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校訂と改訂の違い
よくベートーヴェンやブルックナーの交響曲などで、○○校訂とか○○改訂版などの表記がありますが、校訂と改訂の違いは何でしょうか?
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noname#157218
回答No.1
読んで字の如し、ではないでしょうか。 「校訂」は、作曲家の自筆どおりになっているか、原稿どおりに印刷されているかを確認すること(原稿どおりかを「校正」する)、「改訂」は内容を変更すること(内容を改める)。 ブルックナーの場合、作曲者のオリジナルから、弟子たちが「より演奏効果が出るように」とか「聴衆にうけるように」とオーケストレーションを派手にしたり、冗長な部分をカットしたりして演奏・出版したものが「改訂版」(別名「改ざん版」)です。これらを、ロベルト・ハースやレオポルト・ノーヴァクなどの編集者が作曲者オリジナル(原典)にできる限り近くなるよう戻したが「校訂」です。(紛らわしいかもしれませんが、「校訂」の結果新しい版ができれば、それも「ハース版」や「ノーヴァク版」といった「改訂版」と呼ぶことになります) ベートーヴェンの交響曲の場合も、楽譜出版の際に、出版社が自筆原稿を読み誤ったり、当時の演奏習慣から追加・省略したような内容を、自筆楽譜や作曲直後の写譜などオリジナルに近い資料にさかのぼって、できるだけ原典に近い形に戻した「ベーレンライター版」が出ていますが、これを編集したデル・マー氏は「校訂」したことになります。