そうだったのですか、てっきり普通にテレビで見ていたのかと思って。失礼いたしました。
安心してください。「School days」(以下スクイズ)とは、方向性が全然違いますよ。
「スクイズ」は原作が18禁PCゲーム(恋愛系、いわゆるギャルゲー、エロゲー)なんですよ。エンディングがいくつもあるのでもちろんハッピーエンドもあるのですが、スクイズはバッドエンドが特徴的なのであえてバッドエンドを選んだんですよね。バッドエンドがいいと思う人は普通いませんけれど。
ファンの間でもアニメ化は衝撃が走りましたし、最終話が放送中止になった時はファンの反発もありましたが、放送を中止しなかった一部の局で見た人やそれを動画投稿サイトで見たファンには放送中止にも納得しているファンも結構いました。
逮捕される過程が描かれなかったのは、原作がゲームで主人公をプレイするので主人公が死んじゃったらバッドエンドで終わりだからです。
そのあと主人公をめぐっていた少女たちがどうなったかまでは知りたいだろうからそこまでは描かれましたけど、ファンは少女に手錠をかけるシーンに興味はないんですよね。その前に主人公を愛するあまり病んでいく少女たちの様子(俗に言う「ヤンデレ」(病ん照れ))は描かれていましたし。
「スクイズ」を批判しているわけではないんですけど、正直、テレビという媒体を考えると、テレビアニメでバッドエンドはまずかったかな、とは思いますね。バッドエンドにするならOVA(オリジナルビデオアニメーション、テレビで放送されないもの)にすべきだったかな、とは思います(全てのギャルゲーのバッドエンドが暴力的なわけじゃなくて、普通に恋が成就しないパターンの方が多いですし、ほとんどのギャルゲーのアニメはハッピーエンドです。)。
話はそれましたが、「鋼の錬金術師」(以下ハガレン)は「月刊少年ガンガン」連載の自称「ダークファンタジー」でたしかにダークなところもありますし重いテーマ(生命倫理、戦争、民族紛争など)を扱っているので「死」に関するシーンも出てくることもありますが、「スクイズ」とは全く違います。
どうしても質問者さんのイメージを払拭したいので軽く説明させてください。
今からいうことは序盤(原作では一巻、アニメではもうすでに終わっている話)でわかることなので紹介します。
まず、「ハガレン」でいう「錬金術」とは、現実のような金を作るものではなく、簡単に言うとある物質を分解して同じ材質、質量の別のものに変化(錬成)する術のことです。たとえて言うなら鉄鉱石を使って、同じ質量の鉄剣に錬成できたり、とかですね。
厳密に言うと「等価交換」(何かを得るには同等の何かを失わなければいけない)を利用しているんですけど。
主人公は「エドワード・エルリック」(以下エド)という少年です(外見の紹介は省きますね)。幼いころに父親が蒸発、母親が一人で育ててたんですけどしばらくして母親は死んでしまいます。
幼いころから錬金術の才能があったエドは同じく錬金術を使える弟「アルフォンス・エルリック」(以下アル)と一緒に幼心で、人間を構成している物質を集めて錬金術師の間では最大の禁忌とされる「人体錬成」で母親を取り戻そうとします。
しかし錬成はなぜか失敗、しかも代償にエドは左足を、アルは体全てを失ってしまいます
しかし、エドは弟を取り戻すため再び今度は自分の体を代償にしてでも弟を取り戻そうとして、弟の魂を鎧に定着させます。しかしエドは代償に右手まで失ってしまいました。
その後、なんとか立ち直ったエドは、鋼の義肢「機械鎧(オートメイル)」を右腕と左足に装着し、中身が空洞の鎧の体の弟アルとともに失ったものを取り戻すため旅立ちます。
ってところです。エンヴィーは完全な悪役ですよ(個人的には悪役の中でも一番悪役っぽい性格をしてると思います。典型的な「外道」キャラです。)
ストーリーの都合でエンヴィーは逮捕はされないと思います(読んでいけば分かりますが、逮捕するところまで描かれていないのではありません。逮捕できないんです。ただこの部分はかなり重要なネタばれなので言えないというか、この部分を説明するとなるとかなり後まで説明しないといけなくなるので)。
また、もう言っちゃいましたが、エンヴィーは「普通」の人間ではありません(変身能力を見ればわかると思いますが)。
軍人を殺した場面だけ解説させてもらうと、
エンヴィーがヒューズを殺したのは、ある秘密に気付いたヒューズの口を塞ぐためです。
ヒューズさんを簡単に説明させてもらうと階級は中佐、ひょうきんな性格でものすごい愛妻家で勤務中にも平気でノロケ話をする人ですが、ものすごく頭がキレます。
エンヴィーの仲間もヒューズを殺そうとしました。しかし何とか逃げ出して、親友で大佐のロイに自分が知った秘密を伝えようとします。しかしエンヴィーが同じ軍のマリア・ロス少尉に化けてそれを静止しますが、ヒューズは見破ります。
しかし、今度は妻に化けたエンヴィーに反撃できず、殺されてしまいます。
少年漫画なら必ずあるような、味方が殺されて燃える的な展開ですし、ちゃんと落とし前はつくとおもいます。
本当に面白いです、おすすめです。ただNo.4さんが仰られているように複雑に色々なことが絡み合っていて一部分だけネタばれするのが難しいんですよ。けどその分読み応えはあります。基本シリアスですがところどころにギャグ部分もあります。
コミックスの巻数は月刊誌なので週刊誌みたいに多くはない)ですが、連載時期は長いですし発行部数も半端ないです。
個人的にも「ONE PIECE」クラスの作品だと思ってます。
今回のアニメ新シリーズは原作準拠なのでアニメを見逃していても原作を見ればわかりますよ。
ほんとに長文になってしまい失礼しましたが、誤解を解きたかったので。
というか一般人の間で、スクイズ放送中止のショックがこれほど広がっているとは、正直この業界に染まってるぶっちゃけオタクの自分からしたら予想の斜め上でした。
自分は「スクイズ」の原作についても、こっち方面の作品全体に関してもある程度知識があるので猟奇的、暴力的な描写がある作品でも良作があることは知っていたので動じなかったのですが、いきなりヒューズ殺害の場面を見た一般人さん(自分がオタクなので)だったらそう思っちゃうんですね・・・。勉強になりました。
ただ、最近は多少の暴力シーンはリアリティがあったりそのあとの展開を引き立てるので良しな風潮になってますね。
その風潮がいいのかはここで問うことじゃないので避けますが、自分が言いたいのは、暴力シーンだけで判断しないでじっくり見てほしいってことですね。まあ本当にグロいだけの作品もありますが。
それではここら辺で失礼します。
補足
仕事中に携帯電話のワンセグでチラッと見ていただけなので(電波状況が悪く映像が途切れたりしたので)あれは主人公らしい?と分かりにくかったと思います。現代を舞台にした作品ではアニメのスクールデイズが地上波で打ち切りになった最終回で殺人を犯してそのまま終わり逮捕されるところまでちゃんと描いてなかったのでこういう作品ならいやだなと思っていました。原作のほうはコミックレンタルができる店が近くにあるので半額セールの日に借りようかと思います。