初代マクロス以外の強攻型
「超時空要塞マクロス」シリーズに登場する「マクロス級」を始めとする主役級の宇宙戦艦(?)は、何故、「強攻型」と呼ばれる人型形態に変形する設計となっているのでしょうか?
(もしかしますと私が知らないだけで人型にならないものもあるかもしれませんが、その様なタイプのものは本質問の対象とはしません)
初代のマクロスが強行型に変形するのは、フォールド航法の事故により主砲にエネルギーを供給するエネルギー伝達系統の一部が消失し、通常の形態のままでは主砲を使用する事が出来なくなったため、艦体を構成する各ブロックを組み替えて、エネルギー伝達系統の消失部を迂回して主反応炉と主砲を接続する事によって、主砲の使用を可能にするためのものであり、言わばやむを得ない苦肉の策に過ぎないものだった筈です。
巨大な艦体を変形させるのには時間を要し、その間、装甲内部の機器等の一部が剥き出しになりますから無防備になりますし、ブロック同士の連結が一時外れるのですから、緊急時であるのにもかかわらず人員の移動が妨げられます。
変形後も、重力制御の不調から航行速度が低下するという話ですし、なにより人型形態では投影面積が広い船腹を敵に曝す事になるため被弾率が大幅に増大してしまいます。
初代マクロスに関しては前述の通りやむを得ない処置だったため、その様な戦闘に不利な形態に変形するのも致し方なかったと言えます。
しかし、マクロスシリーズにおいて人型に変形する大型艦は初代マクロスだけではなく、その後建造された戦闘宇宙艦の中にも、初代マクロスと同様に人型に変形するものが幾つか登場しています。
それらの中には「ステルス性確保のために艦内部に格納されていた兵装類を艦体表面に引き出して使用可能な状態とするため」という理由づけがされているものもある様ですが、ステルス性が失われるのであれば尚の事、機動性や速度が重要になるのですから、「重力制御が行い難いが故に速度性能を向上させるのが難しくなる形態」に変形する意味がありませんし、そもそも、もっと航行に適した形態のまま武器を引き出して使用する事が可能な設計にすれば済む話であり、その方が余程設計も楽ですし、より高い性能が得られる筈です。
また別の艦では「(腕部で殴りつけると言った肉弾戦という意味での)格闘戦」を行うために変形していると思われるものもある様ですが、そもそも宇宙における戦闘は超長距離戦が主体であり、格闘戦性能はあまり必要とされませんし、彼我の相対速度差が極端に大きいため、格闘戦に持ち込む事自体非常に困難を伴います。
彼我の速度差をほぼ0にして敵艦に追従しなくては格闘戦のやり様がありませんが、前述の通り人型は速度性能を高くする事が難しい形態なのですから、格闘戦を行う事も考えて設計を行うのであれば、人型に変形しない設計とした方が良いという事になります。(昔の戦闘用の艦船の様に衝角を備えた通常形態の方が余程高威力です)
又、「マクロス・エリシオン」の様に人型となる理由が定かではないものもあります。
こういったマクロスシリーズに登場する人型に変形する宇宙艦で、「初代マクロス」以外のものは何故、態々戦闘に不利な人型に変形する機能が設けられているのでしょうか?