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ブラックベリー なぜフィルタリングできないの?

 「娘が誕生日プレゼントに携帯電話『ブラックベリー』が欲しいというのでNTTドコモの販売店に家族で出かけましたが、この機種はフィルタリングが利用できないというのです」=埼玉県新座市、主婦(匿名)

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  • SANKEI1
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回答No.1

■オバマ大統領も愛用  インターネットが利用しやすく、複数のメールアドレスを管理できるなどの機能を備える携帯電話はスマートフォンと呼ばれ、ビジネスマンらに人気だ。高解像度のスクリーンとキーボードが特徴のブラックベリーはドコモが販売するスマートフォンの1機種で、オバマ米大統領が愛用していることでも知られる。  質問を寄せた女性は、中3の娘がオバマ米大統領のファンでもあることからブラックベリーの購入を希望していたが、アダルトサイトや違法行為を誘発するサイトに接続できないようにするフィルタリング機能がないことから、購入を断念したという。  携帯電話各社には18歳以下の利用者に対し、アダルトサイトや違法行為を誘発するようなサイトに接続できない「フィルタリングサービス」を提供する義務が法律で定められているのに、こうした事態はなぜ起きるのだろうか?  ドコモスマートフォン事業推進室の松野亘さんによると、携帯電話でインターネットサイトを見る場合、必ずインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)を通って接続される仕組みになっている。フィルタリング利用が申し込まれた携帯電話は接続先のISPで識別され、見られるサイトに制限がかけられる。  松野さんは「パソコンにはそれぞれにフィルタリングソフトを入れることでアクセス制限がかけられますが、携帯電話の小さな端末にはソフトを入れられないため、ISPでフィルタリングをかけます」と話す。  ドコモでは、「i-mode」「moperaU」という2つのISPで携帯電話のフィルタリングを管理。しかし、ブラックベリーは機能の特殊性から製造元であるカナダのリサーチ・イン・モーション社(RIM社)のISPに接続するため、ドコモでフィルタリングをかけることができない。また、世界各国の携帯電話がアクセスするRIM社のISPで、日本の携帯電話の一部だけにフィルタリングをかけるには技術的ハードルも高いという。 ■18歳未満の利用30人程度  今年4月、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」が施行された。この法律では、インターネットに接続できる携帯電話の使用者が18歳未満の場合、フィルタリングサービスを提供しなければいけないと定めている。  総務省の担当者は「青少年が有害情報を閲覧する機会が少ないものは、利用実態を踏まえて判断するよう政令で定めています」と話す。そのため、「ブラックベリー」については、(1)ISPをカナダのRIM社が管理しているため法律の適用ができない(2)ビジネス向けのモデルで青少年の利用は少ない-ことから、フィルタリング規定の対象外と判断しているという。  一方、ソフトバンクが米国から輸入しているスマートフォン「アイフォーン」については、(1)ソフトバンクのISPを通ってネット接続している(2)アプリも豊富で青少年に人気-などの理由から、総務省と協議した結果、フィルタリングサービスを提供している。  ドコモによると、「ブラックベリー」は平成18年9月から法人向けに発売を開始。その後、自営業など個人のビジネスマンのニーズが高まったことを受けて、今年2月からは店頭でも販売を開始した。ドコモの調べでは、18歳未満の利用者は全国で約30人(0・1%未満)だが、“オバマ効果”で問い合わせが増えており、今後は18歳未満の利用者の増加も見込まれる。  ドコモ経営企画部の東原弘さんは「国内で法律ができたことや、顧客層を広げるためにもフィルタリングは必須。RIM社とは、日本の顧客向けにフィルタリングを提供できないか検討中です」と説明。店頭では現在、フィルタリングの対象外であることを説明し、フィルタリング機能の希望者にはほかの機種を勧めている状況だ。(石川有紀)