人間の目は自動的にホワイトバランスを調整しているので気になりませんが、実際は撮影場所の光線の色はさまざまです。ですので、フィルムに写る色調はさまざまです。が、
>全体的に薄い紫っぽくなっている原因はどういう事がかんがえられますか?
これ、ただのプリントミス(若しくは手抜き)だと思います。
カラーネガフィルムは、写したフィルムをそのまま見るわけではなく、紙にプリントして色をもう一回反転させますよね?フィルムが直接仕上り画像になるスライドフィルムと違い、プリントする時にカラーバランスはかなり制御できます。スライドフィルムで屋内用と屋外用を間違えると色が大きく変わってしまうのに、ネガフィルムはどこで何を写しても大概屋外用で対応出来てしまうのはこのためです。
それで予想されるのが、自動焼付け機を本当に全自動で動かしたのではというところです。通常の写真に純白の面積というのは非常に少ないので、焼付け機が騙されて、でもそのままプリントしているという可能性。ちなみにちゃんとした写真屋さんは、サービスサイズの同時プリントでも、自動焼付け機を使っていても1コマずつ確認して、機械の判断ミスを手動で補正しています。ですので、値段も時間もかかります。
プリントミス以外でもう一つ思い付いたのは、もしかして夜用の高感度レンズ付きフィルムを使ったのでは?というもの。
経験は無いですが、フィルムに対してあまりにも明るすぎる撮影条件だと、明るすぎた部分の階調が飛んでしまい、プリント段階でいくら暗く焼いても限界を超えていて補正しきれないという可能性。カラーフィルムは画像を3~4色の光に分解して記録していて、メーカーが保証している(設計している)光の強さの範囲外(ちなみに明るい側だけでなく暗い側もそうです)では各色の感度は揃っておらず、色調がどこかに傾く事はあり得ます。
(余談ですが、天体写真の愛好家は、この暗い側で起こる現象を利用して、フィルム選びをして“写って欲しい色”を調整したりしてます、長時間露光だと赤外線が赤く写るetc…)
あと紫外線の問題ですが、ふつう写真撮影で紫外線が影響した場合は“ハーレーション”という現象になります。
ハーレーションというのは霧がかかったようにぼやっと写る現象です。普通のカメラのレンズは可視光だけで設計しているので、赤外線や紫外線は焦点がずれます。
赤外線は普通のフィルムに当たってもあまり感光しません。
紫外線は光としてのエネルギーが高いのですが、透過率が悪いので普通の場合ではカメラのレンズを通過する事が出来ません。
赤外線は当たっても感光しないから良いのですが、紫外線は感光してしまいます。また、通常の強さの紫外線はレンズを通過できなくても、強い紫外線なら通ってしまう事があり、そういう場合にハーレーションが起こります。
ですので、そのような場合の為に通常のカメラのアクセサリにはUVカットフィルターが用意されています。
ネジの無いコンパクトカメラやレンズ付フィルムにも使えますが、カッコ悪い事に目をつむれば、テープで張り付けたりして使う事もで来ます、ちょっとした裏技系。