現在の東京電力の発電能力は4,000万Kw弱、
今後の供給能力増強で+1,000万Kw程度を見込んだとしても、
昨年の夏の電力需要は6,000万Kw以上なので、1,000万kw(率にすると15%~20%)不足する計算になります。
他の手段で電力を供給するには、(1)電力会社以外の発電所、(2)お隣の電力会社から分けてもらう、(3)自家発電、という3つの手段が考えられますが、
(1)電力会社以外の発電所
合計で500万Kw程度は、東京電力さん以外に発電所を持っている、東京ガスさんや、新日石などの石油会社さんが電力を供給できますが、既に東京電力さんからの依頼を受け、フル稼働している状況なので、上記の計算に折込済みと考えられ、上積みは期待できません。
(2)お隣の電力会社さんに分けてもらう
まず東北電力さんは当然ですが震災により自エリアでも計画停電を余儀なくされておりますので、無理でしょう。
あとは中部電力さんですが、残念ながら周波数が違うために、周波数変換設備を通さないと、中部電力さんの電気は、東京電力エリア内には流せません。この周波数変換設備の能力は最大で100万kw程度ですし、これも現在稼働しているので、上積みは期待できません。
(3)自家発電
各家庭や、工場で自家発電をする、という手段です。家庭レベルでは、太陽光発電やガスを使って発電する燃料電池があります。ただ、いずれにしても各家庭で導入するとなると100万円を超える出費になりますから、導入コストが障害になると思います。また、そもそもの太陽光パネルや燃料電池の生産も追いつかないと思います。
と、以上のように、新たな電力の供給は難しい状況です。
なので質問者さんのお考えのとおり、この夏も計画停電は続く、というか夏の方が冬より電気を使いますから(クーラーのおかげで夏は冬の1,4倍ほど需要がある)、寧ろ対象時間やエリアは拡大するはずです。
どうしても計画停電をしない、となると、考えられる手段としては、各家庭や工場の使用する電気量に制限をかける方法があります。止まらないかわりに、常にちょっとしか使えない、ということです。
ただ、電気を送る蛇口があるわけではないので、具体的には電気料金の値上げ、という形をとることになるでしょう。例えば、最低限必要な量の電気料金は今までどおりだけど、それを超えると加速度的に単価が上がるような料金体系にするなど。いずれにせよ一般生活者へ皺寄せが来ることは避けられないでしょう。。。
お礼
詳しい解説ありがとうございます。当分、計画停電は避けられない状況ということですね。今年の夏は、大変そうですね!