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異名同音の和音
例えばDとG#は増4度ですが、異名同音でG#をA♭と読み替えると、DとG#(A♭)は減5度ということになるのでしょうか。 あるいは、FとG#は増2度ですが、G#をA♭と読み換えると、短3度(FとA♭)になるのでしょうか。
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ありがちな混乱ですね。 ポイントは「好きなように読み替えていいわけではない」ということだと思います。 個々の音を、調の中で位置づけ、階名で考えることが必要です。 いくつか例を挙げてみましょう。 例1: 調が A dur (A major)のとき 音階の構成音は A(ド) - B(レ) - C#(ミ) - D(ファ) - E(ソ) - F#(ラ) - G#(シ) です。カッコ内が階名です。 G# の音が A dur という調のシという階名の音として使われているなら、 それはあくまで G# であって Ab(ドの半音下げ) ではないのです。 ですから、D と G# との音程もあくまで増4度であり、減5度とは言いません。 例2: 調が F moll (F minor) のときの自然短音階 音階の構成音は F(ド) - G(レ) - Ab(ミb) - Bb(ファ) - C(ソ) - Db(ラb) - Eb(シb) です。 F minor の第3音であるミbは、あくまで Ab であって G# ではありません。 この場合、F と Ab との音程はあくまで短3度であり、増2度とは言いません。 例3: F minor でのV度の三和音 F moll のV度の三和音は C というコードネームで、 和音の構成音は C(ソ) - Eナチュラル(シ) - G(レ) となります。 このEナチュラルもあくまで Eb(シb) を半音上げたものであり、F(ド) を半音下げたものではありません。 例4: F minor でのオーグメント (aug) コード V度の和音では第5音を半音上げる (augumented) ことがありますが、 F moll における V度の和音で言うと、 コードネームは Caug であり、構成音は C(ソ) - Eナチュラル(シ) - G#(レ#) となります。 この場合は逆に、あくまで G# であり Ab ではないのです。元々は G(レ) だったものを半音上げたからです。 この場合の C と G# との音程は増5度であり短6度とは言いません。
- TAC-TAB
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>読み替えても構わないとのことですが、それならどちらを採用してもよいのでしょうか? 読み替えてはいけません。そのように説明したつもりだったのですが・・・ 異名同音は、演奏するときに偶然にして同じ音を出すだけで、和声理論上の意味合いはまったく違います。「ド♭」と「シ」は、ピアノでは偶然にして同じキーを叩きますが、両者は似ても似つかぬ別の音ということです。(平均律とか純正律という問題ではなく) >和音が2つなら大丈夫ですが、三和音の場合、F・A♭・CとF・G#・Cとでは大きく意味が違うと思うのですが、どちらでもよいのでしょうか。 根本的に違います。Fマイナーコードは、F・A♭・Cと書かないといけません。 F・G#・CはFマイナーコードではありません。偶然に同じ響きになるだけです。 >あと、私の挙げたD・G#(増4度)とD・A♭(減5度)は両方とも不協和音ですから、読み替えても差し支えはありません。 ところが、TAC-TABさんが例に挙げておられるF・A#(増3度)とF・B♭(完全4度)は、読み替えによって完全協和音(完全4度)か不協和音(3度)かが大きく変わってきます。 こういう場合、勝手に読み替えても構わないのでしょうか? 説明が悪かったのだと思いますが「読み替えてはいけません」と書いたつもりです。 五線紙に書かれた、見かけ上の音程「○度」は、絶対のものです。 いかに#や♭が付こうとも、見かけ上3度であれば「○三度」ということです。「三度」という部分は書き変えてはいけないということです。
- TAC-TAB
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>例えばDとG#は増4度ですが、異名同音でG#をA♭と読み替えると、DとG#(A♭)は減5度ということになるのでしょうか。 あるいは、FとG#は増2度ですが、G#をA♭と読み換えると、短3度(FとA♭)になるのでしょうか。 そのとおりです。 二つの音のへだたり(音程)を示す場合、まず見かけ上の音程を前提にした上で、「長」「短」「完全」「増」「減」を付けて、両音の間にある半音の数を示します。 見かけ上の音程とは、五線紙に書かれた音符を指折り数えた数のことで、「ド」と「ド」なら「一度」または「同度」、「ド」と「レ」なら「二度」、これは#や♭が付いていようが付いていまいが関係がありません。調号も関係がありません。とにかく見かけ上の音程が「○度」ということになります。 これに半音の数を数えて、「長」「短」「完全」「増」「減」の区別を付けます。 従いまして、「F」と「G#」であれば、Gに付いた#は関係がないので「F」と「G」ということで「○二度」という呼び方になり、両音の間には半音が3ヶなので「増」が付き、「増二度」となります。ご承知のように、二度の場合は、半音が一個なら「短」、二個なら「長」、三個なら「増」ですね。 また、「F」と「A♭」なら「A」についた♭は度数には関係がないので、指折り数えて「○三度」になり、次に半音の数を数えると3個なので「短三度」になります。「F」と「A♭♭」なら半音二個で「減三度」、「F」と「A♭」なら半音三個で「短三度」、「F」と「A」なら半音四個で「長三度」、「F」と「A#」なら半音五個で「増三度」、「F」と「A##」なら半音六個で「重増三度」なります。このように同じ三度でも、間の半音の数が1個の場合(重減三度)から6個の場合(重増三度)まであるということで、これを勝手に読み替えてはいけません。 「F」と「A#」を異名同音の「F」と「B♭」と書いた場合は、「完全四度」と呼び名が変わります。 なぜそのように「○度」にこだわって呼ぶかというのは、特に和音の場合、ルートから奇数番目の音を積み重ねていくという約束があり、それを前提に「短」「長」などで、両音の間の半音の数を示すようになっています。
お礼
詳細な回答をありがとうございます。 読み替えても構わないとのことですが、それならどちらを採用してもよいのでしょうか? 和音が2つなら大丈夫ですが、三和音の場合、F・A♭・CとF・G#・Cとでは大きく意味が違うと思うのですが、どちらでもよいのでしょうか。 あと、私の挙げたD・G#(増4度)とD・A♭(減5度)は両方とも不協和音ですから、読み替えても差し支えはありません。 ところが、TAC-TABさんが例に挙げておられるF・A#(増3度)とF・B♭(完全4度)は、読み替えによって完全協和音(完全4度)か不協和音(3度)かが大きく変わってきます。 こういう場合、勝手に読み替えても構わないのでしょうか?