頭飼いに移行する時は注意が必要です。
猫を単独飼いから多頭飼いに移行する場合、ちょっとした手順とコツがあります。
(1)新入り猫を別室に完全隔離する。 隔離しても、狭い家のこと、新入り猫の存在は先住猫に当然分かります。
先住猫が新入り猫の存在に馴れるまで、何日でも隔離を続けます。
戸を開けたときに脱走・侵入されないよう、通常は更にケージに入れておきます。
(2)ケージ越しに対面させる。 新入り猫の存在に先住猫が馴れてきたと思ったら、新入り猫をケージにいれて
先住猫が自由に出入りできる部屋へ移します。 このとき大切なのは、先住猫がいつでも他の場所へ逃げられるということです。
(3)両者とも馴れてきたら、短時間ケージから出す。様子を見ながら次第に時間を伸ばす。 このとき、もし喧嘩になりそうになったら、新入りの方を捕まえてケージにもどします。
先住猫は叱りません。
先住猫が大人猫で、新入り猫が子猫の場合、通常子猫は恐いもの知らずで好奇心旺盛、大人猫が怯えてしまうことがしばしばあります。
大人猫しか登れない高さに、安全な場所を作ってあげるのも一つの手です。
★個体差はありますが、この状態に進むまでに、最低でも1週間はかかると見てください。 ここまでくるのに月単位の日数がかかることもあります。
(4)完全に仲良しになるまで、夜は新入り猫は寝室に入れない。 「夜はママを独占できる」という安心感があれば先住猫の気持ちも随分落ち着くように思えます。
(5)何事も先住猫優先。 新入り猫がどれほど可愛くても、先住猫の方をよりかわいがるように。新入り猫は放っておく位の気持ちで良いでしょう。
先住猫が決して何一つ「奪われた」「侵害された」と思わないように努力すること。
(6)仲良くしていたら、褒める。 一緒にいると楽しいと思わせるように。
おやつをあげたり、一緒に遊んであげたりも良いでしょう。
(7)どの猫もなるべく子猫の気分を維持させるように気を使う。 本来猫が集団生活をするのは子猫の時だけです。
できるだけ甘えさせ、遊んでやり、忙しくても頻繁に声をかけ、何か言ってきたら必ず返事してあげる。
そうやって親子(母猫と子猫)を演じます。
ただし、かまうのは猫の方が求めてきた時に。猫が満足したら止める。
猫の気持ちを無視した構い過ぎは、かえってストレスとなります。
(8)必ず不妊手術をする。 雄雌がどのような組み合わせであろうと、平和に多頭飼いするなら手術しておくに限ります。未去勢の雄同士がずっと仲良く暮らせることはまずありません。平時は仲良くても、ある日突然血だらけの大喧嘩を始める可能性があります。これは雄の本能なのだから仕方ありません。
雌同士とて油断大敵。雄同士より難しい場合も多々あります。縄張り意識は未手術の個体の方が強いですし、シーズン中は精神不安定になります。
(9)後は基本猫同士に任せる。 取っ組み合いのプロレスをしても黙ってみている。
怪我を負いそうな時は、叱るのではなく、おやつや猫じゃらし、マタタビなどで気をそらします。
「一緒にいたら叱られた=不快感」ではなく、「一緒にいたらオヤツをもらえたり、遊んでもらえた=快感」と覚えさせます。
ただし、瞳孔が開いていたり、血が出るほど激しく噛む時は、飼育者が噛まれないよう速やかに隔離してください(この時非常に気が立っており、転嫁攻撃といって飼育者や他猫を攻撃するので要注意です)。
お礼
詳しく有難うございましたm(_ _)m 1ヶ月前から一緒に暮らし始めたんですが、2日間先住猫が大騒ぎしましたが3日目には、何事も無かったみたいに くっついて寝てました(^^) 噛む意味がわかってスッキリです。 まだ小さいからなのか、2匹で噛み噛みしていますが・・・ やんちゃなので見守っていきたいと思います(連桁付き8分音符) 有難うございました。