日本企業が「新卒一括採用」を基本としているからです。
これは日本企業独特の風習であるため、入社式は諸外国ではまず見られません。
例えば日米で比較しますと・・・、
大学を3月に卒業し、その翌月の4月には新入社員として一斉に仕事を始める、というのが日本の新卒者の就職パターンですよね。
一方、アメリカでは、卒業時期がそれぞれの学生によって異なりますし、企業が新卒の学生を定期的に採用する事がありません。
ですから、日本のように、ある時期に一斉に新卒の学生が就職をするという事が無いので、おのずと入社式が無い訳です。
こうした日本とアメリカの新卒採用事情の違いには、2つの理由が考えられます。
1つは、日本とアメリカの新卒者に対する考え方の違いです。
日本では、実務経験の無い新卒者を採用してから「育てていく」という考え方が浸透しています。
終身雇用を見直したり、中途採用を行ったりする企業が増えてきているとはいえ、いまだに(大企業ほど)こういった考え方が根強く、社風に合った新卒者の採用に力を入れています。
一方、アメリカでは「即戦力」である事が重視されますから、実務経験が全く無い新卒者を手厚く迎える事はありません。
もちろん、アメリカでも新卒者が卒業後、すぐに正社員として迎えられる場合もありますが、多くの場合は在学中に「インターンシップ」や「パート・タイム・ジョブ」、または「契約社員」という形で実務経験を積む事によって、正社員のポジションを獲得していきます。
もう1つの理由は、「終身雇用制度」の有無です。
日本では、長期に渡って「終身雇用制度」が保たれ、毎年3月にはそれぞれの企業で定年に達した社員が一斉に退職していくので、人員を補充する必要があります。
現在は事情が変わってきているとはいえ、大企業の場合は、ほとんどの社員が大学卒業後に入社した会社で定年を迎えています。
こういった状況から、どの職務にどのような人材がどの程度必要なのか?をある程度予測し、1年も前から人数と職種を決めて新卒者を採用する事が可能になります。
一方、アメリカ人は比較的頻繁に転職をしますし、退職時期も人によって様々なので、いつどのポジションに欠員が出るかを予測する事が出来ません。
そのため、必要な人材を必要な人数だけ必要な時に採用するのが一般的な訳です。
お礼
あなたの書いたことは、すべて分かっています。 私の質問は、「なぜ入社式があるのか?」です。 その問いにあなたは全く回答していません。