与太話を。
アガサクリスティの書いた推理小説に、エルキュール・ポアロ が主人公の有名なシリーズがありますが、この「最終回」である「カーテン」という作品は、作家が若いときに書かれ、出版社に預けられました。自分の死後、この作品を公表してほしいと託して。
自分が作家としての力があるときに書いておきたい、という考えでした。
その後、このシリーズは長期に書かれ、作家の晩年にも毎年1作品は書かれたため、この作品は、日の目をみませんでした。ある年、まったく書くことが出来なかったので、やむを得ず、この作品は生前公表をされましたが、ポアロの作品の最後を飾っています。
この作品の存在は公表されていなかったので、当時、その存在は推測だけのものでした。
うる星やつら というアニメはリミックスや第2弾はなく、TV放映は1シリーズだけですが、いくつもの最終回を持っています。第3クール以降、視聴率低迷に悩まされましたが、関連グッズ特に当時高価だったセルビデオは、ビデオ売上げ全体での第1位を続けるなど、アニメ人気は衰えていませんでした。単にテレビをリアルタイムで見る人が少なかったんです。
視聴率重視のテレビ局は、各クール開始時に、そのクールで終えるという前提で製作会社に最終回の製作を指示しますが、番組編成時期になる度に、その後番組にうる星やつら以上の視聴率が期待できる作品を当てることが出来ずに、続投になりました。
そのため、いくつもの最終回があります。この回は原作にも収録されたものもあります。うる星やつらのファンが幸運なのは、アニメ雑誌に打ち切りの話と続投のために頑張ろうという話が載って知っていたのと、普通はお蔵入りになる最終回が放送されたということかと。関係者の思い入れが入った叙情的な名作が多いですよ。
ちなみに、うる星やつらの後番組は、これも同じ原作者の大ヒットアニメですね。
今、放映中の長寿アニメにも、お蔵入りになった最終回があるのでは、というのは、可能性はあるんじゃないかと思います。
また、原作の方も、クリスティのようなことを作家さんはしていないとは言えないかも。
お礼
大変興味深いお話をありがとうございました。 テレビ界というかアニメ界にも諸事情があるんですねー。