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ドキュメンタリーの撮影方法
ちょっと前に質問したのですが、もう少し具体的な事が聞きたかったので再度質問します。 友人が、小説を書いているのですが、その関係で、ドキュメンタリーの撮り方について教えていただきたいです。 なにぶん、右も左も分らない分野なので撮影というのがどのように行われるのか分りません。 設定は「芸術系大学の学生が卒業製作のためドキュメンタリーをつくる。」となっております。 1.撮影がどんなふうに進められるか、が知りたい。 2.カメラマン、ディレクター(?総まとめ的な人)、音響、照明って、いたら人数とりすぎ?カメラは何台?、音と光はカメラさんがなんとかするものなんだろうか? 3.機材は、どんな機材を使っているのか?(カメラは学校で貸し出していてプロっぽいもの。大きめで肩に担いじゃうような。のを想像しているのですが・・・) 必要性のある役割ってどこまでなんだろう?(上に書いた以外に、他にも必要ですか?) 撮影期間は、話の流れ的に二ヶ~三月程度欲しい、けど、一つの家族について物語を切り取るとしたら、どの程度時間をかけて、どんなふうに接触していくのか、感じからしてわからない。それは作り手さんそれぞれかもしれないんだけれど。なにしろ卒業製作で、不器用そうにとる学生だとしたら、週に何回くらい先方に通いそう? もちろん、企画とかスケジールとかも決めておいたほうがいいのだろうが。 と、いうように、つまり実感というのかがつかめなくって。 参考資料、話、などありましたら、教えていただけると嬉しいです。 宜しくお願いします。
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こんにちは。美術大学卒の者(専攻は写真)です。 映画専攻の友人が多くいましたのでお答えしますと・・・ 1.進め方は人それぞれですが、ドキュメンタリーの場合は監督と被写体の「対話」が基本ではないでしょうか。(なんなら監督が写ってしまってもいいし、インタビューする声が入るのも有りですから) 主題となるものを撮影する。それに関係する人にインタビューする。その人の生活を撮る。 映像としてはNHKスペシャルなどを思い出していただければ判るかと思いますが、たいていはその人のいる所に出向き挨拶したら大体の趣旨を説明します(「最初に少し普段の生活を撮らせて頂いて、そのあとにインタビューします。普段の生活を撮りたいので、あんまりカメラは意識しないで下さいね」てな感じです) 2.これは撮影の規模にもよりますが、まずカメラマン。これは学生映画の場合は監督が兼任することが多いです。しかし、ドキュメンタリー映画で監督自身がインタビュアーになるのならカメラマンは別に必要になるでしょう。 音声は必要ですね。16ミリ映画ですと映像と音声は全く別々に記録しますので、一人では無理かと思います。 照明は基本的に必要だと思います。ビデオと違ってフィルムは感度がそれほど高くないので、室内撮影の場合は照明は必須です。しかしドキュメンタリーの場合は「仕方なく照明が用意出来なかったが、どうしても撮りたい場面なので暗いまま撮影」ということもあります。 カメラはハリウッド超大作などを除けば商用映画でも1台です。とにかくフィルムも現像代も高いので、ビデオのようにダラダラとカメラを回すことはないです(しかし、ドキュメントですから「どこでカメラを止めるか」というのは難しいのですが) 編集という作業もありますがこれは監督がすればOK。 そのほかには「プロデューサー」という役割もあります。 これは映画の「芸術的側面以外」の統括者で、金銭的な面や交渉ごとを担当します。 劇映画の場合は撮影許可を取ったり、役者さんのスケジュール、ギャラの支払い、などなどをしますが、 監督が兼任してもいいですし、ドキュメンタリーの場合はいなくてもあまり問題ないかと。 3.映画用カメラには8ミリ、16ミリ、35ミリなどありますが、「大きめで肩に担いじゃうような」という設定なら16ミリでいいと思います。 8ミリは家庭向けで小さいカメラですし、粒子も粗くあまり本格的とはいえません。 また、35ミリです本格的過ぎて(一般の映画はほとんど35ミリです)学生の卒業制作には規模が大きすぎます。また費用(フィルム代、現像代)も莫大になります。 学生時代、学校から借りられる16ミリカメラとしては 「ボレックス16」 http://members.aol.com/anamikaigaikk/pages/2_bolex.html#anchor2 「アリフレックスST」 http://film.club.ne.jp/service/rental_AliflexST.html 「キャノン スクーピック」 http://users.swing.be/beckerp/canons16.htm などがありました。 ただし、何度も書きますが費用が結構かかりますので、そのへんを書いておかないとリアリティが出ないかもしれません。 http://www.eizo-sekkei.co.jp/terakoya/eigaseisaku.htm >どの程度時間をかけて、どんなふうに接触していくのか、感じからしてわからない。 このあたりは特に「ドキュメンタリー映画だから」という設定は必要ないと思いますよ。 思ったような撮影が出来なくて(相手が心を開いてくれない)だんだん撮影に行かなくなる人、 逆に「なんとか話を聞いてやろう」と嫌われてもしつこく尋ねる人。 これはもうその小説の登場人物の性格でどのようにでも書いてしまっていいとおもいます。 撮影時間も「これだけの素材(撮影したフィルム)があれば作品としてまとめられる」と思った時点が終了です。 (学生時代、1年で撮影が終わらず留年した友人がいました(笑)) 参考程度に、ドキュメンタリー映画専門のメルマガ(バックナンバーが読めます) http://www.ytv.co.jp/magazine/neo/b_numne/index.html あと、蛇足ながら最近は映画専攻でも「ビデオ」で撮影することも非常に多くなっています。 なんといっても、費用が安いのと人手が少なくて済むので学生の卒業制作にはビデオも多く見られます。 今、話題になっている「home」というドキュメンタリーは小林貴裕監督の日本映画学校の卒業制作であり、一人きりでビデオ撮影をしています。 http://www.mmjp.or.jp/BOX/home/ ご参考までに。
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- ・・・・ リナ(@engelrina)
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#1の方がフィルムの方について丁寧に説明して頂いているので、私はビデオの方でお邪魔させていただきます。 芸術系大学の学生という設定だと#1の方のほうが的を得ていると思いますが、お暇でしたらこちらもお読みいただけると暇つぶしに書く甲斐があります。 1.先ず、撮影対象を決めて、できる限り密着取材を心がけます。 プロの現場は、朝一番に(とは限らないで時刻に関係なくその日初めて顔をあわせた時点で)「おはようございます」というあいさつをしてスタッフの仕事が始まります。 撮影前にディレクターとスタッフ間で綿密な打ち合わせをして意思の疎通を図っておきます。 撮影中は全員が真剣に持ち場の仕事をこなします。 ドキュメンタリーだからといって、むやみに撮影しても無駄になるのでカメラマンの物事を判断するセンスも重要です。 その日の撮影が終わったら、ディレクターが「お疲れ様でした」と言い、それに応えてスタッフ全員も「お疲れ様でした」。これでめでたく自宅に帰れるという毎日です。(帰れない毎日が続くこともあります。) 2.ディレクターは作品制作の最初から最後まで関わり、その作品全般に関する責任者であり、現場で指示を出します。 放送局なんかだと、ディレクターの上にもっと偉くて権限のあるプロデューサーがいます。 収録は仕事を分担してそれぞれが責任を持って努力しないと出来上がりが悪くなってしまいます。 目的の音が小さかったり、ライトによる影が邪魔な位置に出てしまったりという事がないようにしないといけません。 取材体制の基本はカメラマン、音声、照明ですが、現場の状況によっていろいろです。 ガンマイクを使わないでカメラマイクだけにしてカメラマンが音声についても担当したり、音声さんがバッテリーライトを持って照明もやったりすることもたまにあります。 カメラマイクでカメラのシュー(シューとは普通のスチルカメラに付いているストロボを取り付ける部分のことです)にバッテリーを取り付けて撮影してなんていう場合のカメラマンの負担は相当なもので本当に疲れちゃいます。 ディレクター自らカメラを持って一人で取材することだってあります。 ドキュメンタリーだと、やらせや取り直しができない場合が多いので、ビデオの場合、同時に2台のカメラで違う角度から収録することも多いです。 3.使用機材はもちろん放送局仕様の信頼性の高い高性能な物(ニュース報道の時に良く見る肩乗せタイプの一体型)が殆どですが、最近は業務用あるいは家庭用の小型のデジカムの使用も増えています。 近年、編集作業をデジタルでするようになっているので、収録の方もデジタルDVCAM(ソニーDSR-570WS,DSR-PD150等)を使っています。 一般レベルならDVテープで撮影してパソコンでファイナルカットなどの編集ソフトを使えば十分編集できちゃいます。 編集しながら悩むディレクターの心理も描けると面白いと思います。 撮影期間はケースバイケースで、1ヶ月は当たり前、2~3ヶ月はしょっちゅう、1年以上も有り。といっても毎日ではない場合が多いのでどうということはないのですが。 要は、テーマのきっかけがあってから物事の展開がいろいろ発生し最終的にどういう状態になったのかまでのスパンが撮影期間になるわけで、その間の取材対象の心理状態や周囲の反応、ディレクターなりの解釈などをダイナミックに描ければいいのですが、実際やってみるとディレクターの思惑通りに物事が展開しなかったりするので結構難しかったりするのです。それがドキュメンタリーの面白いところでもあります。 取材にあたっては、取材させてくれる人の気持ちを理解しつつ、密なコミュニケーションを心がけることが大切です。
お礼
しばらく、パソコンの触れられないところにおりましたので、お礼が遅くなりました。すいません。お二人とも、分りやすく、丁寧に回答して頂いて、すごく嬉しく、ドキドキしました。ここで、お礼をまとめて書いてしまいますが、お許しください・・・。 ちょっと実感として、立ち上がってきたように思います。 現場では、責任感と礼儀正しさが必要なんだなと感じられました。が、話の都合上被写体と思いやりのある密なコミュニケーションはとれない(その行き違いの話なんです・・(笑)参った・・。)のですが。 紹介してもらったページを見て、もう少し勉強しなくては、それと、予算も大事なんですね。もう一度、人格をつくり直す必要がありそう(笑) やはり、生身のご意見は貴重です。感謝です。 少し、形が見えてきて、創作意欲もわいてきました。 本当にありがとうございました。