練習の具体的なメニューについては、ご自身で考案された方が良いかと思います。 練習内容についての理解が深い方が、練習によって得られる効果が高いと思いますので、自分でこういうところを強化したいという目的をはっきりさせて練習をくみ上げた方が良いでしょう。
最近では、ギター練習帳とか、ギタードリルといった、具体的な練習方法を載せた教則本なども多いので、それらを参考にするのも良いですね。
練習時間などは、自分のペースで無理のないくらいの時間を設定すればよいでしょう。 日によっては調子も違うでしょうし、無理しすぎて手などを傷めてしまっては、しばらく練習ができなくなってしまいます。 毎日これだけの時間練習する、という目標設定をすることも大事だとは思いますが、疲れたら休憩、どこか痛くなったら休憩、という姿勢も大事だと思いますので、自分の調子と目標に合わせて時間を設定すればよいでしょう。 焦ることはないと思います。
曲については、私には、特に初心者向けといったお勧めは挙げられません。 どんな曲でも、プロが演奏している以上、簡単といえるものは少ないと思いますよ。 個人的なお勧めは、とりあえずこれまでに通しでできるようになった曲を原曲のCDに合わせて弾いてみたり、その細かいニュアンスまでも配慮して綿密にコピーしてみるのが良いと思います。 簡単な曲といわれるものであっても、演奏しているのはプロですから、その演奏を細かに真似してみるのは良い経験になると思います。 また、録音などして聞いてみれば、客観的に粗なども見つめられると思いますし、何がどうできていないのかを把握するのには最適ですから、自分の演奏を録音して聴いてみるのも良いでしょう。
もし新たに弾ける曲を開拓したいという場合であれば、初心者向けかどうかよりも、その曲を弾きたいと思えるかどうかで決めるのが良いでしょう。 多少難しい曲でも、挑戦すればいずれはできるようになってくると思いますし、その難しかった曲が弾けるようになること自体が大きな成長とも思いますので、結果を焦らずに構えるのが良いと思いますよ。
練習内容についてのアドバイスですが、まずメカニカルトレーニングは取り入れた方が良いかと思います。 どんなスケールでも良いので、そのスケールを一定のテンポを守って、昇降してみる、この繰り返しをやってみると良いでしょう。 ただ、これだけでは漫然としたものになってしまいますから、細かいところにまで注意を向けてみてください。
運指側の手については、確実に弦を捉え切れているか、押さえに行くまでの動きに無駄がないか、人差し指などは空いた時にミュートに使っているか、弦から指を離したあとにどこに指を持っていっているかに注意すると良いでしょう。 特に、弦から離した指については、ネック上から外さずに、指板の上数cmのところで指を待機させられれば、それだけ次の動作に有利になりますから、これを習慣付けておくと良いと思います。 なお、指板の上空で指を待機させるようにするには、案外手の筋力が要りますので、きつくなってきたら手を休めることをお勧めします。 これができるようになると、意外に手の握力も向上しますよ。 あと、スケールトレーニングのときは、小指もできるだけ使うようにすると後々楽になると思います。
右手については、弦にピックが当たる角度や、ピック先が弦に入る深さ、振り抜いたピックの行き先、また手首の使い方などに気を使うと良いでしょう。 ピッキングは音に如実に影響が出ますので、ピックの使い方に細かな気を使うと、それだけ音色をコントロールすることに注意ができるようになると思います。 また、手首の使い方ですが、できればカギを回すようにひねる動きを中心にしてやると良いでしょう。 あまり大袈裟に動かしすぎると大雑把になりがちですし、最小限の動きでピックを扱うには、この動きが理想的かと思います。 ついでに、単音弾きの時に、手の腹をブリッジに乗せて安定させる方法だけではなく、肘をエルボーカットやギターのボディ上端に当てて安定させ、手首を浮かせた状態でピッキングができるようになると、幅が広がると思います。 手首を浮かせた状態で安定したピッキングをするには、少し筋力をつけないといけませんが、焦らずに試していけば次第にできるようになると思いますよ。
練習としては、メカニカルトレーニングとは別に、リズムトレーニングなどをしてみるとよいと思います。 音楽はリズムですので、リズム感を鍛えるのは重要です。 具体的には、コードカッティングギターのバッキングをしっかりできるように練習してみると、リズムに対するアプローチはかなり洗練されてくると思うので、やってみることをお勧めします。 カッティング自体はFunkやPopsといったジャンルで多用される奏法なので、Rockではあまり使われないかもしれませんが、カッティングギターでまともに演奏するには、オルタネイトピッキングとミュートがしっかりできることが前提になりますし、リズム感も鍛えなければなりませんから、これを練習すればそれらも強化できるのではないかと思います。 また、歌ものの曲を弾く上では、ソロだけでなくバッキングもきちんと弾けることを求められると思うので、ためになると思いますよ。 Rockだと、ちょっと古いですが、Doobie Brothersなどはカッティングギターが結構入っていますので、このあたりはとっつきやすいかもしれませんね。
それと、譜面やタブに頼りきりにならないように、自分で練習のときに出している音に対してよく耳を向けることもお勧めします。 特に、メカニカルトレーニングは、ただ指の運動ばかりではなく、どのポジションでどういう音程が出るのかを記憶するチャンスでもあるので、よく注意を払うと良いでしょう。 また、音源にあるフレーズなどを、耳で聴いて、なぞってギターから出してみるのも、ギターを演奏する上では非常に重要な要素になると思います。 思い浮かべた音程をすぐに出すという点でも、チューニングの狂いを耳で感じるという意味でも、またチョーキングなどで正確な音程を出すという意味でも、耳を鍛えておくことは重要です。 そういう意味では、耳コピなどに挑戦するのも良いと思いますよ。
あとは、ギターを弾くことだけではなくて、たまにはギターを置いて音楽を聴きあさる時間を持つこともお勧めします。 ギターを弾いて演奏するのは音楽ですから、たとえ人の演奏でも、音楽を楽しむことを忘れないようにするのが第一ですし、また人の演奏を聴くことで身になる部分も少なくないですよ。
参考になれば幸いです。 長々と失礼しました。