>> マニアは、イギリスのスピーカーを使うということで理解してよろしいのでしょうか? //
そういう訳でもありません。
先述のように、「違いにこだわる」のがマニアですが、ここでいう「違い」は、「それぞれの機器の個性」と「各人の好み」という2つの含意があります。後者の意味で「違いにこだわる」人がいる限り、「右へならえ」にはなりません。
もとい、様々な「各人の好み」を満たすために「機器ごとに個性がある」ともいえるので、「右へならえ」的な買い方をするのは究極のマニアではない(あるいはミーハーな買い方だと分かりながら、どんなものか試してみたい)、ともいえるでしょう。
確かに、イギリスには世界的に著名なオーディオ機器メーカー(スピーカーに限らず、アンプ、CDプレーヤー、レコードプレーヤー、ケーブルなど)が多数ありますが、ドイツ、ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、イタリア、フランス、スペインなど、多くのヨーロッパ諸国に優秀なメーカーがあります。
また、米国やカナダにも著名なメーカーがありますし、日本にもFOSTEX、TASCAM、TADなど、プロの業界を支える有名メーカーがあります。
中国や台湾には、日米欧などから注文を受けて下請生産をしているメーカーがたくさんあり(イギリスのメーカーでも生産国が中国というのは少なくない)、その中のいくつかは、独自ブランドで非常に優れた(日米欧のハイエンド製品より良いものも多い)製品を発売しています。
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ちなみに、これらのメーカーの少なからずが、プロ向けのオーディオ機器も生産しています。たとえば、イギリスのスピーカーのメーカーの多くは、放送局向けのスピーカーを作っていたのが起源です。
しかし、だからといってたいていのスタジオにあるかというと、そうではありません。上記のFOSTEXは、NHKに採用されたことで有名ですが、これもプロなら誰でも持っているという訳ではありません。
プロが音質のチェックに使うスピーカーは基準となるものなので(これとは異なり、ライブやイベントの会場で大音量を鳴らすプロもいて、種類が違う)、「使う人にとって」基準といえるものでなければなりません。たとえ癖のあるスピーカーでも、「このスピーカーでこう聞こえるってことは、ステージではこういう音だな、CDになったらこうなるな」と予測がつくなら、基準足り得ます。逆に、モニタースピーカーは癖がないなどといわれますが、それによって使用者の勘が狂うなら、それは悪いスピーカーです。
けっきょく、プロはプロなりの理由で、マニアはマニアなりの理由で、「各自にとって」最もニーズを満たしてくれる製品を選んでいる、ということです。
お礼
相対論として「有用性」という観点から見るといろいろなニーズがあるので、可能性はたくさんあるということ、そして、その前提からいろいろなことが説明できるようですが、つまるところ、オーディオに詳しい「通(つう)」の方は、概してヨーロッパ製を使用している、また、特にイギリス製は、回答者様を含め、事情通のプロも選択するほど信頼性があり捨てがたいということがわかりました。 あと主人とのコミュニケーションを深めていかなければならないということも思い知らされました。考えさせられることが多いQ&A。本当にありがとうございました。